どうでもいいけど「参峰号」ではなく「三峰号」ではないかと

韓国海警察庁所属の5000t級警備艦艇であるサンボンギョ(삼봉호)ですが、これに「参峰号」という字を当てている人が何人かいましたので。

 驚いたのは韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン(広開土大王)」とすぐ傍に居た韓国海洋警察の警備救難艦「サンボンギョ(参峰号)」は、彼らが捜索していた目的の北朝鮮の漂流漁船らしきものを既に発見しており搭載艇を出して回収中だと思われることです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20181228-00109402/

現場の海上には、「971 広開土大王(クァンゲト・デワン(광개토 대왕))」駆逐艦の他、約1000mの距離に海洋警察庁の5000トン級警備救難艦「5001 参峰号(サンボンギョ(삼봉호))」とその搭載艇(推定)2隻、そして漁船1隻が写っている。

https://pelicanmemo.hatenablog.com/entry/2018/12/30/193000

過去には2014年の記事で「韓国最大の5000トン級警備船「ARS-5001 参峰号(삼봉호)」」と書いている人がいて、その元ネタは2008年の「日本周辺国の軍事兵器」あたりのようなんですけども。

とにかく「参峰号」はあまりいけてない当て字だと思います。

삼봉호の삼は漢数字の「三」ですから、普通に「三」をあてるべきでしょう。まあ、数字の「三」の大字としての「参」だという主張なのかも知れませんが(「参」をそのまま訳すと「참」が一般的な感じですが、「参鶏湯」の場合などは「삼계탕」で「三」と同じ字(삼)になりますので、「삼」を「参」としたら即間違いというわけでもないのですが)。
「삼봉」を「三峰」とあてるのは、韓国の観光地とか見れば一般的で、例えば「嶋潭三峰(도담삼봉)」(忠清北道 丹陽郡)などがあります。

そして一番重要なのは、成宗実録*1にある「三峰島」が独島(竹島)を指すという説があると言う点です。この説自体は韓国でも伝説程度の扱いで、学術的には三峰島は独島とは異なるという説が有力なようですが*2

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成宗実録 1477年3月4日
サンボンギョ(삼봉호)が独島警備を任務として建造されたこと*3を踏まえると、「サンボンギョ(삼봉호)」という名称が独島の伝説上の旧名である「三峰」号であることがわかります。

つまり船名の由来を考えれば、「参峰号」ではなく「三峰号」と記載する方が正しいと言えます。
最初に「参峰号」とあてた人は一体何を根拠としたのか、それとも適当だったのか、まあどうでもいいか。

以上、どうでもいい話でした。