まあ、趣旨に賛同した上で希望しているのなら、拒むわけにもいくまいが・・・。

この件。
s://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181023-00000077-jij-pol>

今井氏が立憲会派入り=衆院

10/23(火) 16:27配信 時事通信
 立憲民主党は23日、国民民主党に離党届を出していた今井雅人衆院議員の会派入会を衆院事務局に届け出た。
 国民民主党は同日、今井氏の会派離脱届を提出した。衆院の新たな勢力分野は次の通り。
 自民283▽立憲・市民クラブ58▽国民・無所属クラブ37▽公明29▽無所属の会13▽共産12▽維新11▽社民・市民連合2▽希望2▽未来日本2▽自由2▽無所属13▽欠員1。 

財務省陰謀論

“悪の元凶たる財務省があの手この手で消費増税を画策しているのを、安倍首相や麻生財務相が必死に食い止めている”的な三流小説にもならない荒唐無稽なおとぎ話をよく見かけますね。

当たり前ですけど、財務省は財政規律を重んじ、財政健全化を求めています。
だって「健全な財政の確保」を任務として設置したのが財務省なんだから当然ですよね。

財務省設置法

第三条 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=411AC0000000095_20171001_429AC0000000038&openerCode=1

それが気に入らないなら、財務省設置法第3条から「健全な財政の確保」を削ればいいだけです。衆参両院で過半数を押さえている自民党なら容易にできる話です。

“国の借金は資産があるのだから問題ない”と言ってる人もいます。
でも財政法にはこう書かれています。

財政法

第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
第十一条 国の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000034

単年度会計とすることを定め、建設国債以外の赤字国債で予算を組むことを禁止しています。現在、赤字国債が発行されているのは毎年特例法を作っているからに過ぎません。毎年特例法で赤字国債を発行しなければならない状態は「健全な財政」とは言えないでしょう。実際、民主党菅政権の時、野党自民党は倒閣目的で赤字国債の特例法成立を妨害し、執拗に震災対応している菅首相の首を狙いつづけ、2011年8月に退陣に追い込んでいます。
「健全な財政の確保」を任務としている財務省としては、赤字国債特例法が成立しなかったとしても困らないように財源を確保し、歳出を抑えようとするのもこれまた当たり前のはなしです。公務員というのは基本的に法律の通りに動こうとしますから、財務省官僚が法律に忠実であろうとすれば、当然そうなるんですね。
つまり、検事が被告人を追及し、弁護士が被告人を弁護するように、課せられた役割を果たそうとしているに過ぎないわけです。

それが気に入らないなら、やはり法律を変えればいいだけです。
財政法第4条を改正して赤字国債を認めたり、単年度会計を改めて臨時軍事費特別会計のごとく一会計年度を複数年にまたがるようにしたりすれば、財務省増税やら緊縮やらはあまり言わなくなるでしょう。もちろん、そんな野放図なことをやれば財政規律が崩壊して破綻するでしょうが、公務員というのは目先の法律に従ってさえいれば、だいたい満足する性質を持っていますから、自分が破綻の責任者にならない限り、その辺は許容するでしょう。

ですが、政治側もそんなことをやったりしませんね。
政府自民党財務省も、財政法第4条を完全に満たしている状態が「健全」であることはわかっていて、その上で政治側は自分の代で破綻しなければいいという認識で赤字国債を許容し問題を先送りし、財務省は野放図に赤字国債が膨らむことを阻止しようとして生じた程度の対立に過ぎません。政治側があくまでごり押ししてきたら、財務省側はよほど法律に抵触するような要求でもない限り、逆らえません。だから、赤字国債だって特例法を作られて認めるしかなかったわけですし、その赤字国債の累積額もじりじりを増加されるのを受け入れる以外になかったわけです。

モリカケ問題で財務省が安倍政権に貸しを作った(から消費増税せざるを得ない)”なんてこともあり得ないですね。
そのような「貸し」があったとして、それでも安倍政権が消費増税を延期した場合、財務省が不正の証拠をリークするなんてのは夢物語ですしね。だいたいモリカケ問題の最初の時期から、財務省は安倍首相を守るために自ら公文書改竄に手を染めてましたからねぇ。具体的な事実を見れば、どう見たって財務省は相当初期から安倍政権の言いなりでしたから、“安倍政権と財務省が対立している”なんて構図が出てこようはずがないでしょうに。



