「平壌オリンピック」というネガキャンの流れ

時系列的には、2018年1月19日の小池百合子東京都知事発言が政治家レベルでの最初っぽい感じ*1。それが韓国に波及し、韓国野党の自由韓国党*2の議員が1月20日にSNSで使用。そして1月22日には自由韓国党代表の洪準杓(홍준표)氏が「平壌オリンピック(평양 올림픽)」という用語で、文政権攻撃に利用しています*3
これが文政権の支持率をかなり低下させています。

日本メディアの論調は自由韓国党や韓国保守メディアの論調に近く、韓国野党・自由韓国党による政権攻撃のネガキャンがそのまま日本で報じられているような感じですね。例えば、長谷川幸洋氏の「韓国は在韓邦人を「人間の盾」にするつもりかもしれない」なんて自由韓国党の主張とうり二つ。

それはさておき、韓国内でもさすがにハンギョレあたりが、自由韓国党によるネガキャンを「度を越している」と批判しています*4

で、大統領府もこんな感じのコメントを発して反論(機械翻訳)。

평창 올림픽 관련 박수현 대변인 입장문 2018-01-23

대한민국 평창은 세 번의 도전 끝에 동계올림픽 개최지가 되었습니다. 1988년 서울 올림픽 이후 30년 만의 경사입니다.
대한민국 국민이라면 누구나 세계인의 축제인 올림픽 성공을 염원할 것입니다.
동계 올림픽을 준비해 온 강원도민, 평창·강릉 주민, 2만여 자원봉사자, 그리고 선수단의 노고는 특별한 격려와 응원을 받아야 마땅합니다.

大韓民国、平昌(ピョンチャン)は3度の挑戦終わりに冬季オリンピック開催地になりました。 1988年ソウル オリンピック以後30年ぶりの傾斜(慶事)です。
大韓民国国民ならば誰でも世界の人の祭りであるオリンピック成功を念願するでしょう。
冬季オリンピックを準備してきた江原道(カンウォンド)民、平昌(ピョンチャン)・江陵(カンヌン)住民、2余万ボランティアメンバー、そして選手団の労苦は特別な激励と応援を受けてこそ当然です。

불과 한 달 전까지만 해도 한반도에는 일촉즉발의 긴장이 감돌았습니다. 올림픽 성공은 고사하고 제대로 개최할 수 있을까 하는 우려도 높았습니다.
문재인 정부의 ‘대화를 통한 한반도 위기 해소’ 노력은 북한의 올림픽 참가로 이어졌습니다. 평창 동계올림픽은 한반도 평화를 넘어, 동북아의, 그리고 세계의 평화를 앞당길 마중물이 될 것이라고 확신합니다. 그래서 평창 올림픽은 평화 올림픽입니다.

わずか一月前までも韓半島には一触即発の緊張が漂いました。 オリンピック成功はさておきまともに開催できようかと思う憂慮も高かったです。
ムン・ジェイン政府の‘対話を通した韓半島危機解消’努力は北朝鮮のオリンピック参加につながりました。 平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック韓半島平和を越えて、東北アジアの、そして世界の平和を操り上げる呼び水になることだと確信します。 それで平昌(ピョンチャン)オリンピックは平和オリンピックです。

그러므로 여기에 ‘평양 올림픽’이라는 딱지를 붙이는 것은 이해할 수 없습니다. 2014년 인천 아시안게임에 북한 선수단이 참가했고, 북한 응원단이 왔으며, 북한 고위급 대표단이 경기를 참관했습니다. 하지만 그 누구도 ‘평양 아시안게임’이라 부르지 않았습니다.

したがってここに‘平壌ピョンヤン)オリンピック’という紙切れを付けるのは理解できません。 2014年仁川(インチョン)アジア競技大会北朝鮮選手団が参加したし、北朝鮮応援団がきたし、北朝鮮高位級代表団が景気(競技)を参観しました。 だが、その誰も‘平壌ピョンヤンアジア競技大会’だと呼ばなかったです。

“국가 또는 지방자치단체가 대회를 통해 남북 화해와 한반도 평화 증진에 노력해야 한다”, “국가 또는 지방자치단체는 남북 단일팀 구성 등에 합의가 이뤄지면 행정적‧재정적 지원을 할 수 있다.”
2011년 여야가 합의 처리한 평창올림픽특별법 주요 내용입니다.

“国家または、地方自治体が大会を通じて南北和解と韓半島平和増進に努力しなければならない”、“国家または、地方自治体は南北単一チーム構成などに合意がなされれば行政的?財政的支援ができる。”
2011年与野党が合意処理した平昌(ピョンチャン)オリンピック特別法主な内容です。

“동계올림픽이 세계 유일의 분단국인 대한민국의 평창에서 개최될 경우 동북아 평화와 인류 공동번영에 크게 기여함과 동시에, 국제올림픽위원회가 지향하는 세계평화와 화합이라는 올림픽정신 구현에 크게 기여할 것이다.”
2010년 여야가 합의 처리한 평창유치결의안 내용입니다.

冬季オリンピックが世界唯一の分断国である大韓民国の平昌(ピョンチャン)で開催される場合、東北アジア平和と人類共同繁栄に大きく寄与するということと同時に、国際オリンピック委員会が指向する世界平和と和合というオリンピック精神の実現に大きく寄与するだろう。”
2010年与野党が合意処理した平昌(ピョンチャン)誘致決議案内容です。

우리는 그 때 그 정신으로 돌아가야 합니다. 동계 올림픽의 개최국으로서 손님들을 따뜻하게 맞이하고, 모두가 즐겁게 즐길 수 있도록 준비합시다. 품격있는 주인으로서 손님들을 당당하게 맞이합시다.
평창 동계올림픽의 성공적 개최에 너와 내가 따로 있을 수 없으며, 국민 모두가 힘을 모아야 합니다. 평창 올림픽 성공의 바람이 차이와 차별을 넘어 평화 올림픽으로 가도록 마음과 지혜를 모아주십시오.

私たちはその時その精神に戻らなければなりません。 冬季オリンピックの開催国としてお客さんを暖かく迎えて、皆が楽しく楽しめるように準備しましょう。 品格ある主人としてお客さんを堂々と迎えましょう。
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの成功的開催に君と私が別に有り得なくて、国民皆が力を集めなければなりません。 平昌(ピョンチャン)オリンピック成功の風が差と差別を越えて平和オリンピックに行くように心と智恵を出し合ってください。

http://www1.president.go.kr/articles/2126

自由韓国党の前身政党も含めて決議・合意した、2010年の誘致決議や2011年の特別法の内容からいっても、北朝鮮の参加は歓迎すべきだろうという指摘ですね。
正論とは思いますが、韓国の反共保守派には響かないだろうなとも思います。
もちろん日本社会も日本メディアにも響かないんでしょうけど、それはわかりきったことなので。