日韓政府間合意関連の年末年始にかけての文政権対応を評価した個人的な理由

“今回の韓国政府の対応は批判すべき”みたいな発言をちょいちょい見かけたのですが、個人的には全く賛同できないんですよね。
もちろん、合意を破棄すべきと主張している元慰安婦らに寄り添うためにも破棄すべきだった、という意見には同意できるところも多いのですが。それとは逆方向の理由で批判している意見には全く賛同できないということです。

日韓政府間合意について私は1年前にこう書きました。

2015年の日韓政府間合意については、文言としては悪くないとも思っています。日本政府には先の記事で言及した対応をし、韓国政府には関連団体と協議して日本政府・関連団体共に了承できる形での少女像のあり方を韓国政府仲介の下で考え実施する、という方向も文言上はあり得る話でした。
あり得る形としては、韓国の財団からの出資で慰安婦記念館を作り、そこに少女像を移転し、移転にあたって日本大使レベル以上の高官が元慰安婦や関連団体の代表を前に謝罪と癒やしの言を述べて今後の和解を求める形式をとること、等が考えられます。
これは合意中の「日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこと」に相当し、その結果として日本政府の希望通り少女像が移転されるわけで、しかも「可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて」という合意文言にも適合します。「適切に解決される」努力というにふさわしいでしょう。
むしろ韓国政府が強引に少女像を撤去・移転することは「可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて」とある合意に反します。
そういうわけで私自身は日韓政府間合意をそれなりに評価しています。
この意味ではハンギョレのような主張とも違います。もちろん、朝日新聞朝鮮日報とも違いますし、産経・読売とは全く違います。
韓国次期大統領候補が合意に否定的だという状況にもあまり賛同はできなくて、ちゃんと落とし所を考えているのか不安です。大統領就任直後に合意の文言を上手く利用し世論を納得させることが出来ればいいんですけどね。
要するに安倍政権や朴政権のやり方を批判するにしても、現にある合意の文言を上手く利用すべきだという考えです。

http://scopedog.hatenablog.com/entry/20170113/1484261043

文政権は、日韓政府間合意について破棄も再交渉もしないと決断した上で「日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこと」という合意に基づき、努力の継続を日本側に呼びかけています。「現にある合意の文言を上手く利用」していると言える対応です。
文政権の対応は、1年前の私の希望をほぼ実現してくれているわけですから、私としては評価する以外にありません。

日本側に自発的な対応を求めるというのも評価ポイントです。これ、日本がイヤならやらなくてもいいわけなので本来日本側が激怒するような対応ではないはずですが、振り上げた拳の落としどころが無く日本側は韓国に八つ当たりしている状態ですね。
それはともかく、日本側に自発的な対応を求めるということは、日本側が対応を拒絶したとしても韓国政府としては日本側に対応を迫る必要が無いということでもあります。つまり、日本政府が元慰安婦らに謝罪の手紙を書かないのならば日韓首脳会談を拒絶する、などという措置をとる必要が無いということです。
韓国政府としては日本政府が自発的に謝罪するなら歓迎するとだけ述べ、さりとて日本が謝罪しなくても、それ以外の外交事案では普通に接触し、懸案に対応しようと呼びかけることができます。
もし、日本政府が韓国政府の慰安婦問題への対応に不満を覚え、それを理由に他の外交懸案の解決を拒絶するなら、慰安婦問題にこだわって日韓外交を阻害しているのは日本側であることが国際的に明らかになります。実際、2018年2月9日の日韓首脳会談の内容の公表に際し、慰安婦問題に関する記載を冒頭に掲載した日本政府に対し、韓国政府は慰安婦問題に直接言及する記載を一切掲載していません。
第三国から普通に見れば、戦時性奴隷制の加害国である日本が慰安婦問題にこだわって他の日韓外交を損ねているように見えるでしょうね。
朴政権時代の状況から見れば、日韓の立場が逆転したようなもので、その点について私は評価しています。

人道問題としての対応

もう一点重要な評価ポイントがあります。
慰安婦問題において最も重要な当事者は元慰安婦ら本人ですが、彼女らに対する文政権の対応について個人的に非常に高く評価しています。
日韓政府間合意に対する対応方針を公表する前の2018年1月4日に、文政権は元慰安婦らを国賓並みの待遇で青瓦台に招待しています。体調の問題から青瓦台に訪問できなかった元慰安婦に対しては、文大統領自らが元慰安婦の元に訪問してもいます。
そして文大統領は、日韓政府間合意が誤りであったことを認め、元慰安婦らに対して謝罪しています。

政治状況や世論を考慮した上で日韓政府間合意を評価する場合も元慰安婦らの希望に沿わないと反対する場合でも、この合意内容が元慰安婦らの希望を十分に満たすものであったとは到底言えないわけですから、慰安婦問題に対して人権問題であるという認識を持っている人は日韓政府間合意に対する賛否に関わり無く、まず、この程度の合意しか形成できない社会の一員であることを被害者である元慰安婦らに謝罪すべきだと思うんですよね。
この程度のことしか出来なくて申し訳ない、と。
で、個人的にはそういう思いがあったので、日韓政府間合意直後に元慰安婦らに謝罪するエントリーをアップしたわけです。
1月4日の元慰安婦らの国賓待遇での招待・訪問は、大統領の立場でそれよりもずっと丁寧にやってくれたということになります。

