2018年1月9日の韓国外交部報道官の記者会見と今後の雑感

2018年1月9日に康京和外交部長官が、慰安婦問題に関する日韓政府間合意についての新方針を発表しました。その後、報道官は記者会見で新方針に関する質問に回答しています。
(訳は機械翻訳

<질문> 방금 일본외상이 위안부 합의 미이행에 대해서는 절대 받아들일 수 없다고 밝혔는데요. 앞으로 우리 정부가 ‘피해자 중심의 책임’이라는 것을 일본한테 어떻게 요구할 건지 궁금합니다. (NHK TV 조성경 기자)

<質問>たった今日本外相が慰安婦合意未履行に対しては絶対受け入れないと明らかにしましたが。 今後わが政府が‘被害者中心の責任’というものを日本にどのように要求するのか気になります。 (NHK TVチョ・ソンギョン記者)

<답변> 합의 당시 일본 정부가 표명한 바 있는 위안부로서 많은 고통을 겪고 심신에 걸쳐 치유하기 어려운 상처를 입은 모든 분들에 대한 사죄와 반성의 마음과 당시 합의의 취지와 정신을 존중하여 일본 정부가 피해자들의 명예와 존엄을 회복하고 마음의 상처 치유를 위해 자발적으로 진정성을 보이기를 저희는 기대합니다.

<返事>合意当時日本政府が表明したことがある慰安婦として多くの苦痛を味わって心身にかけて治癒しにくい傷を負ったすべての方に対する謝罪と反省の心と当時合意の趣旨と精神を尊重して日本政府が被害者の名誉と尊厳を回復して心の傷治癒のために自発的に真正性を見せることを私どもは期待します。

http://www.mofa.go.kr/www/brd/m_4078/view.do?seq=367979&srchFr=&srchTo=&srchWord=&srchTp=&multi_itm_seq=0&itm_seq_1=0&itm_seq_2=0&company_cd=&company_nm=

合意を破棄しないし再交渉もしない、そして追加措置を要求するわけでもない。ただ、日本側が自発的に「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのため」に誠意を示すことを期待するという内容ですね。


この後、別の記者が次のような質問をしています。

<질문> 위안부 합의 관련해서 두 가지 좀 여쭤보고 싶습니다. 아까 전에 일본 측이 과거 합의처럼 상처치유를 위해 자발적으로 진정성을 보이기를 기대한다고 얘기를 해주셨는데, 현재 상황에서 일본이 자발적인 진정성을 보이지 않는 뭐 구체적인 액션이 없을 때 우리가 어떤 요구를 할 수가 있는 것인지 하나 여쭤보고 생각요.
오늘 고심 끝에서 외교부에서 장관께서 발표를 하셨지만 바로 직전 정부에서 윤병세 장관 당시에 양국 외교장관이 직접 도출한 합의안인데, 이걸 상당 부분을 좀 물러서는 듯한 모습에서 청와대 내지는 국내 정치상황에 끌려가는 것 아니냐, 외교부가. 이런 비판도 제법 나오고 있는 것 같은데 여기에 대한 외교부 입장이 궁금합니다. (채널A 김도형 기자)

<質問>慰安婦合意に関連して二種類ちょっとお尋ねしたいです。 さっき前に日本側が過去合意のように傷治癒のために自発的に真正性を見せることを期待すると話をして下さったが、現在の状況で日本が自発的な真正性を見せない何具体的なアクションがない時私たちがどんな要求をすることができることなのか一つお尋ねして考えです。
今日苦心の末で外交部で長官が発表をしたがすぐに直前政府でユン・ビョンセ長官当時に両国外交長官が直接導き出した合意案なのに、これを相当部分をちょっと退くような姿で大統領府ないしは国内政治状況に引きずられて行くのではないか、外交部が。 このような批判も結構出てきているようだがこれに対する外交部の立場が気になります。 (チャネルAキム・ドヒョン記者)

<답변> 두 번째 질문 먼저 답변을 드리면요. 지난번 합의로 위안부 문제가 해결될 수 없다는 점에 대해서는 이미 여러 차례 밝힌 바가 있고요. 지난 합의는 진실과 정의의 원칙에 어긋날 뿐만 아니라 피해자 할머니들을 배제하고 일방적으로 추진한 것으로써 절차, 내용 모두 중대한 흠결이 있는 것이 사실입니다. 그러나 또 이 합의가 정부 간 공식합의였다는 것도 역시 부정할 수 없는 사실입니다.
정부는 앞으로도 성심과 최선을 다해서 이 문제의 본질인 피해자 할머니들의 명예·존엄회복 및 마음의 상처치유를 위해 피해자 분들의 의견을 경청하면서 가능한 한 모든 노력을 기울여 나갈 것입니다.
첫 번째 질문과 관련해서요. 피해자들께서 한결같이 바라는 것은 ‘자발적이고 진정성 있는 사과’입니다. 우리 정부로서는 일본 정부가 피해자들의 명예와 존엄을 회복하고 마음의 상처 치유를 위해 자발적으로 진정성을 보인다면 이를 환영한다는 입장입니다.

