日韓首脳会談・日韓メディアでニュアンスの異なる報道

upは2/11。
日本の朝日新聞報道と韓国の中央日報報道から。

北朝鮮問題

朝日新聞:「北朝鮮に対する圧力強化について文大統領と確認した」

 安倍晋三首相は9日午後、訪問先の韓国・平昌(ピョンチャン)で文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。その後、記者団に対して「北朝鮮拉致問題、核・ミサイル問題の解決に向けて具体的な行動をとるよう、引き続き日韓米の緊密な連携のもとに強く働きかけていきたい」と強調。北朝鮮に対する圧力強化について文大統領と確認したことを明らかにした。
 会談は平昌冬季五輪の開会式出席に合わせて五輪会場近くのホテルで1時間行われた。首相は記者団に対し、対北朝鮮政策について「対話のための対話には意味がありません」と文大統領に伝えたと説明。「国連安保理の制裁決議をすべての加盟国が順守し、圧力を最大限まで高めていく必要がある。日米で完全に一致した確固たる方針を、文大統領と改めて確認した」と語った。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000075-asahi-pol

中央日報:「『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決」「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」

「特に、韓国政府は今回の平昌(ピョンチャン)『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決して韓半島朝鮮半島)に恒久的な平和を定着させるための糸口を見つけるために努力している」として「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」と強調した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000052-cnippou-kr

安倍首相が「北朝鮮に対する圧力強化」を訴えたのに対し、文大統領は「『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決」する方針を示した上で、安倍首相に対して「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」といなしています。
会話としては、かみ合っておらず、「圧力強化」を訴えた安倍首相が文大統領に余裕でかわされ、「積極的」な「声援」を「感謝」される始末という。

慰安婦問題

朝日新聞:「「最終的かつ不可逆的に解決した合意であり、国と国との約束は二国間関係の基盤だ」と強調」

 日韓慰安婦合意については「最終的かつ不可逆的に解決した合意であり、国と国との約束は二国間関係の基盤だ」と強調。こうした日本の立場について文大統領に対して「明確にかつ詳細にお伝えしました」と述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000075-asahi-pol

中央日報:「これまで数回にわたって明らかにしたように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しようと思う」

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は全ての発言で「これまで数回にわたって明らかにしたように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しようと思う」とし「このため、シャトル外交を回復して改善するなど首脳レベルの緊密な疎通を強化しようと思う。両国が気の合う真の友人になることができることを望む」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000052-cnippou-kr

記事からは具体性のある文言が見られません。
安倍首相が「最終的かつ不可逆的に解決した合意」だと主張したのに対し、文大統領が「歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しよう」と返している感じです。
もし安倍首相が会談内で、明確に少女像撤去を要求したのだとしても、するっと交わされたように思えます。

まとめ

いずれにせよ、北朝鮮問題・慰安婦問題ともに身のある会談にはならなかったようですね。

まあ、韓国にとっては朝鮮半島での戦争を回避することが国益ですが、日本にとっては朝鮮半島での戦争を煽ることが国益・党益なわけですから、朝鮮半島問題で一致しないのは仕方のない話です。



<韓日首脳会談>文大統領「歴史を直視し、力を合わせて未来志向的協力を推進」

2/9(金) 17:48配信 中央日報日本語版
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相による3回目の韓日首脳会談が9日、江原道平昌郡龍坪(カンウォンド・ピョンチャングン・ヨンピョン)で開かれた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は全ての発言で「これまで数回にわたって明らかにしたように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しようと思う」とし「このため、シャトル外交を回復して改善するなど首脳レベルの緊密な疎通を強化しようと思う。両国が気の合う真の友人になることができることを望む」と話した。
引き続き「特に、韓国政府は今回の平昌(ピョンチャン)『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決して韓半島朝鮮半島)に恒久的な平和を定着させるための糸口を見つけるために努力している」として「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」と強調した。
文大統領は「特に、今年は金大中(キム・デジュン)元大統領と小渕恵三元首相が21世紀の新しい韓日パートナーシップに対する共同宣言を発表して20周年になる年」として「節目の年を始めながら今日の会談で虚心坦壊な意見交換を通じて韓日間未来志向的な関係発展を推進するための基盤を強固に固めていくことを希望する」と強調した。
安倍首相は「北朝鮮問題に対して韓国と日本、そして韓日米国間に緊密な協力関係を再確認すると同時に、韓国と日本の未来志向的で新しい関係構築のために率直に意見を交わしたい」と説明した。「平昌五輪の成功が東京五輪の成功につながってほしい」として「そのために共に協力していくことができる」と明らかにした。
会談には日本側からは安倍氏のほか官房副長官西村康稔氏、首相補佐官長谷川榮一氏らが、韓国側からは文氏のほか外交部長官の康京和(カン・ギョンファ)氏、国家安保室長の鄭義溶(チョン・ウィヨン)氏、駐日大使の李洙勲(イ・スフン)氏らがそれぞれ出席した。
安倍氏は平昌への出発直前、首相官邸で取材陣に対し、「日韓合意について、改めて日本の立場を明確に伝えたい」とし「未来志向の日韓関係にしていくべきと強く訴えていく」と明らかにしていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000052-cnippou-kr

