曺国法務部長官辞任が支持率に及ぼした影響について

以前「韓国ウォッチャーのレベル」で、李正宣氏が曺国法務部長官が辞任表明を公表した2019年10月14日午後から半日後の翌10月15日の午前6時に「支持率、好転の兆しなし」と書いたことに対して、「10月17日時点でのリアルメーターによると、曺国法務部長官辞任表明の10月14日から3日連続で支持率が上昇した」と指摘しました。

これに対して、10月15日~17日に実施した韓国ギャラップでは支持率が下がっており*1、二つの世論調査で異なる傾向が出たことについて、木村幹氏はこう述べています。

木村氏:リアルメーターはもともと与党向きの結果が出るといわれている調査なので、その傾向が出たのでしょう。辞任によって曺氏の問題から、経済や南北問題に論点が移りつつあるという傾向が反映されたのでしょう。
 ギャラップについては、今回は聞き方に特徴があって、支持するか否かと同時に、「法相辞任についてどう思うか」という質問をしています。「曺氏は辞めるべきか」と聞かれれば、「辞めるべき」という意見が圧倒的に多いので、それに支持率が引っ張られた面はあるでしょう。
 ただ、一般的にはギャラップのほうが精度は高いといわれています。調査方法に特徴があったとはいえ、初めて支持率が4割を切ったというアナウンス効果は大きい。「文政権は終わったのか」という意識が一部には出てくると思います。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00070/102200015/

で、2019年10月28日のリアルメーターによると10月第4週の支持率も上昇したようです*2
そして、韓国ギャラップの調査(10月22日~24日)でも支持率は回復しています*3

韓国ギャラップによると、先週の下落幅が大きかった30歳代とソウル地域で大きく回復しているとのことで、木村氏の指摘どおり「「法相辞任についてどう思うか」という質問」に引っ張られて下がった分が回復したようにも思われます。
とすると、曺国法務部長官の辞任表明はそれなりに支持率の回復にはつながったと見るべきで、「支持率、好転の兆しなし」と書いた李正宣氏の見たてはやはり間違っていたということになりそうです。