山谷えり子氏らの捨て台詞

拉致問題解決のためにアメリカの協力を求めてワシントンDCまで行ったついでに、竹本直一古屋圭司衆院議員と山谷えり子塚田一郎参院議員ら4人の自民党議員がニュージャージー州パリセーズパーク(Palisades Park)市の市庁舎に押しかけました。
パリセーズパーク市は人口約2万人の小さな町で、韓国系アメリカ人が多く居住しています。当然韓国の話題に敏感で、韓国人に多くの被害者がいる従軍慰安婦問題にも関心を持っている人が多いようです。
そういった関心のある中で、日本軍慰安婦追悼碑がパリセーズパーク市の公立図書館前に建設されました。

右翼で歴史修正主義者でもある竹本議員、古屋議員、山谷議員、塚田議員の4名がパリセーズパーク市の市庁舎に押しかけた目的は、市長に圧力をかけて慰安婦追悼碑を撤去させようと言うものです。この手の人たちは、今までさんざん日本の教科書に文句言うな、内政干渉だ、と主張してきたはずですが、手のひらを返したように日本の議員がアメリカ地方自治体に対して内政干渉を行なっています。

当然のことながら、ロタンド(Rotundo)市長は山谷議員らの不当な要求をきっぱりと断っています。ロタンド市長が責任を負っているのはパリセーズパーク市民に対してであって、日本の右翼に対してではありませんので当然です。
まあ、その辺は山谷議員らもわかっていたのか、袖の下は用意していたようで、訪問直前の5月1日にニューヨークにいる広木重之総領事を通じて、慰安婦追悼碑を撤去すれば、若年者問題のための資金提供や公立図書館への日本文化に関する書籍の寄贈、パリセーズパーク市への桜の植樹などをロタンド市長に申し出ています*1
あざといことこの上ありませんが、さすがに既に完成している記念碑の撤去などをすれば、韓国系市民の支持を失うのは自明ですから手遅れとしか言いようがありませんね。

さて軽くあしらわれた山谷議員らですが、立ち去る時に捨て台詞を吐いています。具体的に何語でどのように言ったのかはわからないので、以下の二種類を上げておきます。

捨て台詞その1「まだ始まりにすぎない」

中央日報日本語版(2012年5月8日)

市当局の断固たる立場に日本議員は急いで席を外した後、「まだ始まりにすぎない」として今後も追悼碑撤去に向けて働きかけていく意向を表した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120508-00000003-cnippou-kr

捨て台詞その2「これが終わりではない、必ず戻ってくる」

ニューヨークデイリーニュース(2012年5月10日)

Rotundo said the borough council would not comply with either of their requests.
“They left saying this is not the end and they will be in touch,” Rotundo said.

http://www.nydailynews.com/new-york/queens/debate-comfort-women-memorial-puts-city-councilman-peter-koo-hot-seat-article-1.1075271

「be in touch」だと「連絡する」ですが、意味的に「必ず戻ってくる」とした方が面白いのでそうしました。

ちなみに

ところで、この山谷議員らによるパリセーズパーク市長恫喝行為に、産経新聞の犬塚陽介記者が同行したのかどうか不明ですが、少なくとも直後にロタンド市長に取材したらしいです。
しかし、犬塚記者の興味は、日本領事の撤去の条件としての利益供与の申し出や山谷議員らの捨て台詞ではなく、市の判断の元となった学識者の身元の詮索だったようです。

 ロトゥンド市長や韓国系のジェイソン・キム副市長は面会後に記者会見し、20万人という数字が増減する可能性はあるが、日本軍による拉致は「歴史上の事実であり、変えることはできない」と撤回を拒否。その根拠として、日本人1人を含む学識者4人の見解を重視したと語った。
 市側はその後産経新聞の取材に、日本人以外の3人の実名を公表したが、いずれも韓国系とみられる女性で、サンフランシスコ州立大の教授、著述家兼映像作家、市の調査時にエール大の博士課程に在籍していた学生だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120511-00000506-san-int

従軍慰安婦問題に詳しい人として学識者に韓国系の、それも女性が多いのは問題の性質上、当然と言えば当然ですが、嫌韓ヘイトに染まったレイシストには充分な餌になったようです。
しかし、それは日本の嫌韓レイシスト内部でしか通用しない常識に過ぎません。