2016年仲裁裁判所判決に照らせば沖ノ鳥島起点のEEZは認められないのだが、どうしても不満なら仲裁裁判所に提訴してみればいいと思う。

この件。

中国船、沖ノ鳥島EEZで海洋調査 海保が中止要求

2019.3.23 18:36|政治|政策
 23日午後0時30分ごろ、沖ノ鳥島(東京都小笠原村)から東北東約165キロの排他的経済水域EEZ)で、中国の海洋調査船「嘉庚」(カコウ)がロープのようなものを海中に垂らして航行しているのを海上保安庁の航空機が発見。目的を確認したところ、「海水温度の調査にあたっている」と応答した。海保は、海洋調査を実施していると判断し、無線で中止を求めたが、同船から応答はなかった。
 約1時間後、同船はロープを垂らした状態で沖ノ鳥島の東北東約160キロのEEZを西向けに航行を続け、海保は巡視船を向かわせている。
 国連海洋法条約では、他国のEEZでの無断の海洋調査は認められていない。

https://www.sankei.com/politics/news/190323/plt1903230018-n1.html

2016年7月の仲裁裁判所判決は、EEZを形成する島の条件として、外部からのリソースに依存することなく安定した居住地と経済活動が形成されていることという条件を明示しています。

Under the Convention, islands generate an exclusive economic zone of 200 nautical miles and a continental shelf, but “[r]ocks which cannot sustain human habitation or economic life of their own shall have no exclusive economic zone or continental shelf.” The Tribunal concluded that this provision depends upon the objective capacity of a feature, in its natural condition, to sustain either a stable community of people or economic activity that is not dependent on outside resources or purely extractive in nature.

http://thediplomat.com/wp-content/uploads/2016/07/thediplomat_2016-07-12_09-15-37.pdf

この仲裁裁判所の定義に従うなら、沖ノ鳥島はただの岩であって島ではなく、故にEEZを形成しないことになります。
産経新聞はそういった判決の存在を隠蔽していますが、まあ、日本政府が本気で、沖ノ鳥島EEZを形成する島であって中国の海洋調査は国連海洋法条約違反と考えるのなら、仲裁裁判に訴えてみれば良いと思いますよ。

絶対、やらないでしょうけどね。