「scopedogは「DV冤罪ガー」の人なのだ」とか何とか。

こんなことを“一部”のフェミニストから言われているという件、続く。

敵意の正体

 では、なぜscopedogはこの記事に異常な敵意を燃やしているのだろうか。有料部分に鍵があるので引用する。

性暴力やDVなどの相談に乗っているNPO法人「女のスペース・にいがた」の朝倉安都子代表は「初めに打ち明けられた人の対応が重要だ」と話す。

あー、DVかぁー、DVはなぁ、とずっとscopedogをウォッチしている人なら思うだろう。scopedogは「DV冤罪ガー」の人なのだ。私がこのことに気付いたのは2016年の10月頃であった。その時に書いたのが以下のエントリだ。(この時は、まさかここまで邪悪な人物とも思っていなかったので指摘もやんわりしている。懐かしー)

http://d.hatena.ne.jp/EoH-GS/20180915/1536978469

2件の殺人で懲役4年なら十分な温情判決だと思うが」とは直接関係ない話題で無理やりこじつけて「邪悪な人物」と侮辱されているわけですが。

それはそうと、今年(2018年)の5月にこんな報道がありましてね。

名古屋地裁>「誇張のDV被害、妻が面会阻止目的で申告」

5/8(火) 22:06配信 毎日新聞
 ◇妻と愛知県に55万円の支払い命令
 別居中の妻が虚偽のドメスティックバイオレンス(DV)被害を申告し、愛知県警の不十分な調査で加害者と認定され娘に会えなくなったとして、愛知県の40代の夫が妻と県に慰謝料など計330万円を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(福田千恵子裁判長)は計55万円の支払いを命じた。夫側弁護士が8日、明らかにした。妻は控訴している。
 4月25日付の判決によると、妻が長女を連れて別居後、夫の申し立てで名古屋家裁半田支部が2014年、長女と夫の面会などをさせるよう妻に命じた。妻は16年、夫に住所などを知られないようにする支援を申請し、県警の意見を基に自治体が住民基本台帳の閲覧を制限した。
 判決は「DV被害は事実無根と言えないが誇張された可能性はあり、妻が面会阻止目的で申告した」と認定した。県警については、被害者の安全確保が最優先で多角的な調査を常に行う義務はないとしつつ「支援制度の目的外利用も念頭に置くべきなのに、事実確認を全くしなかった」と賠償責任を認めた。
 さらに「支援制度悪用が社会問題化している。加害者とされる者にも配慮する制度設計があるはずで、検討が期待される」とした。夫側弁護士は「支援制度の不備に踏み込んだ画期的な判決」と話した。【野村阿悠子】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180508-00000102-mai-soci

DV防止法が悪用されている実態についてはかなり以前から言われていましたが、地裁判決で「誇張された可能性」に言及し、県警が「支援制度の目的外利用」「支援制度悪用」の可能性を踏まえた「事実確認」をしなかったことについて賠償責任があることを認めた多分初の事例です。
非親権者と子どもの面会交流を妨害する目的で虚偽のDV被害を申告したという訴えですが、面会交流を取り扱う家庭裁判所ではなく地方裁判所に訴えています。実際に虚偽DVによる面会交流妨害をされても、地裁に訴えを起こすまでする非親権者はさほど多くはないでしょうから、判決の事例は氷山の一角だと考えるのが妥当でしょう。

一応言っておきますが、全てのDVが虚偽だとか言うつもりはありませんし言ったこともありませんので、“一部”のフェミニストはその辺捏造しないようにお願いします。

私が以前から指摘しているのは、DV被害の訴えの中には虚偽あるいは誇張されたものがある、というものです。これを否定する主張は、“あらゆるDV被害の訴えは全て真性DVであり虚偽や誇張は含まれていない”というものになりますが、そのようにお考えならばどうぞご自由にご批判くださいな。

