差別を認識できない人には、差別をどうやって解消すべきなのかもわからない。

「女性枠」の話です。
方針そのものは間違ってませんし、個別の対応についてはこの記事からは読み取れないので、基本的に良いこと、としか評価しようがありません。

来年度予算に「女性枠」新設へ、就業・起業支援
 政府は22日、2013年度予算編成で女性が活躍する事業に優先的に採用する「女性枠」を設ける方針を決めた。
 女性の就業や起業を促す狙いだ。同日開いた古川国家戦略相や中川男女共同参画相らによる関係閣僚会議で確認した。政府の各府省に、男性職員が育児休暇を取得しやすい職場環境作りを検討する「イクメンの会」も設置する。
(2012年5月23日07時32分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120523-OYT1T00146.htm

ところが、この手の人たちは違うようです。

big_song_bird 政治, 性差別, 雇用, 就職
だ ん じょ こ よ う き ん と う ほ う wwwww 2012/05/23

aruzentina はりきる無能は社会悪, 無責任内閣, 性差別, 民主党の正体, サッサと解散しろ
男性差別はやめろ。 2012/05/23

Oriuta27
馬鹿か。女の前にやることがたくさんあるだろう。馬鹿か。 2012/05/23

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120523-OYT1T00146.htm

「男女雇用(機会)均等法」と呪文を唱えれば反論できると思ってる夢の国の住人ですね。「男性差別」については存在しないわけではありませんが、全般的な雇用情勢という点で見れば女性が冷遇されているのは自明です。

差別を解消する政策を考える例題

例えば、ある人種だけが学校で教育を受ける権利が何十年間も与えられず、他の人種は種々の学校で自己のレベル・目的に合わせた有償教育を受けているとします。ある人種だけは教育を受けれないため、学力を必要とする職業には能力的に就業できず、低賃金で単純労働するしかありませんでした。
さて、これからは、ある人種に対する差別を撤廃し、全ての人種がお金さえ出せば自由に教育を受けることができるようになりました。
つまり、政策として、ある人種を差別する状況はなくなりました。

では、ある人種の生活は改善されたでしょうか?

されるわけがありませんね。何十年もかければ少しずつ改善していくかも知れませんが、これまでの差別政策の結果、ある人種の家庭には低所得者が多いため、有償で良い教育を受けることができないわけです。稀に優秀な子供が何とか良い学校に行くことができたとしても、今度は雇いいれる側が、差別時代の先入観から、この人種には使えない人が多いなどの偏見を持って採用にブレーキをかけたりします。採用されたとしても、仕事でトラブルが起きれば、この人種は劣等だから、という偏見で見られ不当な扱いを受けるわけです。
単純な政策の転換では、不正常な状態を改善させるのに途方もない時間がかかるわけです。

そこで普通は、これまで差別されていた人種に対して教育を無償にしたり入学枠や就職枠を作ったりして、生活状況の改善を促進するわけです。

そうすると今度は、他の人種の人たちの中から、「逆差別だ」「特権だ」と非難の声が上がるわけですが、健全な社会であれば有識者がそういった差別助長の非難を一蹴するわけです。

現在の日本にはまともな有識者がいないので、在特会のような排他的な差別団体が跋扈していますし、そういった差別団体の存在を下で支えているのが、上で引用したような発言です。