虚偽DVを認定した地裁判決

ここで触れた話題について、そういえば以前書こうと思って準備してたけどタイミング逃してお蔵入りにしてたと思い出しましたので。
以下、2018年5月ごろに準備してた内容です。

    • -

離婚・別居後の親子引き離しにDV防止法が悪用されているという指摘は以前からありましたが、地裁とは言え司法でそれが認定されるとは思いませんでした。
ざっと見た感じ、産経と毎日が報じています*1
虚偽DV 親権のための法的テクニック 社会問題化「制度見直すべきだ」(5/8(火) 7:55配信 産経新聞)
<名古屋地裁>「誇張のDV被害、妻が面会阻止目的で申告」(5/8(火) 22:06配信 毎日新聞)

異例の判決が出ただけあって、記事を読む限りでもかなり悪質で、かつ悪い意味での慎重さを欠いた事件のようです。
事件の時系列は、妻が長女を連れて別居したが、夫の申立により家裁が面会交流の実施を命じたのが2014年。ところが2016年に妻がDV被害を主張し、警察・行政はDV防止法に基づく住所秘匿を行い、面会交流が阻止された、というものです。

別居期間中に住所秘匿が必要なほどのDVが行われた可能性は普通に考えて低いと言わざるを得ず、別居以前からDVがあったなら2014年の面会交流裁判の際に既に主張が出ているはずというのが普通の感覚ですから、「DV被害は事実無根と言えないが誇張された可能性はあり、妻が面会阻止目的で申告した」という家裁の認定はまあ妥当なものだと思います。
そして、2014年に一度面会交流実施の判決が出ていることもあり、地裁としても判断しやすかったと思われます(少なくとも2014年の時点で、面会交流を禁止するほどのDVは無いと家裁が判断したということですから)。

この裁判で重要だと思うのは、DV防止法の運用上の問題点が明らかになった点です。
DV防止法による保護はその性質上、申請者を即時に受け入れる必要があり認定に時間をかけるわけにはいきません。DV被害を受けている人にとっては、そのわずかな時間でも危険だからです。「警察官は「女性がDVを訴えたら認定する」と発言」というのは、「警察は申請を却下した後に事件などが起き、責任追及されるのを恐れるため」(上野晃弁護士)という理由もありますが、DVの性質を考慮すると、それ自体はやむをえないところがあるでしょう*2

ただ、入り口での認定は広くても保護開始後はDVの主張が妥当だったかの検証は必要で、そうでなければDV加害者とされた者は再審の無い欠席裁判で加害者認定されてしまうことになります。
ですから、福田千恵子裁判長の「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」という指摘はもっともな内容です。

DV防止法が欠席裁判のようなやり方をなぜ認めているのかというと、おそらくは、“妻がDV被害を訴えている以上、それが事実であろうが無かろうか夫婦としては破綻していることに違いはないので保護という引き離しをすることは正当であり、夫にも何ら刑事罰が科されるわけではなく離婚した場合と同等の引き離しだけであり人権が侵害されることはないので、DVが事実かどうかを検証することに意味は無い”*3という認識があったんではないかなと思っています。

しかし、それが離婚時に子どもの親権を確実に取るためのテクニックとして悪用されたわけです。

それでも、“離婚して親権を失えば、親子の縁は切れる”という日本の文化的背景*4から、DV防止法を悪用した親子引き離しについても“夫に対する刑事罰ではなく夫の人権が侵害されているわけではない”という認識を援用して放置されているのが現状です。
DVの事実を否定しても、警察も行政も裁判所もろくに調べることもなく、DV支援制度に基づき、妻の元に子どもがいるという現状のまま、親権者指定の判断が下され、現状優先の原則と母性優先の原則からほとんどの場合、妻側に親権が認められ面会交流も著しく制限されるという結果になります。

さすがにそういったテクニックは問題であるとして「支援制度悪用が社会問題化している。加害者とされる者にも配慮する制度設計があるはずで、検討が期待される」という判断が地裁ながら下ったということになります。



