ずっと以前からパチンコも含めてギャンブル依存症について指摘されてるんだが

ギャンブル依存症で、カジノだけを取り上げる異常さ (記事 大西宏、2016年12月05日 12:14)」の件。

そもそも「ギャンブル依存症で、カジノだけを取り上げる」なんてことは別にされていません。
例えば、共産党大門実紀史議員はこのような質問を何度も挙げています。

186 - 参 - 決算委員会 - 6号
平成26年4月28日
大門実紀史君 いろいろ言われましたけれども、まあ何もやらないよりはましですよ。ただし、五百六十万人と想定したものでは全然追い付かないといいますか、予算も一千百七十四万円ですか、二十六年度予算で。これはしかも、アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル等ということで、ギャンブルはむしろ後の方になっておりますね、ひっくるめた対策で。今もいろいろ言われましたけど、要するに全国に五か所ぐらいそういうカウンセリングの拠点みたいなところをつくって情報収集をやるという程度の問題なんですよね。その程度の問題でございまして、しかも大事なことは、このギャンブル依存症、これは今申されたのはなった後の対策ですよね。ならないための対策ではないわけでございます。
 どの調査資料を見ても、このギャンブル依存症になるのは公営ギャンブルというよりもやっぱりパチンコが一番だということになっておりますけれども、今パチンコはギャンブルではなくて建前上遊技というふうになっておりますので公的な対策が立てられないと、立てないと、立てようがないと、建前でくるとそうなるんですね。ただし、依存症の最大のものはパチンコでございますから、この対策が欠かせないわけですけれども。
 警察庁はどうなんですかね、このギャンブル依存症の大半はパチンコが原因だということは認識されているんでしょうか。
○政府参考人(宮城直樹君) ギャンブル依存症と言われるものの中にパチンコに対するのめり込みというものが存在することは了解しております。ただ、それが主要なものかどうかについてはちょっとお答えできないかと思います。
大門実紀史君 のめり込みという言い方イコール依存症のことですよね。
 一応、警察庁は、パチンコの射幸性といいますかギャンブル性が余りにも、あれ何年ですかね、しばらく、数年前ですね、爆裂という機械がありまして、物すごく一発で当たるんですけれども、その分はまり込んで、そのために多重債務に陥るとかもう家庭崩壊とか、いろいろなことが起きたんですよね。そのときに警察庁は遊技規制、遊技機器の、マシンの規制ということで、余りにも高いギャンブル性を低めるということはされましたけれども、まだまだ大変な状況にあるわけでございます。
 根本的に、今日はパチンコの問題はこれぐらいにしておきますけれども、更にこの依存症問題踏まえて警察庁として対策を取っていっていただきたいというふうに思いますけれども、こういうことが放置されたまま、五百六十万人、五百万人を超えるギャンブル依存症を放置したままカジノをつくるというのは何なんだということであります。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/186/0015/main.html

