「同じ意見だと理解しやすいと言う意味」だという釈明は余計ダメでしょ

古い話題ですが、NHKの「日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」」(2015年9月13日)に関する件。

NHK日曜討論公式ツイッターが謝罪 安保巡り批判集中

2015年9月14日23時57分
 NHKの報道番組「日曜討論」の公式ツイッターが13日、安全保障関連法案を議論する番組の紹介の中で「反対意見って理解しにくいのに、賛成意見はすごく頭に入りやすい」と書き込んだところ、批判を受け、同日にツイッターで訂正する一幕があった。
 この書き込みは13日午前、法案について有識者に意見を聴く「日曜討論」の公式ツイッター上で、番組開始の直前に行われた。
 この書き込みに対し、法案への反対意見はわかりにくく、賛成意見はわかりやすいと受け取れるなどとして批判がツイッター上などで相次いだ。その後、公式ツイッターには「自分の意見と違う人の意見は耳に入りにくく、同じ意見だと理解しやすいと言う意味で書いたのですが、『賛成』『反対』という言葉を使ってしまったので、法案に『賛成』『反対』かのように誤解された方もいたようです。お詫(わ)び致します」と書き込まれた。

http://www.asahi.com/articles/ASH9G6HLSH9GUTFK01F.html

正直言って最初の13日のツイート「反対意見って理解しにくいのに、賛成意見はすごく頭に入りやすい」に関しては、それほど問題だとは思わなかったんですけどね。だって、例えば殺人事件の犯人に対する死刑判決に際して、複雑な生活背景などの情状を丁寧に踏まえた反論は理解しにくいけど、ただ“吊るせ!”と賛成する意見はすごく頭に入りやすいでしょう。
そういうことを踏まえて、「両耳でしっかり聞くぞー」*1と言ったのなら、まあ間違ってはいないと思いました。
ですが、このツイートに対する批判に対して、「自分の意見と違う人の意見は耳に入りにくく、同じ意見だと理解しやすいと言う意味で書いた」と弁解したのは最悪ですね。
「賛成意見はすごく頭に入りやすい」と発したNHKが「同じ意見だと理解しやすい」と言っているわけですから、NHK自身が戦争法案に賛成だと主張しているに等しいと認めたわけで余計ダメでしょう。

もっともNHKは「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」という方針ですから、全ての政府提出法案に無条件で賛成するのは当然ではあります。
ただ、それは既に“報道”ではありませんけどね。