中国の通貨スワップ外交・中韓貿易決済での利用合意

合意するだろうな、とは思ってましたが確定したようです。

中韓が元・ウォン建て貿易決済拡大へ、通貨スワップ協定を活用
ロイター 12月4日(火)12時42分配信
[ソウル 4日 ロイター] 中国と韓国は、両国の通貨スワップ協定を活用して、2国間貿易での元とウォンの利用を拡大することで合意した。
韓国の企画財政省・中銀が4日、共同声明で明らかにした。
両国の中銀が、市中銀行を通じて、貿易決済用の元とウォンを貿易会社に貸し付ける。今月中に貸し付けを開始する。
両国は昨年後半に通貨スワップ協定を締結。限度額は590億ドル(64兆ウォン、3600億元)となっている。
韓国にとって、中国は最大の輸出先。輸出の約4分の1は中国向けとなっているが、貿易決済のほとんどはドル建てで、元建てやウォン建ての決済は約3%にとどまっている。
世界貿易機関WTO)の統計によると、中国は世界最大の輸出国。韓国は世界7位。両国の昨年のモノの輸出は、合計で世界全体の13%を占める。
中国は人民元の国際化に向け、複数の国と通貨スワップ協定を締結している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121204-00000056-reut-int

これにより、中韓貿易の決済はドル建から元・ウォン建に変わっていくでしょう。ドル離れです。
韓国にとってはドル建外貨準備の必要性が減りますので、外貨準備の柔軟性が向上しますし、またほとんど安全性を損なうことなく利益性の低い米国債券より利益性の高い中国債券を外貨準備に切り替えることができ、収益性の改善が図れます。
中国にとっては韓国が人民元建債券を外貨準備として積み増すことで結果的に投資資金を得ることになります。

着々と進む人民元の国際化は中国との貿易関係にある国の外貨準備構成を変化させる効果があります。日本のように外貨準備のほとんどを政治的な理由で米国債券で運用している国にとってどのような影響が生じるのか興味深いところではあります。