雑感

新型コロナウイルス関連の主な出入国制限(Last Update: 5/6 15:00 (JST))

これを見ると、全ての外国人を入国禁止対象にしている国も少なくない中、入国禁止対象を中国湖北省だけに絞っている韓国の対応が際立つ感(全ての外国人を入国後14日間、隔離対象にはしている*1)。
これでちゃんと感染拡大を抑えているわけなので、体制をちゃんと整えておけば国境封鎖みたいな措置は不要だということを示しているようにも思う。

「後援金流用疑惑」尹美香氏の捜査依頼はソウル西部地検が担当(5/12(火) 20:23配信)

これは詳細がわからないので様子見。慰安婦問題が日本軍政府による戦時性暴力問題であり、日本政府に責任があることに変わりはないけど。
捜査依頼を出したのが「右派民族市民団体「活貧団」のホン・ジョンシク代表」とのことで、この団体の背後関係も知りたいところではある。

韓国、月内の解決案要求 日本の輸出厳格化めぐり(5/12(火) 19:14配信 時事通信)

当然の要求なんだけど、コアの支持層である嫌韓ウヨ層の支持を失いたくない安倍政権が応じるとも思えないんだよなぁ。
日本による輸出規制強化3品目 韓国政府「供給安定した」(5/11(月) 11:35配信)」とあるので、日本は国内の輸出企業の首を絞めただけで終わるのは、小人・安倍のちっぽけなプライドが許さないだろうし。



領海内で他国の漁船が操業してたら領海主張している国としては取り締まって当たり前なんだが

この件。
「日本漁船が中国領海内で違法操業」中国、尖閣問題で逆抗議 ベトナムにも反発(5/11(月) 19:45配信毎日新聞)
尖閣追跡で中国報道官「騒ぎ起こすな」 日本に責任転嫁(5/11(月) 23:23配信 産経新聞)
中国船、尖閣周辺の領海侵入継続 3日連続、今年10日目(5/10(日) 11:52配信共同通信)

これ、経緯としては、まず尖閣諸島(釣魚群島・釣魚台列嶼)の領海内で日本漁船が操業し、それを取り締まる形で中国海警局の公船が、領海内に進入・日本漁船の追尾を行い、日本の海上保安庁の巡視船が日本漁船を護衛する形をとっている、というものです。

中国は尖閣(釣魚)の領有権を主張しているわけですから、その領海内で日本漁船が操業することを傍観するわけにはいきません。
それは日本も同様で、尖閣(釣魚)領海内で中国漁船が操業していたら、当然追い出しにかかるわけです。

現状で中国が取っている対応は、領有権紛争のある当事国として当然の対応に過ぎません。

もっとも、その当然のことも“尖閣(釣魚)領有権に関する日本政府の主張は100%正しい”と思い込んでいる人たちには理解不能でしょうけど。

日本政府の公式見解通り、“尖閣(釣魚)は日本固有の領土であり、領有権紛争は存在しない”という認識に疑いを持たない人たちから見れば、“中国、許すまじ”的な感情になるのも当然です。あるいは、“中国の挑発は安倍政権を助けている”みたいにも見えるかも知れませんね。

相手国はどのような主張をしており、相手国からはどう見えるか、という基本的な考察に欠けている意見ばかり見かけるのも、もう正直うんざりですね。

個人的には、わざわざこの時期に、好んで尖閣(釣魚)領海内で操業しようという日本漁船の思惑の方が気になります。実際、示威目的で尖閣(釣魚)領海内に行きたがる右翼活動家は少なくありませんからね。
さらに言うなら、一般的にもめごとを避けたがる海上保安庁等の日本当局が、当該日本漁船が尖閣(釣魚)領海内まで行くの黙過したのにも何らかの思惑があるのかもなぁ、とか思ってます。


さて、中国側の主張を踏まえて考察すると次の展開はおそらく、中国漁船が尖閣(釣魚)領海内で操業し、それを取り締まろうとする日本の巡視船を中国海警船が妨害して、中国漁船をエスコートするような事件が近いうちに起きるんじゃないのかな、と推測できます。
で、“中国漁船は海上民兵だ”とか“領海侵犯だ。撃沈すべき”とか言い出すバカが量産されるのであろうと。

日中両政府外交当局の会見

2020年5月11日 中国外交部発言人 記者会見

  法新社记者:两艘中国海警船上周在钓鱼岛海域驱逐一艘日本渔船,日方已就此向中方提出交涉。你对此有何评论?中方是否已向日方进行解释或道歉?