これだけでも文政権の対応を私としては最大限の評価をせざるを得ないと思っています。

この点を評価せず、批判ばかりだったのはとても残念です。
慰安婦問題を日韓政府間、あるいは国家間の問題とだけ認識し、肝心の元慰安婦ら本人に視線が向いていないのだなぁ、と思わざるを得なかったですね。



群馬県の朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑に関する歴史修正主義的策謀としての設置期間更新不許可処分に対する前橋地裁判決の件

この件。

朝鮮人追悼碑の更新不許可は違法 前橋地裁、県の裁量権逸脱認める

2018/2/14 18:44
©一般社団法人共同通信社
 群馬県高崎市の県立公園にある朝鮮人労働者の追悼碑の設置期間更新を県が許可しなかったのは違法として、管理する市民団体が不許可処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、前橋地裁(塩田直也裁判長)は14日、「裁量権の逸脱があった」と認め処分を取り消した。
 原告側が年に1度、碑の前で開いた式典で、出席者が戦時中の朝鮮人動員を「強制連行」と述べたことなどが、建立許可の際に県が付けた「政治的行事を行わない」との条件に違反するかどうかが主な争点だった。判決は一部式典が条件違反と認めたが、憩いの場としての公園の役割は失われなかったとして「裁量権の逸脱があり違法」と結論付けた。

https://this.kiji.is/336384441806718049

朝日、産経などでも報じられていますが、産経新聞では「強制連行」という表現自体を政治的発言だと地裁が認めたと報じ、今後の歴史修正主義活動に利用する意思をちらつかせています。

朝日:群馬県の不許可処分取り消し 朝鮮人追悼碑の期間更新(2018年2月14日21時13分)
産経:朝鮮人追悼碑訴訟 群馬県の処分取り消し 3年余の論争に結論 「強制連行」は政治的発言


で、私も群馬県側の法解釈に無理があることは、2014年の記事で指摘していますが、改めて記載しておきます。

群馬県立公園条例

(公園施設の設置等の許可)
第十二条 県有公園において、公園施設を設置し、又は管理しようとする者は、知事の許可を受けなければならない。許可を受けた事項を変更しようとするときも同様とする。
2 前項の許可を受けようとする者は、第九条第一項各号に定める事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。この場合申請書には、第十条に定める設計書等を添付しなければならない。
3 公園施設を設け、又は管理する期間は、十年を超えることはできない。これを更新するときの期間についても同様とする。
4 知事は、第一項の許可に県有公園の管理上必要な範囲内で条件を付することができる。

http://www.pref.gunma.jp/s/reiki/333901010023000000MH/333901010023000000MH/333901010023000000MH_j.html

この条例12条4項に基づき知事は条件をつけることができ、そこで政治的行為を行わない旨の条件をつけているわけです。ところが、12条4項の条件は無制限に有効なのではなく「県有公園の管理上必要な範囲内で」という制限があります。したがって、政治的発言・行為があったとしても、それにより「県有公園の管理上」問題が生じない限り、それを理由として知事が不許可処分を出すことは出来ません。

前橋地裁の判断は「強制連行」という表現は政治的発言だと認めたものの、それにより「県有公園の管理上」問題が生じたわけでないことから、知事による不許可処分は裁量権の逸脱だとみなしたようです。

「強制連行」という表現をもって政治的行事とみなした地裁判断は、来賓の発言の事前検閲を正当化しかねないという点で問題があります。無論、政治的行事だから即規制とはならないという判決でもあるわけですが、この判決で確定した場合に想定されるのは、今後この種の行事に際し、極右団体が監視し「強制連行」という表現を合図にわざと騒動をおこし、「県有公園の管理上」問題となる状況を作り出す可能性です。
安倍政権シンパの極右団体が起こした騒動を理由に、群馬県知事は堂々と不許可処分を下すことが出来るようになるわけで、極右団体と癒着した首長をいただく自治体では同様の事態が多発しかねません。

その意味では前橋地裁判決は、わざと騒動を起こすことで政治的目的を達成できるという点で社会の安定性を損なう可能性がある判決とも言えます。

それでもまあ、現安倍政権下ではまだマシな判決とは言えるでしょうね。



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日韓首脳会談(2018/2/9)の内容に関する簡単な考察

2018年2月9日の日韓首脳会談に関する内容について、少しだけ調べてみました。

まずは日韓両政府の発表内容

日本政府

平成30年2月9日

韓国訪問-1日目-

 平成30年2月9日(現地時間)、安倍総理は、大韓民国の龍平(ヨンピョン)及び平昌(ピョンチャン)を訪問しました。
 総理は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談を行いました。続いて、文大統領主催レセプションに出席した後、日米韓フォトセッションに臨みました。
 最後に、平昌オリンピックスタジアムで開催された第23回オリンピック冬季競技大会開会式に出席しました。
 日韓首脳会談を行った後、総理は次のように述べました。

