ILOは戦時中の朝鮮人等の労働動員を強制連行だと何回も指摘しているね。

ILO条約勧告適用専門家委員会 条約29号  強制労働、 1930 年次報告 1998

(1999.3.11)
(略)
本委員会は、全造船関東地協からの所見(1997年9月、12月、1998年3月)と1998年8月および9月の東京地評からの所見を受け取った。これらの所見はILOにおいて初めて提起されたものであり、第二次大戦時における中国と朝鮮からの産業的企業への労働者の徴用に関するものである。全造船関東地協によれば、朝鮮からは約70万人、中国被占領地からは約4万人が強制労働に徴用され、鉱山、工場、建設現場で民間企業の監督のもとで働かされた。労働条件は苛酷なもので多数の死者が出たといわれる。これらの労働者たちは、日本の労働者と同等の賃金と条件を約束されたにもかかわらず、実際にはわずかであるか、まったく支払われなかったと訴えている。
(略)
本委員会はこのような悲惨な条件での、日本の民間企業のための大規模な労働者徴用は、この強制労働条約違反であったと考える。
(略)

http://www.jca.apc.org/hanaokajiken/ILO1999.htm

ILO条約勧告適用専門家委員会 一般報告と個別の国に関する所見(2001年3月)

強制労働条約(1930年、29号条約)

(略)
11.この件についても、前に本委員会は、何千人もの人々を他のアジア諸国から強制徴用し戦時中の日本の工場で働かせたことは29号条約に違反する、と判断している。
(略)

http://www.jca.apc.org/hanaokajiken/2001%20ILO%20Expert%20Report.htm

2002年 条約勧告適用専門家委員会報告

一般報告と個別の国に関する意見書

(略)
2. 専門家委員会は2001年6月付の報告のなかで全造船労組が戦争に関連した補償に関する日本政府の立場について次のように述べていることに注目する。すなわち、条約によって国家レベルでの補償要求の権利や外交保護権は消滅するが、損害についての個人の権利は消滅しないというものである。日本政府は何度もこの立場を明確にしたという。下記に例として同労組からの報告を引用する。
「日本は第二次大戦後、大韓民国中華人民共和国とは長い間国交さえありませんでした。朝鮮民主主義人民共和国とは今日まで国交がありませえん。そのために被害者個人が日本政府や企業に対して賃金返還や補償を求めることはほとんど不可能でした。
1991年8月27日の参院予算委員会での、柳井俊二外務省条約局長の「(日韓条約は)いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではない。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることができないという意味だ」との答弁で、日本政府として初めて個人の請求権が存在することを認めました。この政府見解をきっかけとして、被害者たちは日本国内の裁判所に提訴して、問題の解決を求めています。
 すなわち、日本政府自身が、二国間条約によって個人の(法的)請求権は消滅していないことを認めたのです。ちなみに政府は柳井答弁以前にも二度、同趣旨の見解を表明しています。
(略)

http://www.jca.apc.org/hanaokajiken/ILOreport02.htm

2003年 ILO条約勧告適用専門家委員会レポート

強制労働禁止条約1930年(No.29)

日本 (批准: 1932)
勧告書CEACR 2002/第73会期
(略)
  本委員会は以前に中国と韓国を含むアジア諸国から何十万人という労働者を強制的に徴用し、戦時日本の私企業の管理下にあった工場、鉱山、建設現場で労働をさせたことを検討した。本委員会は1946年外務省作成の“日本における中国人労働者と労働条件”と題する報告書などを検討した。この資料によって、労働者は非常に過酷な労働条件で働き、残忍に扱われ、死亡率は17.5%から場合によっては28.6%と高かった事が判明した。これらの労働者は日本人と同様の給与と待遇が約束されていると言われたにも関わらず、実際には給与はほとんど支払われてないか、支払われたとしても極めてわずかな金額であった。本委員会はそのような悲惨な状況で労働させた戦時日本による大量徴用や強制労働は条約違反であると認めた。
(略)

http://www.jca.apc.org/hanaokajiken/2003%20ILOExperts%20Report.htm

2015年の日本政府

外務大臣

 岸田氏は、戦時中に国民徴用令によって行われた徴用は国際法に違反していないことを強調。世界遺産委員会における日本政府が述べた「forced to work(働かされた)」の意味について「強制労働には当たらない」と述べた。

http://www.sankei.com/politics/news/150710/plt1507100010-n1.html
官房長官

一方、菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、登録にあたり、日韓の間で焦点となった「徴用工」をめぐる表現について、「我が国代表団の発言は強制労働を意味するものではまったくない」と説明。

http://www.asahi.com/articles/ASH763S9GH76ULFA00C.html

 徴用政策の内容をめぐり、菅氏は「44年9月から45年8月の終戦までの間に、国民徴用令に基づき朝鮮半島出身者の徴用が行われたことを記述した」と説明。「国際労働機関(ILO)の強制労働条約で禁じられた強制労働には当たらないと理解している」との認識を示した。

http://www.saga-s.co.jp/column/mietsu/23301/205378
総理大臣

 首相は、世界遺産委員会における日本政府が述べた「forced to work(働かされた)」の意味について「対象者の意思に反して徴用されたこともあったという意味だ」と語り、戦時中に国民徴用令によって行われた朝鮮半島出身者の徴用が国際法上の強制労働には当たらないと主張した。民主党細野豪志政調会長の質問に答えた。

http://www.sankei.com/politics/news/150710/plt1507100022-n1.html

日本政府はそろって、強制労働じゃないと主張し、官房長官に至っては「強制労働条約で禁じられた強制労働には当たらないと理解」と明言していますね。当のILOは条約違反だと何度とも指摘しているのに。
さすがにこいつらの面の皮の厚さは異常としか思えません。