マイケル・ブリーン(Michael Breen)の背景にかかわる情報を少し

こんな記事があってですね。
反日煽る文在寅大統領に関係修復は困難とみる米国 知韓派英ジャーナリストの正論は“自己検閲”で日本語版のみ (2019.3.6(水) 高濱 賛)

ここでいう「知韓派英ジャーナリスト」とは誰なのかと思って読んでみたところ、マイケル・ブリーン(Michael Breen)氏でした。
このブリーン氏が中央日報日本語版でのみ掲載したコラムというのがこれ。
「韓国、日本より中国が協力国というのは古代史的観点」(2019年02月25日06時51分 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版)

中央日報記事ではブリーン氏について以下のように紹介しています。

駐韓外信記者クラブ会長を務めたマイケル・ブリーン氏が韓国人の歴史認識に下した診断だ。特に日帝強占期を関してだ。
ブリーン氏は1982年以降2年ほどを除いて韓国に暮らす、韓国を「故国に選択(chosen home)」した人物だ。これまで金泳三(キム・ヨンサム)大統領、金大中(キム・デジュン)大統領のほか、北朝鮮金日成(キム・イルソン)主席にも会っている。最近、著書『韓国、韓国人』(英文版は『The New Koreans』)を出した。

https://japanese.joins.com/article/557/250557.html

これだけ読むと、なるほど知韓派英ジャーナリストなのかな、と思う経歴なんですが、高濱氏の記事には次のような気になる一文がありました。

 B氏はこうコメントした。
 「ブリーンという人物は不思議な人物で、かって統一教会支持者だった。確か統一教会の教祖、文鮮明師の伝記を書いたことがある。一時統一教会傘下の『ワシントン・タイムズ』にも記事を書いていた」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55665?page=6

ブリーン氏の背後にカルト教団統一教会の陰がちらつきます。
ブリーン氏が書いたという文鮮明の伝記ですが、「Sun Myung Moon: The Early Years 1920-53」というタイトルで1997年に出版されています。
もっとも伝記と言っても批判的に書くこともありますので、それだけでシンパと言えるわけではありません。そこで同書の書評を調べてみました。
出てきたのがこれ。
A Friendly Biography About an Extraordinary Man Michael Breen's Sun Myung Moon: The Early Years, 1920-53 (WRITTEN BY MICHAEL L. MICKLER)

この書評を書いているMichael L. Micklerは統一神学校の副学長、要するに統一教会の信者です。そのMicklerが“Friendly Biography”と評した書評で、ブリーン氏の「Sun Myung Moon: The Early Years 1920-53」について好意的に評しています。

これらを踏まえると、ブリーン氏は統一教会の信者ではないもののシンパではあると言えそうです。ちなみに英語版のWikipediaでは“former follower(元信者)”と書かれています。また、1990年代初頭に文鮮明北朝鮮指導者(金正日?)との交渉の仲介をしたともあります。

さて、ブリーン氏が統一教会同様の勝共・反共思想を持っているとしたら、中央日報のコラムに書かれた内容については非常にしっくりきます。
また、このコラムが日本語版のみで英語版も韓国語版も掲載していない理由ですが、少なくとも英語圏ではブリーン氏が文鮮明の伝記を出した統一教会シンパということはすぐにわかることでしょうし、おそらく韓国でも同様に知られていると思われます。
一方、日本語圏では、ブリーン氏が統一教会シンパだということはあまり知られていないように思われます。中央日報でのコラムを日本語版でのみ掲載しているのはそういう事情じゃないですかねぇ。