「まず、冒頭私から文在寅大統領に対して、日韓合意について日本の立場について明確にかつ詳細にお伝えしました。日韓合意は、最終的かつ不可逆的に解決したとの合意であり、そして国と国との約束は二国間関係の基盤であります。そして、私と文在寅大統領で未来志向の日韓関係をつくり上げていかなければならない、その認識を共有いたしました。
 今日からいよいよオリンピックが始まります。アジアで開催されるこのオリンピックの成功に日本としても最大限協力していきたいと考えています。
 他方、この瞬間も北朝鮮は、核・ミサイル計画を執拗(しつよう)に追求し、そして開発を続けています。この現実を国際社会は直視しなければなりません。対話のための対話には意味がありません。そのことをはっきりと文在寅大統領に申し上げました。北朝鮮にその政策を変更させ、北朝鮮の側から対話を求めてくるよう、国連安保理の制裁決議を全ての加盟国が遵守し、圧力を最大限まで高めていく必要があります。この日米で完全に一致した確固たる方針を文在寅大統領と改めて確認いたしました。日韓米3か国の強固な協力関係は、決して揺らぐことはありません。そのことを北朝鮮はしっかりと認識しなければなりません。北朝鮮には、拉致問題、核・ミサイル問題の解決に向けて具体的な行動を取るよう、引き続き日韓米の緊密な連携の下に、強く働きかけていきたいと思います。以上です。」

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201802/09korea2.html

会談終了後の安倍首相の発言内容のみで、実際にどういうやり取りがあったかの記録というより一方の当事者の言い分に過ぎません。“オレはあいつにガツンと言ってやったぜ”的な手柄話程度に聞いておくべきでしょうね。
面白いのが、発言の一番最初に慰安婦問題を持ち出している点で、安倍政権はどんだけそれに拘ってるかということが如実に伝わります。安倍政権にとっては北朝鮮の核問題や五輪の話題などよりも、少女像が気になってしょうがないようです。「冒頭私から」と自分で言っているので、会談でも最初に切り出したのでしょう。

韓国政府

韓国大統領府と外交部の簡単な発表内容。

문재인 대통령, 일본 총리와 정상회담

2018-02-09
“역사를 직시하면서 지혜와 힘을 합치자”
“한-일 양국 간 미래지향적 협력 추진”

오늘 오후, 문재인 대통령은 아베 신조(Shinzo Abe) 일본 총리와 평창에서 정상회담을 가졌습니다.
문재인 대통령은 이번 평창올림픽에 이어 열릴 2020년 일본 동경 하계올림픽, 2022년 중국 북경 동계올림픽에 대해 언급하며 “동북아에서 이렇게 올림픽이 연속적으로 개최되는 것은 그 의미가 매우 각별합니다. 한·일·중 3국이 올림픽을 위해 긴밀히 협력하고 상부상조함으로써 양자관계 발전과 3국 국민 간 우호적인 정서의 확산을 도모하는 것은 물론이고 전 세계 인류의 평화와 화합도, 공동번영에 기여할 수 있도록 총리님과 긴밀히 협력해 나가기를 희망합니다.”라고 말했습니다.
문재인 대통령은 한·일 양국이 1965년 국교정상화 이후에 지난 반세기 동안 교역량은 약 370배, 인적교류는 약 1,000배로 증가하는 등 꾸준한 관계발전을 이룩하여 온 것을 언급하며 한국과 일본은 지리적으로 가깝고 모든 분야에서 협력동반자 관계라는 사실을 보여주는 것이라고 이야기했습니다.
더불어 “본인은 양국이 마음이 통하는 진정한 친구가 될 수 있기를 진정으로 바랍니다. 그동안 수차례 밝혔듯이 역사를 직시하면서도 또 총리님과 함께 지혜와 힘을 합쳐서 양국 간 미래지향적 협력을 추진하고자 하며, 이를 위해 셔틀외교를 복원하고 개선하는 등 정상차원의 긴밀한 소통을 강화하고자 합니다.”라고 강조했습니다.
올해는 김대중 대통령과 오부치 총리가 21세기의 새로운 한·일 파트너십에 대한 공동선을 발표한 지 20주년이 되는 해입니다. 이에 대해 문재인 대통령은 “이런 뜻깊은 해를 시작하면서 오늘 회담에서 총리님과 허심탄회하게 의견교환을 통해 한·일 간 미래지향적인 관계발전을 추진하기 위한 기반을 단단하게 다져나가기를 희망합니다.”라고 이야기했습니다.
아베 총리는 평창올림픽을 성공적으로 개최하기 위한 한국의 세심한 준비에 경의를 표했으며 개막식을 앞둔 것에 대한 축하메시지를 전했습니다.
아베 총리는 북한문제에 대해서 일본과 한국, 그리고 일본, 한국, 미국 간에 긴밀한 협력 관계를 재확인 하는 것과 동시에 일본과 한국의 미래지향적이고 또 새로운 관계 구축을 위해서 솔직하게 의견을 나누길 희망했습니다.
이어 아베 총리는 내일은 일본 선수단을 응원할 예정이라고 말한 뒤
“일본선수들이 여기 평창올림픽에서 활약하고 평창올림픽 성공에 기여했으면 합니다. 또한 한국 선수들도 많은 활약하고 메달을 많이 따기를 기대합니다.”라며 양국의 선수들의 선전을 기원했습니다.