  赵立坚:据了解,近日,中国海警在钓鱼岛海域例行巡航时,发现一艘日本渔船在中国领海内非法作业。中国海警船依法对其实施跟踪监控,要求其立即停止有关活动,退出相关海域,并坚决应对了日本海保厅船只在现场的非法干扰。中方已通过外交渠道就此向日方提出严正交涉,敦促日方立即停止侵权行为。

  我要强调的是,钓鱼岛及其附属岛屿是中国固有领土,在钓鱼岛海域开展巡航执法是中方固有权利。我们要求日方恪守四点原则共识精神,避免在钓鱼岛问题上制造新的事端,以实际行动维护东海局势稳定。

https://www.fmprc.gov.cn/web/wjdt_674879/fyrbt_674889/t1777931.shtml

2020年5月12日 日本外務省 外相記者会見

中国公船による尖閣諸島周辺での日本漁船追尾

テレビ朝日 大石記者】尖閣諸島周辺の領海に,中国の公船が3日連続で侵入しましたが,中国による度重なるこうした行為の受け止めと,あと,中国外務省の副報道局長が「日本側による違法な干渉だ」などと主張したようですが,これも含めて受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】ご指摘の事案については,東京と北京の双方におきまして,局長,公使レベルで中国側に対して累次にわたり厳重に抗議をし,日本漁船の接近,追尾を直ちに止め,速やかに我が国の領海から退去するよう強く求めたところであります。
 新型コロナ,この問題で様々な国の協調,連携が必要と,こういう状況でありまして,中国側にはこの問題についても前向きな対応を強く求めたいと,こんなふうに思っています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000956.html#topic6

中国側が言及している「四点原则」とは多分、これ。

日中関係の改善に向けた話合い

平成26年11月7日
 日中関係の改善に向け,これまで両国政府間で静かな話し合いを続けてきたが,今般,以下の諸点につき意見の一致をみた。

1 双方は,日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し,日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。
2 双方は,歴史を直視し,未来に向かうという精神に従い,両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。
3 双方は,尖閣諸島東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて,情勢の悪化を防ぐとともに,危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。
4 双方は,様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して,政治・外交・安保対話を徐々に再開し,政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page4_000789.html

上記の3について、「異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて,情勢の悪化を防ぐ」という観点からすると、日本政府は日本漁船が尖閣(釣魚)領海内で操業しないように自粛を求めるべきでしょうね。もちろん、それは中国漁船に対しても言えることですが。

大仁田厚氏の主張

こんなことを言っていたようです。

大仁田厚「許してはいけない」「領土は国民の財産」尖閣周辺への中国船侵入に抗議

2020年5月11日 16時36分 デイリースポーツ
 プロレスラーで元参議院議員大仁田厚が11日、自身のツイッターを更新。ハッシュタグ「#尖閣周辺への中国船侵入に抗議します」を付けて思いを述べた。
 「以前から思っていたことだが中国の領海侵犯は許してはいけない問題だ 南シナ海の問題もそうだし 香港!台湾にも中国は政治的圧力を強めているのだ! もし日本の漁船が中国の領海を侵犯したら? 拿捕されたり攻撃を受けるだろう 領土は国民の財産なのだ」とつづった。

https://news.livedoor.com/article/detail/18244050/

大仁田氏の言う「もし日本の漁船が中国の領海を侵犯したら?」というのが、中国にとってはまさに今起きていることなわけなんですよね。
「拿捕されたり攻撃を受けるだろう」とも言ってますが、いきなりそんなレベルのことをせず、漁船を領海外に退去させようとしているのが現状です。

