平和ボケした日本に吹き荒れる「改憲」ごっこ

日本国憲法が時代遅れだ、的な改憲論はずっと以前からありましたが、右派・保守政党が野党になって以来、その動きは無責任な過激さを増しているようです。

一般論として、憲法の規定が現状にそぐわないという評価自体は理解できますが、立法や行政の運用で対応できないものではなく、震災復興や原発問題、年金問題や経済問題への対応の方が国民生活のために優先されるべきでしょう。
しかし、国民に憲法で縛られている政治家・政府にとっては、そうではないようです。

国民の側から見れば、現実に生じている問題に対して立法措置で対応できないことが具体的に指摘されなければ改憲の必要性は薄いわけですが、そういったことは議論されず、専ら右派政治家やそれを支援する産経新聞などのメディアが大騒ぎしている状況です。

よく言われる「軍隊の保有」を明記するべきとの主張ですが、現実に自衛隊が存在しているわけで、名前を「自衛軍」や「国防軍」に変えたところで強くなるわけでも何でもありませんから、必要性に乏しいと言えるでしょう。もちろん、仮想敵国であるロシアや中国が、「自衛隊」から「軍隊」に名称変更した途端に日本の軍事力が増大したと評価するわけもありません。ただし、日本の脅威を殊更主張するようにはなるでしょうね。ロシアや中国の軍事関係者から見れば、「日本軍」が復活したというのは自国の軍事予算拡大のための格好の宣伝材料ですから。憲法に「軍隊」明記を主張する人たちは、自己満足のためにわざわざ仮想敵国に軍拡の言い訳を与えているようなものです。
まさに平和ボケです。


追記
こういうブクマに対して。

憲法改正=戦争・軍靴、はさすがに洗脳されすぎ。9条は維持、その他は文中にもあるように時代遅れなので随時改正、で全く問題ないと思うんだが。 2012/05/06

本文をよく理解できていないようですので、再度わかりやすく記述します。

一般論として憲法の規定が現状にそぐわないという評価自体は理解できますが、立法や行政の運用で対応できないものではなく