http://www1.president.go.kr/articles/2301

安倍首相が第一に取り上げた慰安婦問題については、直接的に一言も書かれてません。文政権は既に、日韓合意についての再交渉はしないと宣言していますし、追加措置の要求もしないという立場ですから、ここに書く必要も無いんですよね。日本側が自発的に謝罪するなら歓迎するという立場ですから、もし安倍首相が自発的に謝罪したなら書いたでしょうけど。

では大統領府は日韓会談についてどう発表しているかというと、まず、平昌五輪とそれに続く2020年の東京五輪、2022年北京五輪に言及して日中韓の関係の発展と友好的な雰囲気の醸成を呼びかける内容から始まっています。この点は、安倍首相の発言内容には全くありませんね。
続いて、日韓関係の話から、「これまでも何度か言及したように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間の未来志向的な協力を推進しよう」という文大統領発言、そしてそのためにシャトル外交の復活を求める内容です。ここが唯一、慰安婦問題に間接的に触れている部分と言えるでしょうね。「両国間の未来志向的な協力」という点については、日韓共に認識を共有したわけですが、少女像が気になってしょうがない安倍政権とは違い、文政権は歴史を直視することが必要だとしています。
その次に言及しているのは、日韓共同宣言(小渕恵三首相と金大中大統領の1998年会談での宣言)*1から20周年であることです。安倍首相は全くそのことには触れていません。
続けて、安倍首相による平昌五輪への祝辞があったことを紹介し、その後でやっと北朝鮮問題に言及します。内容はこんな感じ。

아베 총리는 북한문제에 대해서 일본과 한국, 그리고 일본, 한국, 미국 간에 긴밀한 협력 관계를 재확인 하는 것과 동시에 일본과 한국의 미래지향적이고 또 새로운 관계 구축을 위해서 솔직하게 의견을 나누길 희망했습니다.

機械翻訳安倍総理北朝鮮問題に対して日本と韓国、そして日本、韓国、アメリカ間に緊密な協力関係を再確認するのと同時に日本と韓国の未来指向的でまた、新しい関係構築のために率直に意見を交わすのを希望しました。

http://www1.president.go.kr/articles/2301

当然のことではありますが、韓国政府として日韓首脳会談で重視しているのは、まず五輪に関する件、そして日韓関係に関する件なわけで、北朝鮮問題については日本側がこう言いました程度の認識で、慰安婦問題については日韓首脳会談の議題の範囲外という扱いです。まあ、文政権は慰安婦問題と外交問題は切り離すというツートラック方針を取っていて、会談でもそれが現れたという感じですね。

メディアの報道

安倍政権べったりの産経新聞記事に「日韓首脳会談要旨」なるものが出ています。

2018.2.10 08:02

日韓首脳会談要旨 文在寅大統領「日韓合意について再交渉を求めない」

 【日韓関係全般】
 文在寅大統領 日韓関係を未来志向でさらに発展させたい。シャトル外交を復活して首脳間のコミュニケーションを強化したい。
 安倍晋三首相 アジアで開催される平昌五輪の成功に日本として協力したいとの思いから、開会式に出席することを決めた。

 【慰安婦合意】
 首相 日韓合意は国と国との約束であり、政権が代わっても約束を守ることは国際的かつ普遍的に認められた原則だ。日本はすでに約束を全て実施している。韓国も日韓合意で最終的かつ不可逆的な解決を確認した以上、約束を全て実行してほしい。未来志向の日韓関係を築いていきたい。そのためにも、日韓合意や徴用工問題について適切に対応をお願いしたい。
 大統領 日韓合意について再交渉を求めない。

 【北朝鮮
 首相 北朝鮮の微笑外交に目を奪われてはならない。五輪後が正念場だ。北朝鮮の差し迫った脅威を直視し、日韓米が連携して最大限の圧力をかけるという方針がぶれてはならない。北朝鮮の制裁逃れへの対応は急務だ。拉致問題の早期解決に向け、引き続き緊密に連携したい。
 両首脳 北朝鮮の非核化が最終目標だ。そのために国連安全保障理事会の制裁決議を全ての加盟国が順守し、圧力を最大限まで高めていく必要がある。

 【日中韓サミット】
 両首脳 早期開催に向けて協力していくことで一致。(平昌 田北真樹子)

http://www.sankei.com/politics/news/180210/plt1802100007-n1.html

慰安婦問題について文大統領の発言が「日韓合意について再交渉を求めない」だけなのは、安倍首相の要求に対して文大統領が応じたかのような印象を読者に与えるためなんだろうな、という感じですね。だいたい、再交渉しないという方針は、2018年1月9日に韓国政府として公式に発表してますし。

