「自国の国旗と太極旗だけを掲揚する」ようにという韓国側の要望に米軍艦は従うと思うよ、なぜならば・・・
韓国での国際観艦式における旭日旗問題ですが、韓国側の当初の要望は穏やかな内容でした。
https://digital.asahi.com/articles/ASL9W5284L9WUHBI02V.html韓国海軍「海上自衛隊旗揚げないで」 観艦式で間接要請
ソウル＝武田肇 2018年9月27日18時12分
韓国海軍の報道官は２７日、済州島で１０月１０～１４日に他国の海軍との交流などを目的に開く「国際観艦式」に関し、日本などの参加国に「自国の国旗と太極旗（開催国である韓国の国旗）だけを掲揚するのが原則」だと８月３１日付で通知した、と明らかにした。
報道官は「海軍は旭日（きょくじつ）旗に対する国民の憂慮を解消するために努力している」とも説明。日本の海上自衛隊に対し、自衛艦旗を使わないよう間接的に要請した形だ。
（略）
韓国海軍からの8月31日付の要望は日本を名指ししたわけでもなく自衛艦旗である旭日旗を特定して掲揚するなと命じたわけでもありません。国際観艦式の受閲にあたって自国旗と開催国旗だけを掲げてほしいというのは、別段無茶な要求とも思えません。
ところが朝日記事では、こう書かれています。
日本の自衛艦旗は、他国の軍艦旗と同様、自艦を民間船と区別する国際法上の役割がある。防衛省関係者は「非常識な要求で、降ろすことはあり得ない。降ろすのが条件なら参加しないまで。従う国もないだろう」としている。
https://digital.asahi.com/articles/ASL9W5284L9WUHBI02V.html
国旗と異なる軍艦旗が無ければ「自艦を民間船と区別」できないわけではありませんので、朝日記事のこの記載は正確ではありません。
実際、アメリカやスペイン、インドネシアなどでは国旗を以て軍艦旗としています。
米軍のNaval Regulationsを見ても、National ensign（＝星条旗）を軍艦に掲揚する旨の規定が書かれていることがわかります。
なので、国旗を掲げて国籍が明示されてさえいれば、普通の軍艦なら外観だけで「external marks distinguishing such ships」*2という条件を満たしますから、国際法的には問題が生じたりしません。
そんなわけでタイトルの通り「自国の国旗と太極旗だけを掲揚する」ようにという韓国側の要望に米軍艦は従うだろうと、何故ならば、アメリカの軍艦旗は国旗である星条旗と共通だから。というわけです。
「非常識な要求で、降ろすことはあり得ない。降ろすのが条件なら参加しないまで。従う国もないだろう」とか言ってる防衛省関係者は、アメリカの軍艦旗が国旗と共通であることを知らないのでしょうかね*3。
一方、中国やロシアなどは日本と同じく国旗とは別に軍艦旗を定めていますが、中国やロシアが今回どう対応するのかはよくわかりません。
一応、日本の場合は訓令レベルの法令*5に違反することになりますから、海上幕僚長としては法令上の義務として旭日旗を掲揚すると回答する以外ありませんが、訓令を出せる権限を有している防衛大臣の場合は法令上の義務だからという言い訳は許されません。
“韓国を差別的に見下している日本としては韓国の要望を容れることは日本のメンツにかかわる”という低レベルな認識がある故に、訓令や通達という防衛大臣に認められた権限を使いたくないというただそれだけの理由で拒絶するのだとはっきり言うべきでしょうね。
https://digital.asahi.com/articles/ASL9W5284L9WUHBI02V.html韓国海軍「海上自衛隊旗揚げないで」 観艦式で間接要請
ソウル＝武田肇 2018年9月27日18時12分
韓国海軍の報道官は２７日、済州島で１０月１０～１４日に他国の海軍との交流などを目的に開く「国際観艦式」に関し、日本などの参加国に「自国の国旗と太極旗（開催国である韓国の国旗）だけを掲揚するのが原則」だと８月３１日付で通知した、と明らかにした。
報道官は「海軍は旭日（きょくじつ）旗に対する国民の憂慮を解消するために努力している」とも説明。日本の海上自衛隊に対し、自衛艦旗を使わないよう間接的に要請した形だ。
太陽の光を意匠化したとされる旭日旗は旧日本軍で使われ、海上自衛隊は１９５４年の発足時、艦の国籍を示す自衛艦旗として採用した。韓国内にはこの旗に対して「日本軍国主義の象徴」との批判があり、海軍側が対応を検討していた。
一方で報道官によると、停泊中の艦船については「国際法や国際慣例上いかなる強制もできない」と説明し、韓国側の要請には限界があるとした。
日本の自衛艦旗は、他国の軍艦旗と同様、自艦を民間船と区別する国際法上の役割がある。防衛省関係者は「非常識な要求で、降ろすことはあり得ない。降ろすのが条件なら参加しないまで。従う国もないだろう」としている。
国際観艦式は韓国海軍の建軍５０年を記念して１９９８年に初開催。１０年に１回開かれ、３回目の今回は米原子力空母ロナルド・レーガンなど、韓国外から米中ロ日など１４カ国の艦艇２１隻が参加する予定。（ソウル＝武田肇）
