性的欲求だけでは強姦・強制わいせつは起こらない

前の記事を参照しようとして、余計なものを見つけて時間を無駄にしてしまった。

それはさておき。
“男は狼”論にも関係しますが、相手に性的行為を強要するタイプの性犯罪は基本的に性的欲求だけでは惹起しません。

例えば、ある人物に性的衝動を抱いたとしても、衆人環視の中相手に襲い掛かるような性犯罪者はほとんどいません。例外は薬物などで酩酊して判断能力を失っているような場合くらいです。男の性的衝動が抑えられないのならば、衆人環視の場で自制されるということもないはずです。衆人環視の中では自制できるのではあれば、それは抑えることが出来ると言うことに他なりません。
また、性的衝動を抱いた対象が明らかに自分よりも強いと思われる場合(例えば相手が格闘家であるとか、自分が著しく非力であるとか、あるいは権力関係において劣位であるとか)、これもまず襲い掛かったりはしませんね。

つまり、この手の犯罪は性的欲求だけでは発生しないんですよね。
では、何がトリガーになるかというと、相手に性的行為を強要してもそれを達成できるという見込みです。

痴漢は相手が騒がないという見込みの下で実行されますし、強姦・強制わいせつも、物理的に相手の抵抗を無効化できるだけの腕力の差や抵抗の意志を殺ぐに十分な権力関係の優位性を確信するからこそ性的行為を強要するという行為に出るわけです。
強姦・強制わいせつの動機として支配欲が重要であると考えるゆえんです。