自分たちの視点でしか考えられない。
相手側の視点を想像することもできない。

何とも情けない社会になったものですねぇ。




従軍慰安婦の推定人数に関する日韓両政府の認識

山田高明氏と言い、有馬哲夫氏と言い、“朝鮮人慰安婦だけで20万人いた説が世界中に広まっている”と主張して、それを否定して見せるという論法を利用しています。
山田氏も有馬氏も基本的な知識に欠けているのか、それとも一般社会に否定論を流布するために敢えて知らない振りをしているのか、いずれにせよ、問題設定の時点でデマを紛れ込ませています。
では、従軍慰安婦の人数について実際にはどんな説が主流かというと、日韓両政府とも歴史研究の成果を踏まえた幅をもった数字を提示していることから、それが主流と言っていいでしょう。

日本の場合(アジア女性基金の認識)

 一体どれほどの女性たちが日本軍の慰安所に集められたのか、朝鮮人慰安婦の比率はどの程度であったのか、どれほどの人々が戦場から帰らなかったのかというような点については、今日でも確実な答をえるような調査ができていません。
 まず慰安婦の総数を知りうるような総括的な資料は存在していません。総数についてのさまざまな意見はすべて研究者の推算です。
 推算の仕方は、日本軍の兵員総数をとり、慰安婦一人あたり兵員数のパラメーターで、これを除して、慰安婦数を推計するやり方があります。この場合に交代率、帰還による入れ替りの度合いが考慮に入れられます。
f:id:scopedog:20200512011114p:plain

http://www.awf.or.jp/1/facts-07.html

様々な推定値を列挙していますが、これらを踏まえると、2~41万人という数字になっています。ただし、アジア女性基金では蘇智良の説に対してやや否定的な説明も付けています。

韓国の場合(日本軍「慰安婦」被害者サバイバー歴史館)

現在、慰安婦に 動員された女性の総数については、未だ正確な情報は分からない。強制的に動員して慰安婦にさせられた女性たちの総数を示す体系的な資料が見つかっていないためである。一部の学者たちは、日本軍の「兵士何人あたりに慰安婦を何人おくか」という計画が示された資料や、複数の証言資料に基づき元日本軍慰安婦被害者の総数を推測している。しかし、日本軍「慰安婦」の総数は、最低3万人説から最大40万人説まで多様な意見があり、研究者によってバラツキが大きい。

日本軍は、慰安所設置の初期段階で主に日本と日本の植民地だった朝鮮、台湾から女性を動員したが、戦争の長期化と戦線の拡大に伴って、日本の占領地だった中国、フィリピン、インドネシアベトナムミャンマーインドネシアに居住しているオランダ人の女性たちも強制的に動員され日本軍「慰安婦」にされた。慰安婦問題を長期間にわたって研究してきた研究者・吉見義明氏によると、日本軍「慰安婦」の数は少なくとも8万人から20万人と推定され、その中に占める朝鮮人女性の割合は半分を超えるという調査結果を発表した。

http://www.hermuseum.go.kr/jpn/PageLink.do?thirdMenuNo=&subMenuNo=010100&menuNo=010000&link=forward:/PageContent.do&tempParam1=&%22


韓国では「最低3万人説から最大40万人説」という書き方で具体的な数字の根拠については特に明記ないものの、概ね日本での推定値範囲と近い範囲をとっています。やや積極的に支持しているとみられるのは吉見氏の説である「少なくとも8万人から20万人」ですが、これはアジア女性基金で提示している数字と上側は同じですが、下側は異なっています。

吉見「従軍慰安婦 (岩波新書)」の記述

吉見氏の推計値として、アジア女性基金は4.5万人と20万人という数字を挙げ、日本軍「慰安婦」被害者サバイバー歴史館は8万人と20万人という数字を挙げています。
実は、4.5万人という数字も、8万人という数字も、20万人という数字も全て「従軍慰安婦 (岩波新書)」に記載されています。