넷째, 2015년 합의가 양국 간의 공식합의였다는 사실은 부인할 수 없습니다. 이를 감안하여 우리 정부는 동 합의와 관련하여 일본 정부에 대해 재협상은 요구하지 않을 것입니다.
다만, 일측이 스스로 국제보편기준에 따라 진실을 있는 그대로 인정하고 피해자들의 명예․존엄 회복과 마음의 상처 치유를 위한 노력을 계속해 줄 것을 촉구합니다.

https://www.excite.co.jp/world/korean/

大統領府のサイトにも載ってる「歴史を直視」については、田北記者はまったく無視しています。無視したのはそれだけでなく、実際の会談での文大統領の発言が産経記事では、全く削除されていますね。
中央日報記事の方がよほど詳しい感じです。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日に訪韓した安倍晋三首相との首脳会談で「慰安婦被害者問題は政府間でやり取りする形の交渉で解決されるものではない」と述べた。
文大統領はこの日、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)出席のために入国した安倍首相との3度目となる首脳会談で「慰安婦問題は被害者の名誉と尊厳を回復し、その方が受けた心の傷が癒やされる時に解決する」と話しながらこのように強調したと、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が伝えた。
(略)
文大統領は「慰安婦問題を本当に解決するためには被害者の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やすことができるよう、両国政府が継続して共に努力していかなければいけない」と述べた。その一方で「歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間の未来志向的な協力を推進しようと思う」と強調した。過去の問題と経済・安保協力を分離しようという政府のツートラック方針を改めて明らかにしたのだ。

http://japanese.joins.com/article/502/238502.html

この中央日報の記事を踏まえるなら、慰安婦問題に関して文大統領は、“政府間合意で人権問題は解決しない、被害者の名誉と尊厳を回復し、その方が受けた心の傷が癒やされる時に解決する”と強調した上で、そのために「両国政府が継続して共に努力していかなければいけない」と主張し、それが「これまでも何度か言及したように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間の未来志向的な協力を推進しよう」という大統領府の発表内容になっていると見えます。
「韓国も日韓合意で最終的かつ不可逆的な解決を確認した以上、約束を全て実行してほしい」という安倍発言は、その後くらいに出たように思えますが、それに対して文大統領は「日韓合意について再交渉を求めない」と返した感じでしょうか。
ところで、日本側は「徴用工問題について適切に対応をお願いしたい」と“追加要求”を出していますね。

しかし安倍首相は「慰安婦合意は国家対国家の合意であり、政権が代わっても守らなければならないというのが国際原則」とし「日本は合意を最終的かつ不可逆的なものと受け止めて約束を守ってきただけに、韓国政府も約束をすべて実行してほしい」と要求した。日本政府当局者は会談後、記者らに対し「安倍首相は『文大統領と共に未来志向的な日韓関係を築くことを心から望んでいる』という話をした。そのためにも日韓合意と徴用工問題(強制徴用者賠償問題)に対する適切な対応を願うという趣旨で話した」と伝えた。

http://japanese.joins.com/article/502/238502.html

慰安婦問題にこだわる日本政府

慰安婦合意問題とその他の分野を分離しようという文大統領の発言に、安倍首相は慰安婦合意問題に対する明確な整理なしに未来志向的な関係は難しいと事実上反論したのだ。

http://japanese.joins.com/article/502/238502.html

日韓合意について再交渉しないと宣言している韓国政府に対して、五輪の場でさえ北朝鮮の核問題よりも優先して言及する日本政府と構図を見ると、中央日報の指摘はもっともですね。
安倍政権は少女像問題が解決されない限り外交を停滞させる覚悟のようですが、どうにも朴政権が慰安婦問題が解決されるまで外交を停滞させたのと被ります。やっぱりこの二人はどうにも似た者同士のようです。

安倍首相は在韓日本大使館前の少女像についても「外交関係・領事関係に関するウィーン条約上でも問題がある」と指摘し、合意の着実な実施を要求した。

http://japanese.joins.com/article/502/238502.html

これに対して文政権がどう回答したのか、よくわかりません。
国司法によるウィーン条約関連の判例に照らしても合法で全く問題ありませんからねぇ。気に入らないなら提訴すればいいのに、とまでケンカ腰で返したりはしていないでしょうが、まともに相手にはしてないとは思います。

核問題

産経新聞による要旨には「 両首脳 北朝鮮の非核化が最終目標だ。そのために国連安全保障理事会の制裁決議を全ての加盟国が順守し、圧力を最大限まで高めていく必要がある。」と双方合意したかのような内容になっていますが、実際には文大統領は次のように応じているようです。

北核対応でも両国の首脳は隔たりを見せた。文大統領は「南北対話が非核化をあいまいにし、国際協調を乱すというのは杞憂にすぎない」とし「南北関係の改善と対話が結局、非核化につながらなければいけない」と述べた。

http://japanese.joins.com/article/502/238502.html

非核化という点では共有しているのですが、そこに至る過程については、安倍政権は軍事攻撃も選択肢に入れた圧力のみを考えているのに対し、文政権は軍事的解決ではなく南北対話を通じて進めるという点で異なっています。でもその点については産経要旨では臥せられています。



