教科書からの「従軍慰安婦」「強制連行」記述削除は教科書会社だけの問題ではない。

以前の記事と同じく、この件です。

教科書から「従軍慰安婦」を削除 高校の公民、今春から

 高校の公民教科書を発行する数研出版が「従軍慰安婦」と「強制連行」が含まれる記述を削除する訂正申請をしたことが9日、分かった。文部科学省は訂正を認め、今春から使用される教科書に反映される。
 記述が削除されたのは、現代社会2冊と政治・経済1冊の計3冊の計4カ所。いずれも昨年11月20日に訂正申請を受け付け、同12月11日に認められた。3冊とも「従軍慰安婦」「強制連行」の文言がなくなった。
 文科省は昨年1月、小中学校の社会科、高校の地理歴史と公民の検定基準を改定し、近現代史で通説的な見解がない場合はそのことを明示することなどを明記した。
2015/01/09 10:44 【共同通信

http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015010901001134.html

権力者の威圧下における“自主規制”と言えるでしょうが、この動きに対し、自称保守はこう評しています。

the_sun_also_rises 数研出版の自主的な動きと思われるので非難したい向きは数研出版へどうぞ(笑)。数研出版って数学や理科の教科書のイメージが強かったのだけど社会も出していたんだとちょっとびっくり。シェアは高くないだろうけど 2015/01/09

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.47news.jp/CN/201501/CN2015010901001134.html

自称保守にとっては、笑い事なのでしょう。

ところで、安倍政権が踏襲すると言っている河野談話には以下の記述があります。

河野談話
我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

http://fightforjustice.info/?page_id=2475#kounodanwa

教科書会社の“自主規制”を容易に認めた日本政府には、「歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意」など全くないと言えるでしょうね。

それは国が公式に表明した「決意」を国が自ら破るような行為であって、民主主義国家の市民であれば、恥と感じるべき行為です。

民主主義国家の市民としての矜持を持たない者には理解できないでしょうけどね。