<返事>二番目質問先に返事をトゥリミョンニョ. 前回合意で慰安婦問題が解決されることができないという点に対してはすでに何回も明らかにしたところであってよ。 去る合意は真実と定義の原則に外れるだけでなく被害者おばあさんを排除して一方的に推進したことで手続き、内容全部重大な欠陥があることが事実です。 しかしまた、この合意が政府間公式合意だったということもやはり否定できない事実です。
政府は今後も誠心と最善を尽くしてこの問題の本質である被害者おばあさんの名誉・尊厳回復および心の傷治癒のために被害者方々の意見を傾聴してできるだけすべての努力を傾けていくでしょう。
最初の質問と関連しますので。 被害者が一様に望むのは‘自発的で真正性ある謝罪’です。 わが政府としては日本政府が被害者の名誉と尊厳を回復して心の傷治癒のために自発的に真正性を見せるならばこれを歓迎するという立場です。

http://www.mofa.go.kr/www/brd/m_4078/view.do?seq=367979&srchFr=&srchTo=&srchWord=&srchTp=&multi_itm_seq=0&itm_seq_1=0&itm_seq_2=0&company_cd=&company_nm=

要するに、日本側が自発的に誠意を示すことを期待すると言うが、日本が自発的に誠意を示さない場合は何か要求するのか、という質問です。これに対して韓国政府は直接は答えていないものの、被害者が求めているのが自発的な誠意ある謝罪であること、と回答し、韓国政府として何か要求するわけではないことを示しています。そして韓国政府としては、日本側がそのような誠意を示すのであれば歓迎すると述べています。

韓国政府のスタンスとしては、被害当事者が納得していないことに理解を示し、被害当事者が望んでいるのが加害国からの自発的な誠意ある謝罪であるという認識を示し、その上で日韓政府間合意を破棄も再交渉もしないので、韓国政府として日本政府に対して追加措置を要求したりもしない、というものになっています。

もちろん、今の安倍政権や日本社会は、植民地支配した朝鮮半島から動員され日本軍兵士向けの売春を強制された戦時性暴力被害者に対して謝罪すべきなんて思っていないか、自民党や安倍政権支持層らが性暴力被害者を売春婦と罵ってきた事実を知らずに“既に十分謝罪した”と思い込んでいるかのいずれかですから、自発的に謝罪なんてするはずがありませんね。
韓国政府もおそらくそれを理解しているでしょうね。ただ、被害当事者が望んでいるのが加害国からの自発的な誠意ある謝罪であるという認識を示したことで、日本側が自発的に行動をとらないのであれば、それは日本側の選択・判断によるものに他ならず、批判の目が向けられるのは日本ということになります。

解決に納得できない被害当事者に共感を示し、合意は維持する、というのは韓国政府としては適切な対応ですし、韓国世論も概ねこの対応を評価しています。保守系メディアが批判的に論じてはいますが、中韓会談の際の報道と同じく難癖に近いものでその論調が支持されているとも言えません。
慰安婦を支援している団体は不満を抱いてはいるようですが、それでも文大統領が直接元慰安婦らを訪問・招待し、共感を示したことには一定の評価を与えており、日本側で報じられているような「板挟み」とまでは言えないでしょう。

韓国国内的には文政権の対応は概ね受け入れられているわけで、その上で、日本側が一切の自発的行動を拒絶するなら、それはそれで構わない、韓国政府が政府として交渉できないのは朴政権の置き土産によるものであって文政権の責任ではない、という考えであろうと思います。
一方で、日本側が一切の自発的行動を拒絶するならば、韓国政府が「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業」として慰安婦記念碑の設置などに内外問わず協力するという選択肢が取りえます。戦時性暴力被害を記憶するための活動で、日本批判にはあたらないという説明で、合意違反にはなりませんしね。

もちろん、日本側が安倍路線を続けるのなら、執拗に少女像の撤去を求め、慰安婦記念碑の設置などには反対し、慰安婦を性奴隷と呼ぶことはまかりならんと非難を繰り返し、日韓合意を履行せよ、と求めるでしょう。
ただ、そのような主張が日本以外では理解されることもないでしょうね。そして、そんなことをやればやるほど、日本が異常な国であることが周知されていくわけで、1月12日の安倍首相の発狂はその嚆矢となるかも知れませんね。

まあ、日本国民自身が自国の異常性に自覚できるかどうかは、怪しいもんでしょうけど。