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「要請」と「招待」

南北首脳級会談 北朝鮮側が文・韓国大統領に訪朝要請(毎日新聞2018年2月10日 15時54分(最終更新 2月10日 16時44分))
北朝鮮、韓国大統領を平壌に招待 南北首脳会談呼びかけ(2018年02月10日)(英語記事 Winter Olympics 2018: North Korea invites South president to Pyongyang)

上記の件。
日本メディアの報道では「要請」が多い印象です。日本語の語感だと(訪朝)「要請」よりも「招待」の方が柔らかいイメージですけどね。

ただ毎日記事ではこんな感じで報じられています。

北朝鮮側が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に早期の訪朝を要請したと明らかにした。(略)文大統領は「(訪朝の)条件が整うよう努力する」と述べるとともに、米国との対話を求めた。

https://mainichi.jp/articles/20180210/k00/00e/030/343000c

まるで北朝鮮の命令に対して韓国が従っているかのような雰囲気を感じさせます。

BBCだとこんな感じ。

北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅大統領を平壌に招き、南北首脳会談の実施を呼びかけた。(略)文大統領は、南北首脳会談を「実現させるべき」と述べ、北朝鮮に米国との交渉を再開するよう促した。

http://www.bbc.com/japanese/43015279

基本的な内容は毎日と同じですが、北朝鮮の招待に対して韓国が前向きであるという雰囲気という点では異なっています。ちなみに英語記事タイトルでも「North Korea invites South president to Pyongyang」ですから英語版でも「招待」という認識です。

大統領府の公表内容

毎日もBBCもともにソースとしている韓国大統領府の公表内容ではこうなっています。

김여정 특사는 김정은 국무위원장의 남북관계 개선 의지를 담은 친서를 전달하면서 “문재인 대통령을 빠른 시일 안에 만날 용의가 있다. 편하신 시간에 북을 방문해 주실 것을 요청한다”는 김정은 국무위원장의 초청 의사를 구두로 전달했습니다.
이에 문 대통령은 “앞으로 여건을 만들어서 성사시키자”는 뜻을 밝히셨습니다.

http://www1.president.go.kr/articles/2307

確かに「요청(要請)」という単語を使ってはいますので、毎日記事が間違っているわけではないのですが、「편하신 시간에 북을 방문해 주실 것을 요청한다」全体だと“都合の良い時に来て下さることを要請します”的な意味ですから、日本語でそのまま「要請」とすると少しニュアンスが違う気がします。

毎日記事では「(訪朝の)条件が整うよう努力する」になってる文大統領の発言ですが、これも大統領府のサイトでは「앞으로 여건을 만들어서 성사시키자」で“これから条件を整備して成功させよう”となっていて、韓国側だけが努力すると約束したかのような毎日記事とはやはりニュアンスが違います。
BBC記事では「文大統領は、南北首脳会談を「実現させるべき」と述べ、北朝鮮に米国との交渉を再開するよう促した」となっています。

北朝鮮に米国との対話を促したというのは大統領府の公表内容では以下にあたります。

문 대통령은 특히 “남북관계 발전을 위해서도 북미간의 조기 대화가 반드시 필요하다”며 미국과의 대화에 북쪽이 보다 적극적으로 나서주길 당부했습니다.

http://www1.president.go.kr/articles/2307

要するに、文大統領は南北首脳会談には賛成なので環境を整えていきたいが、北朝鮮の方も米国との対話を再開してほしい、といった感じの内容ですね。

毎日記事が間違いだとまでは言えませんが、何となくニュアンスの違う論調になっているなぁと感じます。まあ「文大統領は「(訪朝の)条件が整うよう努力する」と述べる」の「努力」ってどこから持ってきた、とかも思いますけど。



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韓国文政権の「20~30代の支持率が急落中」の割には、政権支持率は20代63.2%、30代77.9%なんですけどね

こんな記事が出てまして。

 今まで文在寅(ムンジェイン)政権を支持してきた、韓国の若者の熱が急速に冷めている。
「これまで政権支持率は概ね70%前後。北朝鮮の五輪参加決定で一時は80%も窺う勢いでしたが、今や60%も切りかねない。中でも20~30代の支持率が急落中です」(在ソウル記者)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180208-00537349-shincho-kr

というわけで、リアルメーターで2018年2月第1週の世論調査結果を調べてみました。
年齢別の政権支持率がこれ。

年齢 支持率 不支持率
全体 62.9% 32.4%
19~29歳 63.2% 33.0%
30代 77.9% 20.1%
40代 74.5% 24.0%
50代 54.5% 39.5%
60代~ 49.4% 41.6%

2ヶ月前の2017年12月第1週にはこうでした。

年齢 支持率 不支持率
全体 70.8% 23.4%
19~29歳 82.7% 12.7%
30代 82.7% 13.2%
40代 80.0% 17.6%
50代 65.2% 28.7%
60代~ 50.9% 38.6%

