国内政局起因の領土紛争

韓国大統領が独島(日本名:竹島)に上陸した事を韓国の国内事情だと指摘する声は大きいですが、日本政府が国際司法裁判所への提訴*1や親書送付、さかのぼれば竹島の日の設立、自体が、日本国内の事情であることを指摘する声は少ないですね。

尖閣諸島(中国名:釣魚島など)の領有権主張の場合は、さらに日本の国内事情起因であることが露骨にわかりますけどそれも指摘する声がほとんどないってのが、日本国の民度の低下や言論界の脆弱化の表れと言えます。

尖閣諸島では先に上陸した中国人を事前に上陸待機していた警察官らが拘束したことからも日本が実効支配していることは国際的にも明白なのですが、石原慎太郎氏や石破茂氏ら右翼は「尖閣の危機」を実態とかけ離れたレベルで誇張し煽っています。
理由は外交とか防衛などではなく、むしろ外交的・防衛的にはマイナスになるような対外*2強硬策を政府に煽ることで政権の基盤を切り崩し政局を狙っているためです。
尖閣諸島について言えば、現状の実効支配を波風立てず粛々と続けることが外交上・防衛上の最善策ですが、自称リアリストな人たちがわざわざ領土問題であることを誇張して相手国に対抗策を講じる口実を与え続けるという馬鹿げたことをしていますね。
彼らにとって、国内の気に入らない政権を追い込むことがリアルで、外交や防衛は幻想世界の出来事なのでしょう。

80年前も似たような状況だったんでしょうね。


(全く個人的な話ですが、8月・9月と忙しいので、書きたいことが山ほどあるのに、こんな手抜きエントリですらろくに書く暇がない・・・)

*1:これ、ロシアや中国、台湾相手にはやらず、韓国相手だけにやるってのが、日本政府や政界・言論界一般に蔓延しているレイシズムの発露ともとれます

*2:米国除く