北朝鮮「対話のための対話に意味なし」 首相、文氏に

2/9(金) 18:15配信 朝日新聞デジタル
 安倍晋三首相は9日午後、訪問先の韓国・平昌(ピョンチャン)で文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。その後、記者団に対して「北朝鮮拉致問題、核・ミサイル問題の解決に向けて具体的な行動をとるよう、引き続き日韓米の緊密な連携のもとに強く働きかけていきたい」と強調。北朝鮮に対する圧力強化について文大統領と確認したことを明らかにした。
 会談は平昌冬季五輪の開会式出席に合わせて五輪会場近くのホテルで1時間行われた。首相は記者団に対し、対北朝鮮政策について「対話のための対話には意味がありません」と文大統領に伝えたと説明。「国連安保理の制裁決議をすべての加盟国が順守し、圧力を最大限まで高めていく必要がある。日米で完全に一致した確固たる方針を、文大統領と改めて確認した」と語った。
 日韓慰安婦合意については「最終的かつ不可逆的に解決した合意であり、国と国との約束は二国間関係の基盤だ」と強調。こうした日本の立場について文大統領に対して「明確にかつ詳細にお伝えしました」と述べた。(久木良太、松井望美)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000075-asahi-pol

[平昌五輪]文大統領 安倍首相に「歴史直視を」=未来志向の協力では一致

2/9(金) 18:10配信 聯合ニュース
【平昌聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と平昌冬季五輪の開会式に出席するため韓国を訪れた安倍晋三首相は9日午後、五輪会場近くの竜平リゾートで首脳会談を行った。文大統領は「心が通い合う真の友人になることを心から願う」として、「歴史を直視しながら総理と共に知恵と力を合わせ、両国の未来志向の協力を推進したい」と述べた。
 また、「シャトル外交を再開するなど、首脳レベルの緊密な意思疎通を強化したい」と呼びかけた。
 安倍首相の訪韓は韓中日の3カ国首脳会談が開かれた2015年11月以来で、文政権発足後は初めて。文大統領との会談は17年9月7日、ロシア・ウラジオストクで会って以来となる。首脳会談は3回目となる。
 文大統領が「歴史の直視」に言及したのは、前政権で交わされた旧日本軍の慰安婦問題を巡る日本との合意を認めない方針を示したことに日本政府が強く反発していることをけん制するメッセージとみられる。
 金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が発表した「韓日共同宣言」が今年で20周年を迎えることにも触れ、「意味深い年を迎え、会談で虚心坦懐(たんかい)に意見交換し、未来志向の関係発展を推進するための強い基盤を築くことを望む」と強調した。
 北朝鮮問題については、「平昌五輪を機に、北の核問題を解決し、朝鮮半島の恒久的な平和定着に向けた糸口を見いだすために努力している」として、「(対北朝鮮で安倍首相が)多大な関心を示し、積極的に声援を送ってくれたことに感謝する」と述べた。
 文大統領は「平昌に続き、2020年に東京五輪、22年には北京五輪が開かれる」とし、「北東アジアで五輪が連続して開催されることには格別な意味があり、韓日中3カ国が五輪のために緊密に協力し、互いに助け合うことで両国関係の発展と3カ国の国民間の友好的な感情の広がりはもちろん、世界人類の平和・和合・共同繁栄に寄与できるよう緊密に協力していくことを希望する」と述べた。
 また、安倍首相の訪韓により、両国と国民間の交流を強化する流れができたとして感謝の意を示し、2年後の東京五輪の開催成功のために韓国政府も積極的に協力すると伝えた。
 これを受けて安倍首相は北朝鮮問題について韓日、韓日米の間で緊密な協力関係を再確認すると同時に、韓国と日本の未来志向的で新たな関係構築のために率直に意見交換したいと表明。平昌五輪の成功に協力するため、開会式に出席することにしたと伝えた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000068-yonh-kr

安倍首相、日韓合意履行を要求=対北朝鮮で連携確認―文大統領と会談

2/9(金) 16:37配信 時事通信
 【平昌時事】安倍晋三首相は9日午後、平昌冬季五輪の開会式出席に先立ち、韓国の文在寅大統領と会場近くのホテルで会談した。
 首相は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった2015年の日韓合意を着実に履行するよう要求。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮問題では、日米韓3カ国の連携を確認した。
 会談で首相は慰安婦問題について、日韓合意に関する日本の立場を説明。会談後、首相は記者団に「国と国との約束は2国間関係の基盤だ」と述べ、未来志向の日韓関係構築には、合意の履行が不可欠との認識を示した。
 北朝鮮問題に関して、首相は「対話のための対話には意味がない」と文氏に指摘。「北朝鮮側から対話を求めてくるよう圧力を最大限まで高める必要がある。日米で確認したこの方針を文大統領と確認した」とし、「日米韓3カ国の強固な協力関係は決して揺らぐことはない」と強調した。 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000110-jij-pol