中国の通貨スワップ外交(2012年6月時点)

合意日 相手 スワップ 期間 円相当額*1
2008年12月12日 韓国 1800億元/38兆ウォン 3年 2.34兆円
2009年1月20日 香港 2000億元/2270億香港ドル 3年 2.6兆円
2009年2月8日 マレーシア 800億元/400億リンギット 3年 1.04兆円
2009年3月11日 ベラルーシ 200億元 3年 2600億円
2009年3月23日 インドネシア 1000億元/175兆インドネシアルピア 3年 1.3兆円
2009年3月29日 アルゼンチン 700億元/380億アルゼンチンペソ 3年 9100億円
2010年6月10日 アイスランド 35億元 3年 455億円
2010年7月23日 シンガポール 1500億元/300億シンガポールドル 3年 1.95兆円
2011年4月18日 ニュージーランド 250億元 3年 3250億円
2011年4月19日 ウズベキスタン 7億元 3年 91億円
2011年5月6日 モンゴル 50億元 3年 650億円
2011年6月13日 カザフスタン 70億元 3年 910億円
2011年10月21日 韓国(拡大) 3600億元/64兆ウォン 3年 4.68兆円
2011年12月22日 タイ 700億元/3200億バーツ 3年 9100億円
2011年12月23日 パキスタン 100億元/1400億パキスタンルピー 3年 1300億円
2012年1月17日 UAE 350億元/200億ディルハム 3年 390億円
2012年2月8日 マレーシア(拡大) 1800億元 3年 2.34兆円
2012年2月21日 トルコ 100億元 3年 1300億円
2012年3月20日 モンゴル(拡大) 100億元/2兆トゥグルグ*2 3年 1300億円
2012年3月22日 オーストラリア 2000億元/300億豪ドル 3年 2.6兆円
2012年6月26日 ウクライナ   150億元/190億グリブナ*3 3年 1950億円


韓国との通貨スワップ協定にしか興味のない日本人右翼には全く無視されています*4が、中国の通貨スワップ外交は継続中です。さすがに立て続けすぎて上記で網羅できているか不安です。近いうちにブラジルとも300億ドル規模の通貨スワップ協定を締結するようです。

ブラジル、中国と数週間以内に通貨スワップ協定を締結
  6月22日(ブルームバーグ):ブラジルと中国は数週間以内に最大300億ドル(約2兆4000億円)規模の通貨スワップ協定に署名する。ブラジルのマンテガ財務相が明らかにした。

ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ共和国から成る新興5カ国(BRICS)は世界的な金融危機を乗り切るための財源面での対応で協議している。ブラジルと中国が通貨スワップ協定を締結すれば、こうした取り決めに向けた第一歩となる。マンテガ財務相が21日、リオデジャネイロで記者団に語った。

通貨スワップ協定の締結により、ブラジルと中国の貿易関係は一段と深まることになる。中国はこの数年、米国を抜いてブラジル最大の貿易相手国となっている。昨年の両国の交易規模は760億ドルと、ブラジルの貿易全体の17%を占めたものの、マンテガ財務相はまだ始まりにすぎず、「両国間の貿易拡大に限界はない」と述べた。

原題:Brazil-China to Sign $30 Billion Currency Swap AgreementSoon(抜粋)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5ZVVR6K50ZX01.html


さて、中国が通貨スワップ協定を結んでいる相手国として注目すべきは、パキスタンカザフスタンウズベキスタン、モンゴルでしょうか。特にカザフスタンウズベキスタンは中国が民族問題を抱えている新疆ウイグル自治区に近く、この一帯での経済的安定は民族問題の暴発を防ぐ効果を持ちえます。
今後、キルギスタジキスタントルクメニスタンとも通貨スワップ協定を結ぶのか、目が離せないところです。

*1:2012年4月のレート、1元=13円で計算

*2:http://www.chinapress.jp/finance/29728/

*3:http://www.chinapress.jp/finance/31290/

*4:と言うか、日経の有料記事で少し取り上げているくらいで、日本人一般もほとんど興味を持っていないようですが。