日韓通貨スワップ協定30億ドル分の行方

日韓通貨スワップ協定「延長は6月末に結論」=韓国政府
サーチナ 6月11日(火)13時52分配信

 韓国企画財政省の関係者は11日、7月に期限を迎える日韓通貨交換(スワップ)協定について、協定延長を行うかどうか6月末ごろに結論を出すと明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。
 政府関係者は、「日韓両政府は通貨スワップ協定の延長について検討している」とし、「両国間の実務協議を経て6月末ごろに結論が導き出されるだろう」と話した。
 日韓通貨スワップ協定は2008年にスタートし、一時は限度額が130億ドルから700億ドルまで引き上げられた。12年8月に李明博(イ・ミョンバク)前大統領が竹島に上陸した後、両国の関係が悪化したことで拡充策を取りやめた経緯がある。現在の総枠130億ドル相当のうち、30億ドル分が7月3日に期限を迎える。
 ただし、30億ドル分が延長されなくても、日中韓と東南アジア諸国による通貨スワップ協定チェンマイ・イニシアチブ)により、残りの100億ドル分は継続される。また、現在韓国は中国と560億ドル相当の通貨スワップを締結している。
 協定延長について、韓国国内では円安を基盤とするアベノミクスが不安定な状態にある中で、韓国が先に延長要請する必要はないとの分析もあるという。
 韓国メディアは、政府関係者などの話から「今のところ延長される可能性は高くない」との見方を伝えた。(編集担当:新川悠)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130611-00000026-scn-kr

まあ、表面に出ている日韓関係の報道を見る限り、7月3日で終了しそうな感じですね。
昨年2012年10月に日本財務省・韓国銀行間のスワップ300億ドル及び日本銀行・韓国銀行間のスワップ拡大分270億ドルの合計570億ドル相当が延長されなかった時点で、韓国側から延長を申し出ていません*1から、今回、日本銀行・韓国銀行間スワップ30億ドルでも延長を申し出なければならないような切迫した状況にあるとは思えません。
そもそも通貨の共同防衛の枠組みでしかない通貨スワップ協定を日本からの恩恵であるかのように理解している日本側、ひどいのになると「日本が韓国に700億ドル貸している」というデマまで出た日本社会の病的な差別意識が問題です。その差別意識を民主政権下で政局に利用してきた右翼勢力を放置してきた結果、あるいは政権に復帰させた結果として、今は自民政権の対韓外交の手を束縛しているわけですから皮肉というか身から出た錆というか・・・。
外交当局者としては、こういった機会を利用して政経分離してでも日韓関係改善を図りたいところでしょうが、日本側から言い出すことも出来ず手詰まり感が否めません。右翼政治家らにとっても、慰安婦問題が顕在化している間は国内の目が気になって強硬な態度を維持せざるを得ないでしょう。
言うまでも無く韓国側当局者にとっても関係改善を望んだとしても、慰安婦問題に関して日本の政治家らの暴言や極右団体のヘイトスピーチが止まない状況下では日本同様政治的に無理があります。

結局のところ、日本人の差別意識が日韓関係を悪化しているわけですが、先も周囲も見えないレイシストらにとっては望ましい状況でしょうが現実の日本社会にとってはデメリットばかりです。レイシスト以外の日本人も彼らレイシストのために不利益をこうむることになるでしょう。

韓国側にとって死活的ではないだけに、延長要請に踏み切る可能性は高いとはいえないが、日本政府には協定延長交渉を両国関係の改善に向けた糸口にしたいとの期待もあり、朴政権の動きに注目している。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130609/plc13060901350000-n2.htm