パチンコがギャンブル依存症の大きな原因だと指摘していますが、政府側はのらくら逃げようとしています。

さらにカジノ法案が現実化していなかった2011年にも同様に、むしろパチンコに絞って追及しています。

179 - 参 - 消費者問題に関する特別委員会 - 3号
平成23年10月28日
大門実紀史君 今日は、マルチ業界よりも際どいパチンコ業界の問題をちょっと話をしたいと思いますが、このパチンコ業界の問題は若干タブーになっておりまして、国会ではなかなか取り上げられてこなかったんですけれども、私も国会でサラ金とか多重債務問題をやってまいりまして、多重債務をなくすというのも消費者庁の重要な仕事の一つでございます。
 そういう点で取り上げるわけですけれども、多重債務に陥った理由のほとんどは生活の資金が足りないというのがあるんですが、それでも二割、三割はギャンブルにはまってサラ金、やみ金に手を出したというのがあるわけですね。その大半が実はパチンコです。パチンコ、ギャンブルです。今のパチンコというのは、昔と違って射幸性、いわゆるギャンブル性が大変高いものになっておりまして、意図的にお客さんをのめり込ませるというところで、いわゆるギャンブル依存症を大量に生んでいるわけでございます。
 その依存症の数字というのもいろいろあるんですけれども、パチンコ業界そのものをといいますか、参加人口が一千二百万人と言われておりまして、依存症になっている人は百万人から二百万人とも言われております。その中で、家庭崩壊とか自殺とか、あるいは中毒になって駐車場に子供を置いて死なせるとか、あるいはいろんな犯罪事件の裏にパチンコによる借金があったとか、様々な社会問題を生んでいるところでございます。
 率直に言って在日の方が多いわけですけれども、経営者には、隣の韓国では余りにもこの社会問題、被害が多いので二〇〇六年にパチンコを全廃いたしました。これは政治家が決断してやったわけでございます。
 ところが、日本では、何とかしてほしいという市民集会は開かれておるんですけれども、そういうものを自粛するどころか、パチンコ業界今何を考えているかというと、更なるギャンブル化、つまり現金化、換金を合法化したいというのがパチンコ業界の、資料がありますが、最大の目的になっております。
 ちなみに、娯楽とか遊技とギャンブル、賭博の違いは何かというと、先ほど言いました射幸性、ギャンブル性の問題はあるわけですけれども、もう一つは現金化できるかどうかというのが大きな分かれ目になります。したがって、風俗営業法では、今パチンコはその範囲に入っておりますが、現金化を禁じております、しちゃいけないと。ただし、商品を買い取ってもらうという形で現実には今でも換金はできるんですけれども、それを堂々と出玉をすぐお金に換えてあげるというふうな、それを合法化したいというのがパチンコ業界の今の最大の目標、目的になっております。
 もしそんなことが実際にやられたらどんなことになるかというと、全国で一万二千のパチンコ店が駅前とか国道沿いにあるわけですが、そこがもう公認のギャンブル場になってしまうという、大変なことになるわけでございまして、子供の教育、地域環境から計り知れない影響が出るわけです。
 ちなみに、なぜパチンコ業界が換金を合法化したいかというと、実は株式の上場をやりたい、株の上場をしたいと思っているわけですね。ところが、ジャスダック証券取引所は、今のパチンコ業界の換金のやり方は合法かどうか疑わしいというふうに言われて上場を認めてくれないわけでございます。上場するにはどうしても合法にしてもらわなきゃ上場できないと。上場すれば何がメリットかというと、莫大な創業者利益がそういう企業に入るということで、パチンコ業界の悲願になっているわけですね。
 そこで、まず警察庁に聞きますけれども、今風俗営業法の範囲なんで警察の統括下にありますので、警察庁は、この換金の合法化について、すぐ現金化できるということについて、今までの経過もありますのでちょっと参考人の方で、どういう見解を持たれているか、お答えください。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/179/0132/main.html


上記のようなことすら知らない大西氏はこんなことを言っています。

マスコミでも、ギャンブル依存症の人が多いから、カジノができれば、さらに依存症の人が増える危険性があり、カジノは認めるべきでないというストーリーが多いのですが、変だと思いませんか。
それなら、カジノだけでなく、同時にパチンコ・パチスロ規制を主張するべきです。もう日本からギャンブルをなくそうと提案し、ギャンブル撲滅運動を起こすのが筋です。

http://blogos.com/article/200695/

これこそおかしな主張です。
目の前に成立間近なカジノ法案が迫っているのに、それに焦点を当てずに「同時にパチンコ・パチスロ規制を主張するべき」とか言い出しているわけですから。それが筋だという大西氏こそパチンコの問題点を訴えてきた共産党を支持するのが筋でしょう。