ただし、韓国の8万人というのは千田夏光氏の説として記載されており、下限として記載されたものではありません。ですが、日本の4.5万人というのも吉見氏は実際の下限として書いたものではなく、兵士100人に1人という慰安婦の割合と交代率1.5という仮定から機械的に導出したもので、実際には100人に1人という割合は第21軍の把握している人数を前提としたもので指揮下の小部隊が自前で調達した慰安婦を含まないことを踏まえて、「下限は約五万」としています。

従って吉見説としての下限値と上限値を挙げるなら、5万人~20万人とするのが正確です。

交代率

慰安婦数の推定に用いる交代率とは対象期間中に慰安婦が何回交代したかという数値で、戦争中1回も交代が無かったとすれば1、戦争中半数が1回交代したとすれば1.5、全員が1回交代したとすれば2となる。吉見説上限の20万人は交代率2と仮定した場合ですが、同著のなかで吉見氏は交代率についても言及しています。

従軍慰安婦 (岩波新書)」(P81)
日本軍は移動するたびに、各地で新たな慰安婦となる女性を求めたため、比較的短い期間のうちに新たな慰安婦が求められた。このような被害者を慰安婦に算入すれば、占領地の女性の交代率は何倍にもなることになる。

もし交代率が平均して4であれば、慰安婦の総数は推定40万人ということにもなるわけです。


その他

例えば、ヒストリーチャンネル(英語版)のサイトでは慰安婦に関する記事があり、そこではこう書かれています。

UPDATED:JUL 21, 2019ORIGINAL:FEB 20, 2018

The Brutal History of Japan’s ‘Comfort Women’

(抜粋)
By then,between 20,000 and 410,000 women had been enslaved in at least 125 brothels.

https://www.history.com/news/comfort-women-japan-military-brothels-korea

2万~41万人という幅のある数字を挙げていますが、これはアジア女性基金の数字そのものですね。


その他、2015年に元慰安婦の柳喜男*1氏が日本政府と産経新聞を相手に訴訟を起こした際の記事にはこう書かれています(記事というか訴状に書かれた内容)。

WWII ‘Comfort Women’ Call Out|Japan, Others for War Crimes

July 14, 2015
(抜粋)
You*2 and her co-plaintiff, Kyng Soon Kim, are two of over 200,000 young women abducted and forced to serve as comfort women for the pleasure of Japanese soldiers during World War II, according to the 71-page complaint.

https://www.courthousenews.com/wwii-comfort-women-call-outjapan-others-for-war-crimes/

ここでは一般的な20万人という数字を出していますが、別に朝鮮人慰安婦に限定してはおらず、普通に読めば(民族構成問わず)慰安婦の総数が20万人以上であったという解釈になるでしょうね。

まとめ

日本軍慰安婦の総数に関する世界における一般的な認識としては、アジア女性基金の数字に則った2万~41万人という幅のある数字か、20万人という概算値であると言えるでしょうね。
決して、“朝鮮人慰安婦だけで20万人だ”というのが世界中に広まっているわけではないようです。





韓国検疫法に関する件

検疫法改正案が2月26日に韓国国会本会議を通過しました。
こちらのプレスリリース(韓国語)によると入国禁止の法的根拠が明確になったとのこと。

改正後の条文はこれ(ちなみに2021年3月施行の改正も別途されている由)。

제24조(출입국의 금지 또는 정지 요청) 보건복지부장관은 공중보건상 큰 위해를 끼칠 염려가 있다고 인정되는 다음 각 호에 해당하는 사람에 대하여는 법무부장관에게 출국 또는 입국의 금지 또는 정지를 요청할 수 있다. 다만, 입국의 금지 또는 정지의 요청은 외국인의 경우에만 해당한다. <개정 2010. 1. 18., 2016. 2. 3., 2020. 3. 4.>
1. 검역감염병 환자등
2. 검역감염병 접촉자
3. 검역감염병 위험요인에 노출된 사람
4. 검역관리지역등에서 입국하거나 이 지역을 경유하여 입국하는 사람