2017年12月第1週から2018年2月第1週までの差分はこうなります。

年齢 支持率 不支持率
全体 70.8%→62.9%(-7.9) 23.4%→33.4%(+9.0)
19~29歳 82.7%→63.2%(-19.4) 12.7%→33.0%(+20.3)
30代 82.7%→77.9%(-4.8) 13.2%→20.1%(+6.9)
40代 80.0%→74.5%(-5.5) 17.6%→24.0%(+6.4)
50代 65.2%→54.5%(-10.7) 28.7%→39.5%(+10.8)
60代~ 50.9%→49.4%(-1.5) 38.6%→41.6%(+3.0)

なるほど確かに20代の支持率は急落と言えそうですが、30代は急落とは言えませんね。「中でも20~30代の支持率が急落中です」と主張している「在ソウル記者」氏は何を見てるんでしょうか?
そもそも「今や60%も切りかねない」という評価もよくわかりません。支持率60%って十分高いと思うんですが・・・。
20代の支持率急落についても、急落前の2017年12月第1週時点での支持率が82.7%ですしねぇ。

政権支持率推移

 評判を繕(つくろ)おうと、合同チームについて文政権は「(五輪成功のために)森を見て……」とアナウンス。だが、「お前たちが見ているのは木に過ぎない」と権威主義的に言ったも同然。大統領の物分かりの良いお父さん的イメージもこれで台無し。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180208-00537349-shincho-kr

「「お前たちが見ているのは木に過ぎない」と権威主義的に言ったも同然。」って全然違うと思いますが。

2017年12月~2018年2月

年齢 12月1週 12月2週 12月3週 12月4週 1月2週 1月3週 1月4週 1月5週 2月1週
全体   70.8% 68.6% 69.9% 68.5% 70.6% 66.0% 60.8% 62.6% 62.9%
19~29歳 82.7% 80.6% 81.0% 77.4% 72.0% 71.2% 64.3% 70.7% 63.2%
30代   82.7% 83.5% 86.2% 81.0% 83.0% 73.1% 73.5% 71.6% 77.9%
40代   80.0% 79.1% 82.7% 81.1% 84.1% 78.2% 70.1% 74.3% 74.5%
50代   65.2% 56.3% 61.8% 60.5% 62.1% 60.5% 54.6% 60.5% 54.5%
60代~  50.9% 50.8% 46.5% 49.4% 56.8% 51.8% 46.6% 42.4% 49.4%

一応、ここ2か月くらいの年齢別政権支持率の推移ですが、やはり新潮記事のいう「中でも20~30代の支持率が急落中です」の「30代の支持率」については全くデマという他ないですね。



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南北合同入場が行われた2006年トリノ五輪から北朝鮮の核実験までの間に米韓合同軍事演習が行われているんだよね

upは2/11。
日米、韓国の対話傾斜に警鐘=対北朝鮮で3カ国協調(2/8(木) 7:10配信 時事通信)」の件。

トランプ政権は朝鮮半島か中東で戦争にでもなれば支持率回復を見込めるでしょうし、安倍政権も朝鮮半島で戦争が起これば悲願の憲法9条潰しができるでしょうから、日米双方とも朝鮮半島の緊張状態を歓迎し、内心戦争勃発を望んでもいるのでしょうけどね。
“圧力のみで対話はしない”ってのは、要するに戦争も辞さないってことですし。

戦争発生時の推定犠牲者は韓国・日本に多くなるわけですが、戦場から遠いトランプアメリカにとっては許容可能でしょうし、安倍日本にとっても支持率に影響しない程度の日本人死者なら許容するでしょうから*1、甚大な犠牲者数の予測は、日米首脳にとって戦争を回避するインセンティブになっていません。

これに対して、戦争になった場合に最も大きな犠牲を強いられる韓国ではいかにして戦争を回避するかが重要ですし、文政権の政策としても“対話無しの圧力一辺倒”などに賛同はできませんよね。仮に保守政権だったとしても“戦争も辞さない”なんて態度の圧力には賛同しないでしょうし*2

そのような日米と韓国の立場の違いを理解せずに、時事通信はこんな記事を書いています。

 日米の視線は、2~3月の五輪・パラリンピック期間後をにらむ。北朝鮮の五輪参加には、核・ミサイル開発を進める「時間稼ぎ」の意味合いがあるとみているからだ。ペンス氏は共同記者発表で、2006年のトリノ冬季五輪で南北合同入場行進が行われた約半年後に、北朝鮮が最初の核実験に踏み切ったことを指摘。「挑発を継続した」と述べ、南北の融和ムードの打ち消しを図った。 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180208-00000015-jij-pol

2006年のトリノ五輪で南北合同入場行進を行ったが「約半年後に、北朝鮮が最初の核実験に踏み切った」として、平昌五輪での「南北の融和ムードの打ち消し」を企図しているわけです。つまり、北朝鮮に対して「融和」しても無駄だから戦争に追い込め、という感じですね。

しかし、時事記事には、トリノ五輪北朝鮮の核実験の間の重要な事実が抜けています。

2006年の時系列

2006年2月10日~26日:トリノ五輪
2006年3月2日:南北将官級会談(第3回)
2006年3月25日~31日:米韓合同軍事演習(フォールイーグル)2006*3
2006年6月26日~7月28日:環太平洋合同軍事演習(リムパック)2006
2006年7月5日:北朝鮮弾道ミサイル発射
2006年8月21日~9月1日:米韓合同軍事演習(乙支フリーダムガーディアン)2006
2006年10月9日:北朝鮮核実験