ちなみに産経ではこんな感じで報道されています。

虚偽DV 親権のための法的テクニック 社会問題化「制度見直すべきだ」

5/8(火) 7:55配信 産経新聞
 「より良い制度に向けた検討が期待される」。今回の判決で、福田千恵子裁判長はそう踏み込んだ。この提言は(1)DV被害者の支援制度が、子供と相手親を引き離す手段として悪用されている(2)加害者とされる側の権利を守る手続きがなく、虚偽DVの温床となっている-などの問題意識を反映したものだ。この判決は今後、制度の在り方をめぐる議論につながる可能性もある。
 子供をめぐる夫婦間トラブルで多い類型は、一方の親が相手親に無断で子供を連れ去り、その理由として「DVを受けていた」と主張する-というものだ。
 従来は、たとえ連れ去りの結果であっても、現在の子供の成育環境の維持を考慮する考え方(継続性の原則)などが重視され、連れ去られた側が不利となる事例が多かった。さらに相手からDVを主張された場合、子供との交流の頻度や方法を決める際にも不利に扱われやすいとされる。
 DV主張は覆すのが困難で、実務上、証拠が乏しくてもDVが認定されることが多い。実際、裁判記録などによると、DV認定を抗議した夫に警察官は「女性がDVを訴えたら認定する」と発言。法廷でも「支援申請を却下したことは一度もない」と証言した。
 この問題に詳しい上野晃弁護士は「こうした運用は愛知県警だけでなく、全国的に同様だ。警察は申請を却下した後に事件などが起き、責任追及されるのを恐れるためだ」と分析する。
 一方で近年では、「親権や慰謝料を勝ち取る法的テクニックとして、DVの捏造が横行している」「連れ去りをした側が有利な現状はおかしい」との指摘も出ていた。
 国会でも平成27年4月、ニュースキャスター出身の真山勇一参院議員が、現行制度下で子供の連れ去りや虚偽DVが横行している問題を指摘した。
 福田裁判長は「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」と指摘。司法府が立法府に注文をつけるのは異例だ。
 原告側代理人の梅村真紀弁護士は「(判決が)子供第一の協議が行われるきっかけになってほしい」と話す。
 妻側は既に控訴しており、上級審の判断が注目される。(小野田雄一)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180508-00000068-san-soci


名古屋地裁判決は虚偽DVあるいはDVの誇張の可能性を示した上で、「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」と指摘しているわけです。

福田千恵子裁判長については朝鮮学校無償化問題に関する判決では支持できませんが、本件判決については少なくとも「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」といった指摘部分については同意できるところです。

加害者とされた側の意見も聞くという刑事事件なら当然の対応がDV事案の場合はされていないというのが問題なのであり、それがDV冤罪の温床となっているわけで、制度がどのように運用されているかを知っていれば冤罪を懸念するのは当然だと私は思うんですけどね。

性暴力とかDVとかの事案になった途端に、冤罪が存在する可能性を指摘することにすら「厚顔無恥」だの「腐臭ただようヘイトスピーチ」だの「胸くそ悪い」だの「糞の山」だの「ミソジニスト」だの「ごまかし」だの「邪悪な人物」だのと言い出す“一部”のフェミニストが存在すること*1についてはかなりうんざりしています。


なお、朝日ではこの件の記事を見つけられませんでした。ただの見落としかもしれませんが。

あと、この地裁判決が控訴審で覆る可能性は十分にあります。県警などの行政側を相手取っていますので、そもそも上級審になるほど行政側の不備は認定されにくくなるでしょうし、地裁判決でも「県警については、被害者の安全確保が最優先で多角的な調査を常に行う義務はない」と指摘していることから、賠償を課すほどの不備ではないと判断される可能性は少なからずあるでしょう。ただその場合でも、DV被害の誇張自体が否定されるのか、「支援制度の目的外利用」の可能性も否定されるのか、あるいは全くそれに触れずに賠償責任を否定する論理を採るのか、その辺りは注目しておく必要があるでしょうね*2



*1:http://d.hatena.ne.jp/EoH-GS/20180915/1536978469

*2:損害賠償請求については敗訴しても、事実認定については主張が認められる場合もよくあります。歴史修正主義関連では特に珍しくもない話です。