雑感

まあ衆院選は概ね予想通りの結果だったので特に驚きはありません。
エスポワール小池が代表に出てくるまでは、いつも通りの第三極詐欺で非自民票が分散し、自民圧勝、残りを自民補完勢力と自民批判勢力で分け合う状況だと予想してましたが、小池と前原の緑のクーデター劇で共産以外のリベラル勢が壊滅する可能性まで出てきました。それを枝野立憲民主党の成立で持ち直し、何とか当初予想に近い状態にまで戻したという感じ。
まあ、劇的ではあり退屈はしませんでしたが、結局のところは第三極詐欺をやられたのと同じような状態なんですよね。
もちろん、最悪の事態を回避したことについては喜ぶべきところではありますが。

あと当初予想よりは自民の勝ち幅が大きく自公で3分の2を超えたのが予想外。ただあまり重要とも思ってません。自民+希望で大きく3分の2を超えた方が重要で、これで公明党自民党が捨てられたくなければ、安倍改憲に乗らなくてはならなくなったので。
もうひとつ予想外は、立憲民主党野党第一党になった点。これは希望の失速が予想以上に大きかったですね。「排除」発言の影響が大きいとは言え、自民にたてついた小池勢力に対する安倍自民勢力の総攻撃が想像以上に激しかったですし、小池氏の衆院選不出馬確定で失速・低迷が確実になった感じです。小池氏は民進党を飲み込んだつもりで消化するだけの度量は持ってなかったと言うことでしょうか。

  公示前 結果
自民 284 284
公明 34 29
維新 14 11
希望 57 50
立憲民主 15 55
共産 21 12
社民 2 2
その他 38 22
欠員・不出馬 10 -
475 465

改憲勢力3分の2を許したのは、都ファ国政進出、細野出奔と前原クーデターで確定していましたので自公3分の2や自公維希で8割がたの議席数を抑えられたこと自体はリベラル側の責任とは言いがたく*1、むしろ前原クーデターで絶望的な状態に陥ったところから、よくここまで持ちこたえたものだと評価すべきでしょう。

ただ、それはそれとして安倍改憲阻止という点からは厳しい情勢であることに変わりなく、また、立憲民主党の善戦も多分に判官びいきの感情に支えられた一過性のものであることを認識しておく必要もあります。一方、緑のクーデターによる副産物で唯一良かったのは、求心力に欠陥のある組織であった民進党から求心力のある組織である立憲民主党が生まれた点です*2
それを踏まえて立憲民主党としては、現在の指導体制を維持しつつ、元民進党の無所属との統一会派希望の党からの切り崩しを図って議席数の拡大を狙うしかありません。まかり間違っても希望の党の指導体制を残したまま対等合併とかしたらいけません。仮に民進党系議員を再結集したとしても、立憲民主党として当選した枝野勢力が最大議席数を持つわけですから党の権力を分散させることなく次期選挙で戦えるようにする必要があります。

改憲阻止については、議席数の上では不可能ですから、“平和の党”と自称する公明党に9条改憲の踏み絵を踏ませるようにしむけて躊躇させるというのが議会で出来うる対応だと思います。議会外では安倍政権の支持率をできるだけ下げて改憲に躊躇させることが基本戦略になるでしょうね。

とは言え、次期参院選までの2年間、どこまで抵抗できるかという状況ではありますが。


*1:あったとしても極めて軽い

*2:民主党トロイカ体制が協力していた間は機能していましたが、三頭のトップが切られ始めると求心力がガタガタになってしまい、それが最後まで大きな欠陥となったわけで。