核廃絶を訴えつつ、核使用は黙認という日本政府は平常運転

日本政府の脳内ではこれが両立しています。昔から*1

日本の核廃絶決議案採択 核保有国が棄権 中国は反対

11月3日 13時04分
国連総会の委員会で、核兵器の廃絶を訴え世界の指導者に被爆地への訪問を促す、日本が提出した決議案の採決が行われましたが、欧米の核保有国が棄権したほか、中国は、広島や長崎の被害だけを強調し歴史をゆがめているとして反対しました。
国連総会の軍縮問題を扱う委員会では2日、日本が22年連続して提出してきた核兵器の廃絶を求める決議案の採決が行われました。決議案は、核兵器の非人道性を強調し核保有国に対してより透明性が高い軍縮を求めているほか、世界の指導者に被爆地を訪れ被爆者の体験に学ぶよう、促しています。採決の結果、156か国が賛成し決議は採択されたものの、これまで賛成してきた核保有国のアメリカ、イギリス、フランスなどが棄権し、中国とロシアなどは反対しました。
ことし5月にNPT=核拡散防止条約の再検討会議が決裂し、核の保有国と非保有国との対立が深まるなかで、核保有国の間で日本の決議案にも警戒感が広がったものと見られています。このうち中国の傅聡軍縮大使は、決議に反対した理由について「日本はことさらに広島や長崎の被害を強調する一方で、南京大虐殺などの戦争犯罪を認めていない」と歴史問題を強調しました。これに対して日本の佐野利男軍縮大使は「被爆70年の節目に広島や長崎の被害に言及するのは当然で、決議は核兵器の悲惨さを知ってほしいという未来志向のものだ」と中国に反論しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151103/k10010292861000.html

「これまで賛成してきた核保有国のアメリカ、イギリス、フランスなどが棄権し、中国とロシアなどは反対」てのは、ある意味で安倍外交の象徴的な部分ですかね。
被爆地ご招待に熱心な日本は、一方で、「核兵器の使用禁止や廃絶のための法的枠組みづくり」には消極的。

「核使用禁止」決議を採択 日本棄権、保有国も不賛同

2015/11/03 11:31 【共同通信
 【ニューヨーク共同】国連総会第1委員会(軍縮)は2日、核兵器の使用禁止や廃絶のための法的枠組みづくりの努力を呼び掛ける決議案を賛成多数で採択した。唯一の被爆国として賛否が注目された日本は棄権に回った。
 128カ国が賛成し、29カ国が反対、18カ国が棄権した。五大核保有国では米英とフランス、ロシアが反対、中国が棄権した。日本は、米国の「核の傘」に依存する安全保障政策と合致しないと判断したとみられる。
 決議は核兵器の非人道性に関する議論を主導するオーストリアなどが共同提案。「いかなる状況下でも核兵器が二度と使用されないことが人類の利益」だと指摘した。

http://www.47news.jp/CN/201511/CN2015110301001286.html

核廃絶を訴えつつ、日本の為に核使用することは黙認するという「美しい国」の態度です。
まあ、昔からずっとこうですけどね。

ちなみに五大核保有国中、核の先制不使用を宣言しているのは中国だけ*2ですから、現実的かつ宣言政策的に日本にとって「核の傘」が有効な相手はロシアしかありません。

中共政府は,中共がいかなるときにもいかなる状況においても,核兵器を先きに使用することはないことを厳粛に宣言する。

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPCH/19641017.O1J.html