この指摘は結構正しいと思う

冷泉氏の記事に書かれている「第5の誤解」というのは重要な指摘だと思います。

朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

 第5の誤解は、これは「朝日新聞」の立場に近い人々の間に見られると思いますが、日本の保守的な世論や、あるいは安倍政権がこの問題で強硬になれば、「いつかは強い外圧が来て何とかしてくれるだろう」という見通しがあるように感じられます。これも誤解だと思います。
 国際社会は「激しく日本批判をするような面倒なこと」はせず、むしろ日本を軽視したり無視したりするだけでしょう。というのは「慰安婦問題に関する事実関係の訂正をしたい」という日本の意向が「全く理解できない」からです。反発する以前に「理由が分からない」ことでの違和感、不快感がひたすら深まるだけだと思います。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140918-00134630-newsweek-int

「いつかは強い外圧が来て何とかしてくれるだろう」という期待が感じられるコメントは確かに散見されます。ここまで明確な期待でなくとも、“海外が黙っていない”的なコメントは数多くあると言えます。海外が日本の歴史修正主義に理解を示すことはないでしょうが、だからと言って、それを正そうとするかと言えば、それはまず期待できません。この点、「国際社会は「激しく日本批判をするような面倒なこと」はせず、むしろ日本を軽視したり無視したりするだけ」という冷泉氏の指摘は的を得ていると思います。
「日本の意向が「全く理解できない」から」かどうかは何とも言えませんが、理解したとしてもせいぜい非難決議くらいが関の山です。日本政府はいつも通り、非難決議を無視するか、真意が理解されていないと嘯くだけでまず効果はなく、何ともなりません。

“海外から誤解されている”と誤解している日本人の目を覚ますのは、結局日本人自身の手によらねばならないという覚悟が必要でしょう。

あるいは、中国問題について“海外から誤解されている”と誤解した日本人が薄目を開けた1945年のような事態を迎えるか、ですね。