第24条(出入国の禁止または停止要求)保健福祉部長官は、公衆衛生上の大きな危害を及ぼすおそれがあると認められる次の各号に該当する者に対しては、法務部長官に出国または入国の禁止または停止を要請することができる。ただし、入国の禁止または停止の要求は、外国人の場合にのみ該当する。 <改正2010. 1. 18.、2016年2月3日、2020. 3. 4.>

1.検疫感染症の患者等
2.検疫感染症接触
3.検疫感染症の危険因子にさらされた人
4.検疫管理地域などで入国したり、この地域を経由して入国する人

http://www.law.go.kr/%EB%B2%95%EB%A0%B9/%EA%B2%80%EC%97%AD%EB%B2%95

改正前の条文がこれ。

제24조(출입국의 금지 또는 정지 요청) 보건복지부장관은 공중위생상 큰 위해를 끼칠 염려가 있다고 인정되는 검역감염병 환자등 또는 검역감염병 의심자에 대하여는 법무부장관에게 출국 또는 입국의 금지 또는 정지를 요청할 수 있다. 다만, 입국의 금지 또는 정지의 요청은 외국인의 경우에만 해당한다. <개정 2010. 1. 18., 2016. 2. 3.>

第24条(出入国の禁止または停止要求) 保健福祉部長官は、公衆衛生上の大きな危害を及ぼすおそれがあると認められる検疫感染症の患者等または検疫感染症の疑い者に対して法務部長官に出国または入国の禁止または停止を要求することができる。ただし、入国の禁止または停止の要求は、外国人の場合にのみ該当する。 <改正2010. 1. 18.、2016年2月3日>

保健福祉部長官が法務部長菅に対して入国禁止・停止の要請をできること自体は変わっていませんが、対象者が明確になり、患者と疑い者のみが対象者だったのが、疑い者を接触者・危険因子に曝露された者・流行地域から入国しようとする者と明確化している点が変わっています。

改正前から保健福祉部長官が法務部長菅に対して入国禁止・停止を要請できるようになっていましたので、入管法等にもこれに対応する条文があります。

출입국관리법

出入国管理法

(抜粋)

제11조(입국의 금지 등) ① 법무부장관은 다음 각 호의 어느 하나에 해당하는 외국인에 대하여는 입국을 금지할 수 있다. <개정 2015. 1. 6.>

第11条(入国の禁止など) ①法務部長官は、次の各号のいずれかに該当する外国人に対しては入国を禁止することができる。 <改正2015 1. 6>

1. 감염병환자, 마약류중독자, 그 밖에 공중위생상 위해를 끼칠 염려가 있다고 인정되는 사람

1.感染症の患者は、麻薬中毒者、他の公衆衛生上の危害を及ぼすおそれがあると認められる者

3. 대한민국의 이익이나 공공의 안전을 해치는 행동을 할 염려가 있다고 인정할 만한 상당한 이유가 있는 사람

3.大韓民国の利益や公共の安全を害する行動をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある人

8. 제1호부터 제7호까지의 규정에 준하는 사람으로서 법무부장관이 그 입국이 적당하지 아니하다고 인정하는 사람

8.第1号から第7号までの規定に準ずる者として法務部長官がその入国が適当でないと認める者

② 법무부장관은 입국하려는 외국인의 본국(本國)이 제1항 각 호 외의 사유로 국민의 입국을 거부할 때에는 그와 동일한 사유로 그 외국인의 입국을 거부할 수 있다.

