「個別的はよくてなぜ集団的はだめなのか」→自国を守るための武力行使は容認するが他国を守るための武力行使は容認しないってことでしょ

このツイート。

井上武史 Takeshi INOUE @inotake77 2016-05-02 17:33:53
過去の解釈変更はよくてなぜ今回のはだめなのかとか、憲法に何の根拠もないのに個別的はよくてなぜ集団的はだめなのかとか、違憲論の理屈はいまだによくわからない。学問的な関心から単純に知りたいのですよ、なぜそうなるのかを。納得できれば考えを変えることもあります、当然。

https://twitter.com/inotake77/status/727053487062708224

集団的自衛権による武力行使には、自国が武力攻撃された場合に攻撃されていない第三国が自国側にたって侵略国に対する武力行使を行うというものと、自国は攻撃されていないが武力攻撃を受けている第三国を支援するために自国も侵略国に対する武力行使に参加するというもの、の2種類があります。
以前書いた「集団的自衛権に関する初歩的な話」で、前者を「受動的な集団的自衛権」、後者を「能動的な集団的自衛権」と呼びました。
前者の「受動的な集団的自衛権」に関しては、既に日米安保条約という形で存在していますから、井上氏のツイートで問題とされている集団的自衛権とは、「能動的な集団的自衛権」のことでしょう。

     個別的自衛権 受動的な集団的自衛権 能動的な集団的自衛権
被侵略国 自国 自国 他国(同盟国)
武力行使による応戦国 自国のみ 自国+同盟国 自国+同盟国
戦力にあたらない自衛力での行使可否 可能 可能 不可能

自衛隊憲法13条による国民の生命を守るための戦力にあたらない範囲であれば合憲(9条に抵触しない)という考え方が一般的ですが、この考え方では個別的自衛権や受動的な集団的自衛権については国民の生命を守るためとして容認できますが、能動的な集団的自衛権行使に対しては国民の生命を守るためではないので容認できません。

単純に言えば、個別的自衛権(受動的な集団的自衛権含む)は国民の生命を守るためだが、能動的な集団的自衛権は国民の生命を守るためではない、ということです。
これが「個別的はよくてなぜ集団的はだめなのか」の理由ですね。