“不戦の誓い”とかが目的でないことは明白だけどね。

安倍首相の真珠湾訪問の件。
反戦団体としては慰霊だと言われれば反対はしにくいわけですが、閣僚から出てくる発言が「日米同盟の強固さ発信する機会」だとか「謝罪ではない」だとかでは、どうにもねぇ。

稲田朋美防衛相、7日に米国防長官と会談 安倍首相真珠湾訪問は「日米同盟の強固さ発信する機会」

産経新聞 12/6(火) 12:11配信
 稲田朋美防衛相は6日午前の記者会見で、来日中のカーター米国防相と7日に防衛省で会談すると発表した。カーター氏はまた、6日午前に海上自衛隊横須賀基地でヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を視察。トランプ新政権が来年1月に発足する状況を念頭に、日米同盟の重要性を再確認する狙いがあるとみられる。
 稲田氏は会談の目的について「これまで進められてきた日米協力の進展を確認するとともに、引き続き日米同盟強化のため緊密に連携することを確認したい」と述べた。
 安倍晋三首相が今月末に米ハワイを訪問してオバマ大統領と会談する予定には「日米同盟の強固さ、アジア太平洋地域の平和と安定、そして価値観を共有し、力による支配ではなく法による支配を貫徹をするというメッセージを発信する良い機会になる」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161206-00000530-san-pol

真珠湾訪問>「謝罪ではない」菅官房長官

毎日新聞 12/6(火) 13:00配信
 菅義偉官房長官は6日の記者会見で、安倍晋三首相の26、27両日の真珠湾訪問について「戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」と強調した。そのうえで「日米の和解の価値を発信する機会になる」と述べた。
 また、5月に広島を訪れたオバマ米大統領との「相互訪問」との見方があることについて「関係するものではない」と否定した。【田中裕之】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161206-00000041-mai-pol

稲田防衛大臣の「日米同盟の強固さ発信する機会」発言などはホントわかりやすくて、要するに日米軍事同盟の強固さを見せ付けて威圧するという目的なわけです。この文脈での“不戦の誓い”というのは反戦平和を求めてるわけではなく、武力を誇示した威圧によって仮想敵国を心理的に抑えつけ、それによって戦いを回避できるという目論みです。
外交交渉によって関係改善を図るという正攻法を放棄するに等しい考え方で、例えば北朝鮮が核開発しているのと同じような目論見と言えます。
一般的な感覚では、こういうのを“不戦の誓い”とはみなさないでしょう。

“慰霊”だとか“和解の象徴”だとか言っても、少なくとも日本にとっては言葉通りの意味ではない、と。

もう一つ謝罪ではないと強調することの意味があります。
“慰霊”“和解”という言い方をしてはいますが、これは要するに日米両軍兵士とも勇敢に戦ったと互いに健闘しあい和解するという意図ですね。つまり、不幸な経緯により日米間で戦うことになったが、今はお互いを立派な戦士と認め合っていることを示すセレモニーとする意図です。
もっとはっきり言うと、日本軍の後継たる自衛隊を米軍の同盟“軍”として認めてもらうこと、それによって米軍にも認められた自衛隊の地位を憲法で明確に、という風につなげて行きたいんだろうなぁ、と。

とは言え、その目論見がわかっていても面と向かって反対しにくいのが、安倍政権の狡猾なところです。
謝罪をうやむやに誤魔化しても、大方の有権者は自民・安倍信者でなくてもそれを評価するでしょうしね。

どうしたもんかなぁ。