②法務部長官は、入国しようとする外国人の本国(本國)が第1項各号以外の事由により、国民の入国を拒否するときは、その同じ理由で、その外国人の入国を拒否することができる。

http://www.law.go.kr/%EB%B2%95%EB%A0%B9/%EC%B6%9C%EC%9E%85%EA%B5%AD%EA%B4%80%EB%A6%AC%EB%B2%95

この中の第11条第1項第1号が、検疫法第24条に対応するもので、今回の法改正は「公衆衛生上の危害を及ぼすおそれがあると認められる者」の要件を明確化したものと言えますね。


日本の検疫法には韓国検疫法24条に相当する部分がありません。日本の入国禁止措置は入管法第5条第1項第14号によるものですが、要件は曖昧です。

出入国管理及び難民認定法(抜粋)

第五条 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
一 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)に定める一類感染症、二類感染症新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(同法第七条の規定に基づき、政令で定めるところにより、同法第十九条又は第二十条の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条(同法第七条において準用する場合を含む。)の規定により一類感染症、二類感染症新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)又は新感染症の所見がある者
十四 前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326CO0000000319

韓国入管法第11条第1項第1号(感染症の患者等の入国禁止)と似たような条文は日本入管法にもあり、それが第5条第1項第1号ですが、これは感染症の所見がある者の入国を禁止できるだけで、韓国のように「2.検疫感染症接触者」「3.検疫感染症の危険因子にさらされた人」「4.検疫管理地域などで入国したり、この地域を経由して入国する人」には適用できません。

ちなみに韓国が今回のCOVID-19に関連して入国禁止措置をとったのは2月4日で対象は中国湖北省発行のパスポート所持者と14日以内に湖北省を訪問した外国人*1となっています。日本も同じ入国禁止対象としていましたが、その措置は2月1日からです*2

その後、日本政府は入管法第5条第1項第14号の曖昧な要件のまま入国禁止対象を次々と拡大させ、4月3日からはアジア10カ国、大洋州2カ国、北米2カ国、中南米6カ国、欧州44カ国、中東4カ国、アフリカ5カ国の計73か国にまで膨らみましたが、韓国政府は韓国入管法第11条第1項第1号の要件での入国禁止対象を中国湖北省のみに限定し続けました。

韓国政府は4月1日になって海外からの入国者全てに14日間の隔離を義務付けましたが、入国禁止にはしていません*3



こういういい話はちゃんと残しておきたい

まず、この話。
白血病の韓国女児 日本特別機で印から帰国(5/6(水) 14:31配信 日テレNEWS24)

COVID-19の影響でインドから帰国できない状態だった急性白血病の韓国人女児の支援を韓国大使館が要請したところ、日本大使館が応じ日本の特別機で韓国まで送ったというニュースです。
記事には「韓国メディアは、「7200kmの日韓協力」、「こどもの日の奇跡」などと好意的に報じています。」とあり、当然ながら韓国では好意的にとらえられているようです。
ただ、このニュースだけだと、“日本は良心的だから反日的な韓国に対して人道的な対応をした”とか“どうせ韓国はすぐ忘れて反日になる”とか決めつける嫌韓バカに誤った認識だけを与えかねないので、別のニュースも。

日韓政府が帰国チャーター機で協力…日本人が韓国機利用、共同運航も(2020/04/11 19:10)
今度は日本の航空機で韓国人退避 インド・スーダンから( 2020.04.14 16:52 )
新型コロナで韓国政府のチャーター便で日本人が帰国。「困ったときはお互い様」( ハーバー・ビジネス・オンライン 2020/04/19 08:32)
韓国人78人 チャーター機でナイジェリアから帰国へ=日本人1人も(2020.04.28 09:59)
タンザニアから韓国人119人が臨時便で帰国 日本人も同乗(Write: 2020-05-08 11:21:08)