民進党がパチンコ業界と関連が深いという点については、上記平成23年10月28日の国会で大門実紀史議員が指摘しています。

大門実紀史君 マルチの話は集中審議でもっと勉強してもらいたいと思いますけれども。
 パチンコの話なんですけれども、しかしパチンコ業界にとってこの株式上場というのは悲願でございまして、この間、国会議員工作をずっとやってきております。特に民主党に対しての働きかけが物すごいものがございまして、今日は時間の関係で全部資料を配るとか何かいたしませんが、簡単に言いますと、パチンコ企業というのはもう巨大企業なんですよね。三共とかダイナム、ニラクなんかは何千億という巨大企業でございます。
 したがって、民主党政治資金パーティー調べましたけれども、百万、百五十万単位でパーティー券を購入しておりますし、民主党本部、あるいは各地のパチンコ企業もいろいろパーティー券購入をやっているということでございます。例えば、海江田前大臣はパーティー券だけじゃなくて直接献金も受けております。今日はちょっとその話はあれしますが。とにかく相当のお金が民主党に流れております。これは御存じだというふうに思います。ただ、パチンコ業界というのはマルチに比べたら洗練されているといいますか、パーティー券中心にやっております。二十万以上でないと名前が出ませんから、ほとんど名前の出ない形と。マルチ企業はよく分からないでぼんぼんぼんぼん献金しちゃって、この間名前出ているんですけれども。そういうようなことでやっていますが、その分、逆に言えば、民主党の中にかなり浸透していると、これは指摘しておかなきゃいけないと思います。
 隣の韓国では政治家が決断してパチンコを全廃したのに、日本は政治家が先頭に立ってさっきの換金の合法化とかそういうものに協力しているというのは大変情けない話でございまして、消費者団体等から、依存症に取り組む団体等から日本の政治家は何やっているんだという声が出ております。
 その上で、更に驚いたのは、これは堂々とパチンコ・チェーンストア協会のホームページに出ておりますけれども、政治アドバイザーに五十三人もの国会議員が名前を連ねております。民主党は三十七人、ほかの党の方もいらっしゃいますし、この委員会で今日座っていらっしゃる方の名前もあります。今日はそこは武士の情けで言いませんけれども。山岡大臣もここに名前を連ねておられます。この政治アドバイザーというのは何をするんでしょうか、パチンコ・チェーンストア協会政治アドバイザー。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/179/0132/main.html

