同じ出来事なのにニュアンスが異なる報道

民進党野田幹事長の船橋市での講演(2016/11/27)に関する記事。

共産と選挙協力「握手ぐらいは」…民進・野田氏

読売新聞 11/28(月) 7:49配信
 民進党の野田幹事長は27日、千葉県船橋市で講演し、次期衆院選での共産党との選挙協力について、「握手ぐらいはやらなければいけない」と述べ、連携は必要との考えを示した。
 野田氏は講演で「手を握ることはビジネスでもある。今の1強を崩すことに最大の意味がある」として、衆院選自民党に対抗するために共産党と一定の連携を図ることに理解を求めた。ただ、「魂を売るわけではない」とも語った。野田氏は共産党との選挙協力について慎重な姿勢を示していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00050011-yom-pol

野党共闘「魂売らぬ」=野田民進幹事長

時事通信 11/27(日) 18:18配信
 民進党野田佳彦幹事長は27日、地元の千葉県船橋市内で開いた会合で、共産党を含めた野党共闘について「私は自衛官のせがれで、(自衛隊解消を綱領に掲げる)共産党に対する意識は、どなたよりも強烈だ。魂は売らない」と述べ、理解を求めた。
 野田氏は「今の(自民党)1強を崩していくことに最大の意味がある」と強調。この後、記者団の取材に対し、共産党が求める共通政策の策定や相互推薦に関しては「できる限りの協力の中で、判断していかなければならない」と述べるにとどめた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161127-00000067-jij-pol

読売記事では、「共産党との選挙協力について慎重な姿勢を示していた」野田幹事長が「連携は必要との考えを示し」「理解を求めた」という筋になっており、野田幹事長が共闘に前向き、肯定的になったという印象を与えます。
これに対して時事通信記事では「野党共闘「魂売らぬ」」といって「理解を求めた」という筋になっており、共闘に消極的であることに理解を求めたような内容です。


朝日記事ではこんな感じ。

共産共闘に野田幹事長「握手くらいは」 「魂は売らぬ」

2016年11月27日23時59分
 民進党野田佳彦幹事長は27日、次の衆院選に向けた共産党との選挙協力について、地元・千葉県船橋市での支持者向けの会合で「握手くらいは、やらないといけない。魂を売るわけではないが、どういう協力をするかは真剣に考えていく」と理解を求めた。
 幹事長就任前の6月には、民進を血液型のA型、共産をB型にたとえ、「輸血してもらったら、死んじゃうかもしれない」と両党の共闘を批判していた。
 この日は「野党がバラバラで一つの選挙区で自民党公明党の候補者と戦うにはまだまだ力不足」と述べ、野党候補の一本化の必要性を強調。「輸血」発言を振り返ったうえで、「ビジネスでは握手だけでなく、カラオケに行って一緒にマイクを握ることもある。だが、魂を売るわけではないし、一緒に住む話でもない」と語った。
 会合後、記者団に、民進の「魂」について「結党の理念や基本政策」と説明。共産党が求めている相互推薦や共通公約などについては「場合によっては、(「魂を売らない」対象に)かかるものもあるかもしれない」と述べた。

http://www.asahi.com/articles/ASJCW5T47JCWUTFK00H.html

記事タイトルとしては朝日が一番適切な気がしますし、6月には消極的だった姿勢が変わったことを示しており、過去の経緯を踏まえた記事になっています。