外交の現場では日韓とも人道的な対応をとっているわけですね。

記事にあるもの含め、ネットでざっと見つかった協力ケースはこんな感じです。

3月31日、マダガスカルから韓国政府手配のチャーター機が出発(日本人7人搭乗)。
4月3日、フィリピンから韓国政府手配のチャーター機が出発(日本人12人搭乗)。
4月6日、ケニアから韓国政府手配のチャーター機が出発(日本人約50人搭乗)。
4月12日、インドから日本政府手配のチャーター機が出発(韓国人2人)。
4月17日、サウジアラビアからの韓国手配のチャーター機が仁川に到着(韓国人146人、日本企業関係者2人、サウジアラビア企業関係者1人)。
カメルーンから日韓(JICA、KOICA)手配のチャーター機が出発(日本人56人搭乗)。
スーダンから日本(JICA)手配のチャーター機が出発(韓国人6人)。
4月28日、ナイジェリアから韓国(大宇建設)手配のチャーター機が出発(韓国人78人、日本人1人、その他154人)。
5月5日、インドから日本政府手配のチャーター機が出発(韓国人1人 ※冒頭の白血病の女児)。
5月7日、タンザニアから韓国政府手配のチャーター機が出発(韓国人119人、日本人1人)。




慰安婦問題の件・2つ目

もう一つはこの件。
「2015年に日本が約束した10億円、慰安婦支援団体の代表は事前に知っていた」(5/8(金) 6:56配信 中央日報日本語版)

この件はニュース性がよくわかりません。
記事本文中にこう書かれています。

ほぼ最終段階で行われた譲歩なので、挺対協側に少女像関連の内容を伝えることはできなかった。だが、その以外の▼日本の内閣総理大臣が謝罪して▼被害者のために日本が予算で10億円を拠出する--などの内容はすでに尹氏に説明したという。
だが、尹氏率いる挺対協はその直後、「被害者の意見を吸い上げていない拙速合意」として源泉無効化を主張した。尹氏は当時「被害者への相談が全くなかった(合意は)解決だとみることはできない。被害者は知らないままで、加害者がこのようにするつもりだ言って解決されたとみることはできない」と主張した。
これについて2017年文在寅政府発足後、外交部は「被害者および関連団体の反発」を理由にタスクフォース(TF、作業部会)を設け、同年12月には慰安婦合意が被害者中心主義から外れており欠陥が重大だという結論を下した。TFは「外交部は交渉進行過程で被害者側に時々内容を説明した」としつつも「しかし『最終的かつ不可逆的』な解決確認、国際社会非難・批判自制など韓国側が取る措置に対しては具体的に知らせなかった」とした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00000001-cnippou-kr

「外交部は交渉進行過程で被害者側に時々内容を説明した」「しかし『最終的かつ不可逆的』な解決確認、国際社会非難・批判自制など韓国側が取る措置に対しては具体的に知らせなかった」のであれば、挺対協が反対するのは当たり前としか思えません。

契約内容のうち、一方の当事者が賛同する部分だけ伝えて、反対するであろう部分は伝えないまま契約締結されて納得する人なんかいないでしょうに。



慰安婦問題の件・1つ目

共に市民党代表「慰安婦被害者・李容洙さん、記憶が歪曲されたようだ…検証必要」(5/8(金) 11:13配信 中央日報日本語版)

李容洙氏(元日本軍慰安婦)と尹美香氏(正義記憶連帯前理事長)のいずれが正しいのか、あるいはいずれとも間違っているのかを判断する材料を私は持っていません。

一般論として、被害者が自身の記憶を変容させることや周囲に流されることはよくあることですし、支援団体が不正を犯すことも珍しくはありません。被害者と支援団体の方向性で齟齬が生まれ対立することもよくあります。これも一般論ですが、被害者が自身の被害を重視するあまり社会問題へと昇華させることができないことままありますし、被害者自身の考える社会化の方向性と支援団体の目指す社会化の方向性が違うこともあります。
しかし、これらはあくまで一般論であり、李容洙氏と尹美香氏のケースでどうなのかは個別の事情や経緯をちゃんと踏まえないと何とも言えません。

ただ一つだけ間違いないことは、李容洙氏と尹美香氏の対立の原因が何であろうとも、アジア・太平洋戦争中の従軍慰安婦問題は旧日本軍・政府による戦時性暴力であり、現日本政府にはその責任があることに変わりはないということです。