*1:この手の話題だと、朝日が弱く、産経や毎日が比較的強い印象です。

*2:一応、DV防止法8条の2には警察は被害者からの「申出を相当と認めるとき」に必要な援助を行うとあり、相当かどうかの判断が必要です。それを踏まえると上野弁護士の言う「責任追及されるのを恐れるため」何でもかんでも「相当と認める」傾向があることがわかりやすくなります。http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=413AC1000000031&openerCode=1

*3:ちなみに、ここで妻・夫を固定しているのは意図的です。DV防止法は前文で「配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり」と述べ、現実的にDV防止法に基づく支援はほとんどの場合女性のみを対象としています。

*4:法的には親子の縁が切れることはなく、扶養の義務が行き続けることになります。その結果、事実上は親子の縁を切るような対応が是とされながら、法的には扶養の義務のみが課され続けるという状況すら発生するわけです。要するに、親として

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「GPSによる位置情報取得」だけなら処罰されるべきではないと思う

この件。

ストーカー GPSで情報取得、規制は可能か 割れる司法判断

2018年10月4日
 別居中の妻の車にGPS(全地球測位システム)機器を取り付けて居場所を確認したなどとして、ストーカー規制法違反に問われた男の裁判で、福岡高裁が9月20日、GPSによる位置情報取得は同法が規制する「見張り」に当たらないとの判断を示した。40代の被害女性は夫の暴力から逃れた先をGPSによって繰り返し突き止められていた。判決後、毎日新聞の取材に応じた女性は「判決には納得できない」と語った。
(略)

https://mainichi.jp/articles/20181004/mog/00m/040/001000c

詳細がわからないのですが、「車にGPS(全地球測位システム)機器を取り付けて居場所を確認した」ことをストーカー規制法上の「見張り」だと解釈するのはちょっと無理があると思います。

ストーカー規制法
(定義)
第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412AC1000000081&openerCode=1

むしろ本件の場合、2号の「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」とか、あるいはGPSで知った情報をもとに「待ち伏せ」していたと言う意味での1号に抵触するんじゃないかと思うのですが、そちらの方での訴えは無かったのかなぁという疑問。
ですので、無罪判決が出たというならおかしいと思いますが、そうではなくて訴因の一部について、検察側の解釈が認められなかったというのなら、それほどおかしな判決とは思えません*1

追及するべきは何点かありますが、GPSを取り付けること自体については民事的にプライバシーの侵害を問うことくらいしかできません*2ので、この辺については、不当な目的を持ってGPSを取り付ける行為を処罰できるようにした方が良いように思います*3
また、GPSで得た情報をもとに、1号に相当する行為を行えば、それについては「つきまとい等」と当然みなされるべきでしょう。さらにGPSで監視していることを「知り得る状態」にした場合も同様です。本件の場合も、GPSで監視されているとしか思えない状態だったわけですから、「知り得る状態」だと解釈されるべきだと思います。

ただ、「GPSによる位置情報取得」だけで、1号の「見張り」に該当すると解釈するのはおかしいですし、すべきでもないと思います。
ストーカー規制法における「つきまとい等」の定義は全て被害者に認知される状態であることを前提としていますので、被害者に認知されない状態であれば、それが処罰されるのは法律の趣旨に反するんじゃないですかね。

むしろ福岡地裁はよく「GPSによる位置情報取得も見張りに当たると判断した」なぁ、とか思います。

2017年2月の似たような事件でも、「GPSによる位置情報取得」自体ではストーカー規制法に抵触しないものの、「インターネットの掲示板に彼女の行動を監視していると思わせる投稿をしていた」ことが、「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」に抵触すると判断されています。



*1:別の報道によると、実際に目視で見張った行為についてはストーカー規制法違反とされ、懲役8か月となったようですが。https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-12406727753.html

*2:器物損壊とか不法侵入とか無いことは無いですが。

*3:利用者の安全のためや明らかな不法行為を防止するためなどの正当な目的による場合は免責できるようにする必要があるでしょうが

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立憲民主党が安倍政権による消費増税実施表明を批判した論理

安倍首相が10%への消費増税実施を表明した10月15日に、立憲民主党は枝野代表の記者会見内容をアップしています。
消費増税「この段階で決めることに全く理解できない。2度延期した状況と何も変わっていない」枝野代表(2018年10月15日)

