今の日本では珍しくもないが嫌韓派の集会としか言いようがないシンポジウムだな

この件。

韓国のGSOMIA破棄決定「結果的に北の意向に沿った決断」

11/5(火) 22:48配信 読売新聞オンライン
 第16回安全保障シンポジウム(NPO法人ネットジャーナリスト協会主催、読売新聞社後援)が5日、都内で開かれ、悪化する日韓関係など北東アジア情勢について議論した。
 基調講演では、佐々江賢一郎・前駐米大使が、朝鮮半島の将来について「最も望ましくないのは、統一された朝鮮が核を保有し、反日的で、中国の拡張政策のパートナーとして存在することだ。そうならないように打てる手を打っていくことが必要だ」と指摘。河野克俊・前防衛省統合幕僚長は、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことについて、「結果的に北朝鮮の意向に沿った決断をした。日米韓でタッグを組んでやろうという中で非常にまずいことだ」と批判した。
 討論会では、薗浦健太郎自民党総裁外交特別補佐が徴用工問題を巡る韓国の対応について「自分たちが国際約束を破っておきながら、世界が問題を認識し始めると、とりあえず日本と仲良くしようとしている」と分析した。このほか、磯部晃一・元陸上自衛隊東部方面総監、村井友秀・東京国際大学教授が、北朝鮮や中国、日米同盟をめぐる問題などで意見を交わした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191105-00050236-yom-pol

佐々江賢一郎前駐米大使が「最も望ましくないのは、統一された朝鮮が核を保有し、反日的で、中国の拡張政策のパートナーとして存在すること」だと言ってますが、じゃあ、望ましいのは何なのか、という話ですよね。
多分、日本政府はじめ日本人の大多数は、韓国と北朝鮮が永遠に分裂し対立しあって互いに苦しむという平和主義の欠片もない利己的なことを望んでいるんでしょうけど。実際、日本政府の朝鮮半島外交は一貫して、南北和平の妨害に終始しているわけで。

最も望ましいのは核を放棄した統一された朝鮮半島と協調して中国・ロシアとも友好的な関係を築くことでしょうが、そんなことはつゆも考えもせずに、嫌韓政策を進めて韓国を反日に追いやると言う愚行を止められないのが今の日本ですからねぇ。

半島統一を妨害し、核兵器に頼らなければならないような状況に北朝鮮を追い込み、嫌韓を煽り、中国人に対する蔑視感情と同種の感情を韓国人や朝鮮人に対して抱き続ける。

そんなことをやっておいて「最も望ましくないのは、統一された朝鮮が核を保有し、反日的で、中国の拡張政策のパートナーとして存在すること」とかバカじゃねーのとしか思わないんですけどね。

河野克俊・前防衛省統合幕僚長の「結果的に北朝鮮の意向に沿った決断をした。日米韓でタッグを組んでやろうという中で非常にまずいことだ」という批判も同様で、「日米韓でタッグを組んでやろう」とか本気で思っているなら、まず最初に相手を侮辱するのを止めるべきでしょうに。
それに「北朝鮮の意向に沿った決断」というなら、安倍政権が仕掛けた貿易規制がまず、それでしょうよ。北朝鮮の意向に沿って、日韓間に市民レベルでの対立の種をばら撒いたわけですからね。
韓国から北朝鮮に物資が横流しされたという証拠すら一切示すことができないのに、単なる嫌韓感情と歴史修正主義の欲望のみで安倍政権が突っ走った結果でもありますし。

薗浦健太郎自民党総裁外交特別補佐の「「自分たちが国際約束を破っておきながら、世界が問題を認識し始めると、とりあえず日本と仲良くしようとしている」と分析」も自民党らしい自己中心的・日本無謬信仰の産物ですね。
何度も指摘されていることですが、1965年の日韓請求権協定は賠償を対象としていないので韓国大法院判決が協定違反にはなりません。
「世界が問題を認識し始めると、とりあえず日本と仲良くしようとしている」というのも世界は日本が正しいと判定してくれているという過信でしかありません。

帝国主義時代の宗主国が多い先進国政府が、植民地支配下での行為に対する賠償請求に対して潜在的に好意的ではないというのはありうる話ですが、通常の先進国なら国内的に植民地時代の蛮行に対する自省の動きもあり、朝鮮を植民地支配し強制労働を科したことに対して好意的な態度を採る保証などありません。

薗浦発言は自己陶酔レベルの自信過剰の発露と言えますが、今の日本社会はそれを恥とすら思わないほど堕落しているわけで、こちらの方が深刻な問題かも知れませんねぇ。