アメリカ視点の一つ

アメリカ視点だな、と思わせる部分もありますが、興味深い記述もあります。

 尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐる日中対立の悪化は、昨年、今や評判が落ちた当時の民主党政権が招いたものだ。日本が管理している尖閣諸島の周辺水域で中国船の領海侵犯が増えていたことへの反応と、型破りな石原前東京都知事尖閣諸島を購入するという脅しを実行に移すのではないかという不安から、当時の野田首相は2012年9月に尖閣諸島の3島を民間の所有者から買い上げて国有化した。
 中国は即座に反日暴動と外交関係の凍結でこれに応じた。中国の巡視船と漁船は日本の海上保安庁との緊迫したにらみ合いを始めた。それから数カ月のうちに両国の空軍はより活発な航空監視を開始した。そして、2カ月前、中国はそうした緊張をはらんだ空域で無人偵察機を飛行させ、事態を一段とエスカレートさせた。日本政府はこれを受けて、尖閣諸島上空からの退去を拒否する無人機は撃墜する方針を示した。一方の中国は無人機へのいかなる攻撃も戦争行為になると主張した。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304845504579180844183960168.html

日本の右翼メディアと違って、日中対立の出発点の一つが石原慎太郎元都知事にあることを踏まえていますし、「両国の空軍はより活発な航空監視を開始」と言うように、ともすれば自衛隊の監視飛行を無視しがちな日本メディアと違って、日中双方が共に緊張を高める行動を取っていることを書いています。

 無人機が招いた緊張は、日本政府と中国政府の間に外交関係がまったくないことを浮き彫りにした。安倍首相は日本の国際的地位を回復させるという自らの願望を優先させ、またしても必要な経済改革を二の次にした。中国の習近平国家主席は、今年春にその権力の座に就いて以来、日本との緊張を和らげたいという意思表示をしていない。そして、中央委員会総会を今週末に控えた今、安倍首相の国家主義らしきものに相対して譲歩しているように見られたいと考える中国の指導者などいるはずがない。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304845504579180844183960168.html

ここも日本メディアと違って安倍政権に対して遠慮していませんし、中国側の事情についても冷静に見ています。
日本国内ではめっきり減った傾向です。