 枝野幸男代表は15日夕、都内でラジオ番組出演後に記者団の取材に応じ、安倍総理が同日の臨時閣議で表明した2019年10月に消費税率を10%に引き上げる方針などについて答えました。

Q:(消費増税)消費税率10%に引き上げを閣議で表明したことについて

A:この段階でそれを決めることについて全く理解できません。中長期的な意味でも、消費不況の状況から脱却できていません。心理的な要素の大きい消費不況の状況で消費税を上げれば経済に大変大きな打撃を与える。それは2度自民党政権が延期をした状況と何も変わっていない。なのになんで今回は上げるのか。しかも足元では、アメリカの株価が大きく下がっているという状況で、世界経済全体に対するリスクが高まっているのに、ここでこういう判断を確定させるというのは理解できません。

https://cdp-japan.jp/news/20181015_0942

現状では消費増税できる状況ではないという指摘ですね。過去に2度安倍政権が延期した時と経済状況がどれほど違うというのか、というわけです。

Q:(消費増税民主党政権時代に10%への道筋をつけたが、今回先送りに対して反対。そのこと整合性については

A:社会保障の財源に充てるということが、実はお金に色はついていませんので、法人所得税であるとか、あるいは他の税目で税収が減っている分を穴埋めしていることになってしまっていて、結果的に社会保障の財源に充てるという約束が守られていない。したがって3党合意は前提が崩れていると思っています。

https://cdp-japan.jp/news/20181015_0942

こういう質問に対してもちゃんと答えていますね。2012年の3党合意の前提が崩れているという理由で実際その通りでしょう。

こういう発言に対して「増税を決めた当事者であるという事実を反省も謝罪もしないのはよくない」*1とか言ってる人もいますが、そういう人に限って、3党合意の当事者である自民党公明党には反省や謝罪を求めないんですよねぇ。


Q:(消費増税)消費税増税に関して、どのような対応をとるべきだとお考えでしょうか

A:番組の中でも申し上げましたが、勘ぐれば参院選挙の直前にやっぱり上げないと言い出すのではないかという見方もあります。これは中小の流通業者、小売業者の皆さんに様々な投資をこれから余儀なくさせるわけですから、そうなったときの責任は一層重いということも含めて、きちっと今上げる状況ではないということを迫っていって、1日も早く今日の閣議決定を撤回させることに向けて努力していきたいと思っています。

https://cdp-japan.jp/news/20181015_0942

参院選挙の直前にやっぱり上げないと言い出すのではないか」というのは、個人的には一番可能性が高いんじゃないかなぁと思ってます。安倍政権が2012年の3党合意にあった景気弾力条項を削除したのも、結果から見れば選挙利用目的で増税延期を利用するためでしたしね。

Q:(消費増税)キャッシュレス決済で2%還元するという案が盛り込まれていますが、これについては

A:まさにいつもやっている金持ち優遇じゃないですか。一番消費税で打撃を受けると思われる、例えば年金生活者の皆さんなどがカードを使って決済をすることに慣れていらっしゃるか。その人達に無理やりカードを作らせるのか。それからさらに言うと、少額の日常の買い物でカード決済をいちいちできるのか。なおかつ中小零細の小売業者がそれに対応できるのか。全く暮らしの足元を見ていない、草の根を見ていないことの象徴的な愚策だといわざるを得ません。

https://cdp-japan.jp/news/20181015_0942

この辺は社民党などとも共通する認識ですね。消費増税で打撃を受ける低所得層ではなく高所得層を優遇するという安倍式景気対策の矛盾です。

まあ、ネット民のどれほどがこの辺のことを理解しているのか・・・。


「消費税増税そのものは民主党政権時代に決められたもので、もしそのまま実行されていればとっくに10%に上がっていたはずのところ、安倍政権は二度延期したわけです。」とかいうデマ。

twitter.com
こんなことを言ってる人がいますが、2012年の3党合意時には景気弾力条項がありましたから、そんなわけないんですよね。

○消費税率の引上げに当たっての措置(附則第18条)

消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3%程度かつ実質の経済成長率で2%程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/180diet/sh20120330g.htm

