インドにとっての日本・中国の経済的プレゼンス

JETROの資料です。

(単位:100万ドル)*1

輸出先 2010年 2011年
日本 4,708 5,553
中国 17,326 20,267
韓国 3,584 5,488
香港 9,504 8,212
シンガポール 8,826 17,272
全体 222,565 302,905

(単位:100万ドル)*2

輸入先 2010年 2011年
日本 8,071 10,925
中国 40,035 53,949
韓国 9,734 12,118
香港 7,614 10,734
シンガポール 7,155 7,989
全体 343,779 456,439

見て判るとおり、インドにとって、日本は貿易相手としては中国の4分の1程度のプレゼンスしかありません。日本との貿易規模は香港や韓国にすら劣る、あるいは同程度に過ぎません。
インドと中国は領土問題を抱えてはいるものの経済的には重要なパートナーになっています。ですから、インド首脳が以下のような態度を取るのは当然です。

中国の新指導部「歓迎」=包囲網には消極的−インド外相

 【ニューデリー時事】インドのクルシド外相は21日、時事通信など日本メディアと会見し、中国の習近平新指導部について「最初の兆候はインドと意義ある関係を築きたいというものだ。対話を深めたいという兆候を歓迎する」と述べた。
 インドは1962年に北東部で中国と国境紛争を起こし、現在も緊張関係を抱えている。その一方、最大の貿易相手国である中国を刺激する言動は控えている。外相発言には、習指導部への警戒と歓迎の両面が反映されていると言えそうだ。
 クルシド外相はまた、安倍晋三首相が中国への懸念を共有する国々との連携拡大を目指していることについて「さまざまな国々の戦略計画の言い回しは皆、中国にとらわれている。インドは中国だけに焦点を当てることはない」と述べ、「中国包囲網」とは距離を置く姿勢を示した。インドは独立以来、非同盟主義を掲げる国として知られる。 (2013/03/21-18:32)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013032100833

もちろん中国一辺倒になるのは避けたいでしょうから、日本など他の国との連携も模索はするでしょうが、それは他国と連携して中国に対抗する、包囲するといった脳内大戦略思考とはかけ離れています。それを理解できないと下記のようなバカ発言を歓迎してしまうイタイことになります。

「中国とスムーズにいった歴史ない」麻生副総理 日印米豪の協力強調
2013.5.5 01:12 [中国]
ニューデリー=岩田智雄】インドを訪問した麻生太郎副総理兼財務相は4日、ニューデリー市内で講演。日中関係について、「インドは陸上で中国と国境を接し、日本は海上で接触を持っているが、われわれは過去1500年以上の長きにわたり、中国との関係が極めてスムーズにいったという歴史は過去にない」と述べた。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130505/asi13050501140001-n1.htm

この麻生財務相の発言は、外交名目で外国に行って国内向けに閉じた発言をする、というおよそ政治家としては恥知らずもいいところの政治屋活動と言えます。
こんな馬鹿げた外遊費用こそ税金の無駄遣いでしょうね。