電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは合法だと思うのだが?

この件。
〈皆様のお陰で当選致しました〉メールは公選法違反……送信主は「山尾志桜里」?(デイリー新潮 4月8日(金)4時5分配信)

 さらなるミステリーはメールについて。
 上の写真のように、例えば先の総選挙の翌日には、
〈皆様のお陰で当選致しました.厚く感謝御礼申し上げます.民意を国政へ頑張ります.山尾しおり(以下、事務所電話番号)〉
 といった当選感謝のショートメールが、今年2月27日には、
衆院予算委にて安倍総理に質問します.(中略)NHK放映ぜひご覧ください.山尾しおり事務所〉
 と丁寧な宣伝が届いている。発信元は米国だが、登場する秘書の名や携帯番号は実在するもの。
「正確な数は把握していませんが、選挙区内のかなりの方に送られているのではないか。私の知り合いはもちろん、自民党の県議や市議も受け取っています」
 と、地元政界関係者。
 愛知7区の小選挙区で対立する自民党鈴木淳司代議士の陣営が県警本部に掛け合ったところ、
「やっていることは違法。ただ、“送信者が海外のサーバーを利用し、番号が誰のものか特定できない”と言われたそうです」
 事実、総務省や地元選管の話を総括すると、
〈選挙活動および政治活動に関しては公選法で、受信者が送信者に“ここへ送れ”と指定したアドレス以外に送ってはいけないと定められている。さらに、呈示されるような『当選のお礼』もメールでやってはいけません。これらの規定に反した者は、2年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科せられるのです〉
 むろん、発信元が山尾陣営だと裏付けがあるわけではない。しかしながら、こころみにこの番号へショートメールを送ると、早速こんな返信があった。
〈この番号は送信専用です。恐れ入りますがお電話お願いします〉
 末尾には、地元の山尾事務所の電話番号が記されている。気味の悪い話である。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160408-00507233-shincho-pol

この記事を読む限りは、“『当選のお礼』などのメールは違法行為であるが、発信元が特定できないので立件できない”ように読めます。

「当選感謝のショートメール」は「先の総選挙の翌日」

つまり、2014年12月15日に「当選感謝のショートメール」が送られているわけです。
では、これが山尾議員から送付されたことが確定された場合、違法行為にあたるのでしょうか?
自民党鈴木淳司代議士の陣営が県警本部に掛け合ったところ」では、県警は「やっていることは違法」だと断言したようです。

しかし公職選挙法は2013年5月26日施行で以下のように改正されています。

4 インターネット等を利用した選挙期日後の挨拶行為の解禁

 インターネット等を利用した選挙期日後の挨拶行為は解禁されます(改正公職選挙法第178条第2号)。 
 改正前の公職選挙法では、選挙期日後において、当選又は落選に関し、選挙人に挨拶する目的をもって文書図画を頒布し又は掲示することは、自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除き、禁止されています(公職選挙法第178条第2号)。

 この規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第245条)。

 改正公職選挙法では、選挙期日後に当選又は落選に関して選挙人に挨拶をする目的をもって行う行為のうち、「インターネット等を利用する方法」により行われる文書図画の頒布が解禁されます(改正公職選挙法第178条第2号)。
 したがって、例えば、選挙期日後、自身のホームページ等において当選又は落選に関する挨拶を記載することや、電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは可能となります。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10_2.html

総務省のサイトに「電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは可能」と書かれているわけですが、新潮が「総務省や地元選管の話を総括すると」以下のように判断されるようです。

 事実、総務省や地元選管の話を総括すると、
〈選挙活動および政治活動に関しては公選法で、受信者が送信者に“ここへ送れ”と指定したアドレス以外に送ってはいけないと定められている。さらに、呈示されるような『当選のお礼』もメールでやってはいけません。これらの規定に反した者は、2年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科せられるのです〉

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160408-00507233-shincho-pol

2013年5月26日に施行された改正公職選挙法下の2014年12月15日に「当選感謝のショートメール」を送ることが違法なのでしょうか?
新潮は果たして本当に総務省や地元選管に取材して確認したのでしょうか?
愛知7区の小選挙区自民党鈴木淳司代議士の陣営が本当に県警本部に掛け合い「やっていることは違法。ただ、“送信者が海外のサーバーを利用し、番号が誰のものか特定できない”と言われた」のでしょうか?

別に山尾議員が違法行為を行っている、あるいはそう指摘するだけの相当の根拠があるのなら、収賄容疑から逃げ回ってる甘利議員に対する追及のような極めて温い対応ではなく存分に指摘すれば良いと思うんですが、合法なことまで違法であるかのように示唆してネガティブキャンペーンを行うのはさすがにどうかと思いますのでね。
それも、法の瑕疵として現状はやむを得ず合法だというような要件ではなく、ネット上での選挙活動を解禁していく昨今の流れに沿う合法という要件であるならなおさらです。