したがって、2014年4月の消費税率8%への増税についても「施行の停止を含め所要の措置を講ずる」ことが出来ました。ところが2013年10月、安倍首相はこんなことを言って増税方針を表明したわけです。

 本日、私は、消費税率を法律で定められたとおり、現行の5%から8%に3%引き上げる決断をいたしました。社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するために、財源の確保は待ったなしです。だからこそ昨年、消費税を引き上げる法律に私たち自由民主党公明党は賛成をいたしました。
 ただし、直近のデータによれば、民間給与はわずかに上昇傾向に転じましたが、景気回復の実感はいまだ全国津々浦々までには波及してはいません。この中で増税を行えば、消費は落ち込み、日本経済はデフレと景気低迷の深い谷へと逆戻りしてしまうのではないか。結局、財政規律も社会保障の安定も悪い方向へと行きはしまいか。
 最後の最後まで考え抜きました。足元の日本経済はどうか。次元の違う三本の矢の効果で回復の兆しを見せています。2期連続で3%以上のプラス成長、有効求人倍率も0.95まで回復しました。生産も消費も、そしてようやく設備投資も持ち直してきています。15年間にわたるデフレマインドによってもたらされた日本経済の縮みマインドは変化しつつある。であれば、大胆な経済対策を果断に実行し、この景気回復のチャンスをさらに確実なものにすることにより、経済再生と財政健全化は両立し得る。これが熟慮した上での私の結論です。
(略)
 経済の再生と財政健全化、この2つを同時に達成するほかに、私たちには道はありません。本日決定した経済政策パッケージは、そのためのベストシナリオである、私はそう確信をしています。(略)

https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1001kaiken.html

安倍政権は「次元の違う三本の矢の効果で回復の兆しを見せています。2期連続で3%以上のプラス成長、有効求人倍率も0.95まで回復しました。生産も消費も、そしてようやく設備投資も持ち直してきています。15年間にわたるデフレマインドによってもたらされた日本経済の縮みマインドは変化しつつある。」という認識の下、「大胆な経済対策を果断に実行し、この景気回復のチャンスをさらに確実なものにすること」で8%への増税に耐えられると主張して、増税を決定したんですよね。

twitter.com
とか言ってる人は、なぜ安倍首相に対して「8%に上げたら影響が大きかった。増税を決めたのは誤りだった」と認めるように求めないんでしょうかね。
安倍首相は2013年10月1日の記者会見では記者からの質問に答える形で以下のように言ってます。

安倍総理
 税制抜本改革法において、2015年10月に10%へ消費税率を引き上げていくことが規定されておりますが、その引上げについては、改めて附則第18条にのっとって経済状況等を総合的に勘案して、判断時期も含めて、適切に判断していきたい、決断していきたいと考えています。

https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1001kaiken.html

安倍首相の総合的な判断は間違っていたわけですよね。なぜそれを批判しないかなぁ。

ちなみに民主党は安倍首相が2013年10月に8%への増税を表明した時点で既に批判しています。

 海江田万里代表は1日夜、党本部で記者会見し、安倍総理が同日夕に来年4月に消費税率を8%に引き上げる方針を表明したことを受けて発言し、民自公の3党で合意した消費税の増税分は社会保障と税の一体改革に充てるとされていた本来の使い道が間違った方向に行く懸念があることに危機感を示した。

https://www.dpj.or.jp/article/103280/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E5%A2%97%E7%A8%8E%E3%81%A7%E5%BE%97%E3%82%8B%E7%A8%8E%E9%87%91%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E9%81%93%E3%81%8C%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%96%B9%E5%90%91%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%8F%E6%87%B8%E5%BF%B5%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%80%E4%BC%9A%E8%A6%8B%E3%81%A7%E6%B5%B7%E6%B1%9F%E7%94%B0%E4%BB%A3%E8%A1%A8

社民党なんかはもっと明確に2013年10月1日付で「国民生活を破綻に追い込む消費税増税の撤回を求める(談話)」を出してますしね。

そして2014年、安倍政権によって景気弾力条項が無効にされました。

平成26年11月18日
安倍内閣総理大臣記者会見
安倍総理
 来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html