この頃は民主党政権時代でしたので「民主党に対しての働きかけが物すご」かったようですが、現在の安倍政権下では政治アドバイザーの議員バランスが変わっています。

政治分野アドバイザー

2016年11月1日 現在

自由民進党*1 計23名 (衆議院20名 参議院3名)
氏名 政党 議院 選挙区 所属
山本 有二 自民党 衆議院 高知2区 遊技業振興議員連盟、IR議連
野田 聖子 自民党 衆議院 岐阜1区 遊技業振興議員連盟、IR議連副会長、時代に適した風営法を求める会(議連)委員
木村 太郎 自民党 衆議院 青森4区 遊技業振興議員連盟
岩屋 毅 自民党 衆議院 大分3区 IR議連幹事長
田中 和徳 自民党 衆議院 神奈川10区 遊技業振興議員連盟幹事
竹本 直一 自民党 衆議院 大阪15区 IR議連副会長
原田 義昭 自民党 衆議院 福岡5区
山本 拓 自民党 衆議院 北陸信越ブロック
郄木 毅 自民党 衆議院 福井2区  
山口 泰明 自民党 衆議院 埼玉10区
櫻田 義孝 自民党 衆議院 千葉8区
松島 みどり 自民党 衆議院 東京14区 時代に適した風営法を求める会(議連)委員
浅尾 慶一觔 自民党 衆議院 神奈川4区
左藤 章 自民党 衆議院 大阪2区
西村 明宏 自民党 衆議院 宮城3区
葉梨 康弘 自民党 衆議院 茨城3区 IR議連副幹事長
御法川 信英 自民党 衆議院 秋田3区
白石 徹 自民党 衆議院 愛媛3区 時代に適した風営法を求める会(議連)委員
神田 憲次 自民党 衆議院 東海ブロック 時代に適した風営法を求める会(議連)委員
鈴木 隼人 自民党 衆議院 東京ブロック
伊達 忠一 自民党 参議院 北海道 遊技業振興議員連盟、IR議連副会長
大家 敏志 自民党 参議院 福岡県 IR議連事務局次長
江島 潔 自民党 参議院 山口県
民進党 計16名 (衆議院12名 参議院4名)
氏名 政党 議院 選挙区 所属
古川 元久 民進党 衆議院 愛知2区
松野 頼久 民進党 衆議院 九州ブロック
鈴木 克昌 民進党 衆議院 東海ブロック IR議連副会長
牧 義夫 民進党 衆議院 東海ブロック
小宮山 泰子 民進党 衆議院 北関東ブロック
泉 健太 民進党 衆議院 近畿ブロック
石関 貴史 民進党 衆議院 北関東ブロック
鷲尾 英一郎 民進党 衆議院 北陸信越ブロック
今井 雅人 民進党 衆議院 東海ブロック
太田 和美 民進党 衆議院 南関東ブロック
木内 孝胤 民進党 衆議院 東京ブロック
初鹿 明博 民進党 衆議院 東京ブロック
増子 輝彦 民進党 参議院 福島県
小川 勝也 民進党 参議院 北海道 娯楽産業健全育成研究会常任幹事
羽田 雄一郎 民進党 参議院 長野県区 IR議連副会長
大野 元裕 民進党 参議院 埼玉県
日本維新の会 計6名 (衆議院5名 参議院1名)
氏名 政党 議院 選挙区 所属
小澤 鋭仁 日本維新の会 衆議院 近畿ブロック IR議連副会長
馬場 伸幸 日本維新の会 衆議院 大阪17区 IR議連事務局次長
井上 英孝 日本維新の会 衆議院 大阪1区
浦野 靖人 日本維新の会 衆議院 近畿ブロック IR議連事務局次長
遠藤 敬 日本維新の会 衆議院 大阪18区
清水 貴之 日本維新の会 参議院 兵庫県

 

無所属 計1名 (衆議院1名 参議院0名)
氏名 政党 議院 選挙区 所属
鈴木 貴子 無所属 衆議院 北海道ブロック IR議連
http://www.pcsa.jp/member.htm


では民進党はパチンコ・パチスロ規制を訴えていないかというと、そうでもなく、元維新の高井崇志議員が以下のような質問をしています。

190 - 衆 - 内閣委員会 - 14号
平成28年04月27日
○高井委員 岡山から参りました高井でございます。
 私は、旧維新の党に所属しておりましたので、IRを推進するという立場でございました。ただ、IRを進めると同時に、ギャンブル依存症対策をしっかりやらなきゃいけないということで、これまでも何度か質問してまいりました。
 このギャンブル依存症対策の、実はギャンブル依存症の約八割がパチンコに起因をするということでありまして、先般、三月三日の日に私は質問主意書を出させていただきましたけれども、ちょっとそれに対する回答がなかなか十分ではなかったので、きょうはお時間をいただいて、ギャンブル依存症、特にパチンコの問題についてお聞かせをいただきたいと思います。
 まず、厚生労働省の発表によりますと、ギャンブル依存症の疑いのある日本人は五百三十六万人もいる、そのうち八割がパチンコ依存症だというデータがございます。これだけパチンコ依存症が増加した背景には、一人当たりの消費額が大幅に増加している、つまりパチンコの射幸性が大きく影響しているのではないかと考えますが、パチンコの射幸性の向上とパチンコ依存症問題の深刻化、この関係について警察庁はどう考えておりますでしょうか。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0002/main.html


こういう背景を全く無視して、特定政党を攻撃するというのはさすがにどうなのか、と思いますね。

ブクマにも同レベルの連中が溢れていますけど。

*1:ママ