盧武鉉政権は金正日総書記との南北首脳会談を強く望んでいましたが、その実現は翌2007年10月までかかりました。
また、北朝鮮は前2005年2月に核兵器保有宣言をしており核開発の懸念は2006年初頭からありました。
米軍の軍事演習が絶え間なく繰り返され、それに対応する形で、弾道ミサイル発射や核実験が行われてきた感じです。軍事演習を延期するなどしていたら、南北融和が促進され、核実験を回避できたかもしれませんが、支持率の低かった盧政権にはそのような力がありませんでした。

今回も安倍政権が五輪終了後の米韓合同軍事演習をけしかけているのは、朝鮮半島で南北融和させず対立を煽りたいという日本の国策に沿った対応とも言えますね。

12年前と違うのは当時の盧政権よりも文政権の支持率は遥かに高いと言う点ですが、それが奏効するかどうかが要注目といったところでしょう。



*1:韓国人・朝鮮人の犠牲者数についてはどんなに膨大になっても日本社会はむしろ歓迎するでしょうし、北朝鮮弾道ミサイルによる通常攻撃の被害程度では日本人の対北朝鮮憎悪を煽るくらいの効果しかもたらさないでしょう。仮に日本が核攻撃されたとしても一撃だけなら国内左派と在日朝鮮人の弾圧の根拠になるくらいでしょうし。

*2:天安艦沈没事件(2010年)でも韓国は自制しましたし。

*3:http://www.rimpeace.or.jp/jrp/iwakuni/fe2006.html

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日韓首脳会談・日韓メディアでニュアンスの異なる報道

upは2/11。
日本の朝日新聞報道と韓国の中央日報報道から。

北朝鮮問題

朝日新聞:「北朝鮮に対する圧力強化について文大統領と確認した」

 安倍晋三首相は9日午後、訪問先の韓国・平昌(ピョンチャン)で文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。その後、記者団に対して「北朝鮮拉致問題、核・ミサイル問題の解決に向けて具体的な行動をとるよう、引き続き日韓米の緊密な連携のもとに強く働きかけていきたい」と強調。北朝鮮に対する圧力強化について文大統領と確認したことを明らかにした。
 会談は平昌冬季五輪の開会式出席に合わせて五輪会場近くのホテルで1時間行われた。首相は記者団に対し、対北朝鮮政策について「対話のための対話には意味がありません」と文大統領に伝えたと説明。「国連安保理の制裁決議をすべての加盟国が順守し、圧力を最大限まで高めていく必要がある。日米で完全に一致した確固たる方針を、文大統領と改めて確認した」と語った。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000075-asahi-pol

中央日報:「『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決」「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」

「特に、韓国政府は今回の平昌(ピョンチャン)『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決して韓半島朝鮮半島)に恒久的な平和を定着させるための糸口を見つけるために努力している」として「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」と強調した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000052-cnippou-kr

安倍首相が「北朝鮮に対する圧力強化」を訴えたのに対し、文大統領は「『平和五輪』を機に北朝鮮の核問題を解決」する方針を示した上で、安倍首相に対して「首相も大きい関心を持って積極的に声援していただき、感謝申し上げる」といなしています。
会話としては、かみ合っておらず、「圧力強化」を訴えた安倍首相が文大統領に余裕でかわされ、「積極的」な「声援」を「感謝」される始末という。

慰安婦問題

朝日新聞:「「最終的かつ不可逆的に解決した合意であり、国と国との約束は二国間関係の基盤だ」と強調」

 日韓慰安婦合意については「最終的かつ不可逆的に解決した合意であり、国と国との約束は二国間関係の基盤だ」と強調。こうした日本の立場について文大統領に対して「明確にかつ詳細にお伝えしました」と述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000075-asahi-pol

中央日報:「これまで数回にわたって明らかにしたように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しようと思う」

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は全ての発言で「これまで数回にわたって明らかにしたように歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しようと思う」とし「このため、シャトル外交を回復して改善するなど首脳レベルの緊密な疎通を強化しようと思う。両国が気の合う真の友人になることができることを望む」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000052-cnippou-kr

記事からは具体性のある文言が見られません。
安倍首相が「最終的かつ不可逆的に解決した合意」だと主張したのに対し、文大統領が「歴史を直視しながら首相と共に知恵と力を合わせて両国間未来志向的協力を推進しよう」と返している感じです。
もし安倍首相が会談内で、明確に少女像撤去を要求したのだとしても、するっと交わされたように思えます。

まとめ

いずれにせよ、北朝鮮問題・慰安婦問題ともに身のある会談にはならなかったようですね。

まあ、韓国にとっては朝鮮半島での戦争を回避することが国益ですが、日本にとっては朝鮮半島での戦争を煽ることが国益・党益なわけですから、朝鮮半島問題で一致しないのは仕方のない話です。



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