これ以降、消費増税延期は選挙の度に自民党の集票行為に利用されるようになりました。まず、2014年11月に10%への増税を1年半延期することを餌にして2014年12月の衆院選を行い、2016年5月にはさらに2年半延期する「新しい判断」を掲げて、2016年7月の参院選に利用しました。
消費増税延期は安倍政権の選挙のための道具に堕しましたが、そのため中止にもできず実施の条件として経済状況を課すことも出来なくなり、2019年10月には経済状況がどうであろうが、実施しなければならない状態に陥ったわけですよね。
安倍政権が景気弾力条項を無効にしなければ、再々延期だって与野党合意の上でできたでしょうに。

まあ、財務省陰謀論という神話を信じてるような人たちには理解できないでしょうが。




韓国の進歩派・保守派政党の国会議員が共に独島(竹島)に上陸

この件。

韓国国会議員らが竹島に上陸

10/22(月) 15:23配信 産経新聞
 【ソウル=名村隆寛】韓国与野党の国会議員らが22日、竹島島根県隠岐の島町)を訪問した。国会の教育委員会に所属する議員で、「独島(竹島の韓国での呼称)には韓国の歴史が息づいている」とし、島への上陸を予告していた。
 一行は訪問目的を「(竹島領有を主張する日本の)歴史教科書の歪曲(わいきょく)糾弾と正しい歴史認識の鼓吹」と主張している。
 韓国政府は今年7月、日本の高校の次期学習指導要領の解説書に「竹島は日本固有の領土」と教えることが盛り込まれたことに抗議した。また、韓国では今月25日が「独島の日」として定められており、「記念日」を前にした訪問の色合いが濃い。
 この日、竹島上陸に参加したのは国会教育委の李燦烈(イ・チャンヨル)委員長のほか、与党「共に民主党」、最大保守系野党「自由韓国党」に所属する超党派の議員ら13人。一行は竹島上陸後、現地の守備隊を激励するなどしたもようだ。
 韓国では今年5月にも国会議員らが竹島に上陸した。日本政府は今回も韓国に議員らの竹島上陸の中止を要求していた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-00000549-san-kr

個人的にはいたずらにナショナリズムを煽るパフォーマンスはやめてほしいんですけどね。
それはともかく、ここで注目したいのは、独島(竹島)上陸に参加したのが「与党「共に民主党」、最大保守系野党「自由韓国党」に所属する超党派の議員ら13人」であるという点。
進歩派・保守派問わず、領土問題では譲れないのであって、双方煽っても良いことは全く無いんですよね。むしろ現状を固定し妥協案を探りにくくなりますので、実効支配している側にとっては現状維持を続けやすくなるという利点があります。
尖閣諸島(釣魚群島)で日本側が中国に対して同じようなことをやっていますが、この手法は同時に紛争の火種を残すことになり、長期的にはメリットが無いんですよね。



会ったこともない知らん爺さんが家督を息子に譲ったとかにいちいち祝意を示す必要を感じない

個人の感想です、はい。

天皇陛下譲位で菅義偉官房長官「国民がこぞって祝意を示す」 来年5月1日と10月22日祝日に

10/12(金) 13:21配信 産経新聞
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は12日午前の記者会見で、皇太子さまの新天皇即位に伴い、安倍晋三首相が来年5月1日と10月22日を祝日とする方針を示したことについて「これまでの立法例を踏まえて検討を進め、可能な限り速やかに法案を国会に提出したい」と述べた。政府は秋の臨時国会に関連法案を提出する方針だ。
 首相は12日開かれた皇位継承式典委員会の初会合で、皇太子さまが即位される5月1日と、皇太子さまの即位を国内外に示す「即位礼正殿の儀」(即位の礼)が開かれる10月22日を祝日とする意向を表明した。菅氏は「国民がこぞって祝意を示すためだ」と説明した。
 菅氏は、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の「皇嗣(こうし)」となられることを示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」を再来年4月19日とした理由について、「一連の諸儀式が済み、主要な宮中行事の日程を避け、気候が穏やかさを増すような季節に執り行われることがふさわしいという意見が示されたことを踏まえた」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000544-san-pol

祝日にするのは構わないが、「国民がこぞって祝意を示すため」とか言われても知らんがな、としか。
やりたきゃ勝手にどうぞ。
ただし、こっちに強制しないでね、という話。同調圧力も勘弁、と。