さて、安倍自民党支持者は今もなお能天気な薄ら笑いを浮かべているのでしょうか。

まあ、予想通り秘密保護法成立ですね。
安倍自民党参院選で大勝させた時点でこういった悪法が成立するのは予想できたことですので、さほど驚きでもありませんし、安倍政権下で外れるタガがこれだけで済むはずもありません。なのでここで意気消沈しているわけにもいきません。
それはさておき、“サヨク逆張りだけしてれば幸せ”と言ったバカはともかく、安倍自民党を支持してきた自称保守・自称中立の人たちはこの状況をどう見ているんでしょうか。

the_sun_also_rises この法は実質的には対中防諜法だ。だから保守は賛成する。またマスコミに対する信頼感は殆どない。だから冷淡だ。この法は運用が大事。中国のスパイをどれだけ検挙できるかがこの法の価値を決める。国体とは関係ない 2013/11/28

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/11/post-607.php

↑こんな風に見ているらしいですね・・・

the_sun_also_rises 僕は秘密保護法は必要と思うし今国会での成立を歓迎する。但し正しく運用しなければ副作用も大きい法なのは忘れてはならない。チェック機関は重要だ。この機関が期待される機能を維持できるか見続ける必要がある。 2013/12/06

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

↑そして、こう。

「チェック機関」その1

「情報保全諮問会議」とは

「情報保全諮問会議」は、政府が「特定秘密」の指定や解除、それに「特定秘密」を取り扱う公務員らに対して行う「適性評価」の統一基準の策定にあたって有識者から意見を聴く会議と位置づけられています。
会議のメンバーは、情報保護、情報公開、公文書管理、報道、法律の各分野の専門家が想定されています。
この会議では、政府が「特定秘密」の統一基準を策定したり変更したりする際に意見を述べるほか、「特定秘密」の指定や解除などの状況について、年一回、総理大臣から報告を受け、総理大臣が国会に「特定秘密」の実施状況を報告する際に意見を述べるとされています。
ただ、会議のメンバーには、個別の特定秘密の内容を知る権限は与えないとしています。
政府は、法律の公布後、速やかに「情報保全諮問会議」を設置するとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

政府の定める「統一基準」に意見を述べるだけで、チェック機関としての機能は期待できない上「政府は、法律の公布後、速やかに「情報保全諮問会議」を設置する」という“口約束”のみの存在です。法律施行の条件でもありません。

「チェック機関」その2

保全監視委員会」とは

保全監視委員会」は総理大臣が「特定秘密」の指定や解除などの状況をチェックする役割を補佐する機関として位置づけられています。
アメリカの国務省国防総省などの代表者で作る「省庁間上訴委員会」を参考に、メンバーには、内閣情報官に加え、外務省と防衛省事務次官警察庁公安調査庁の長官らが想定されています。
保全監視委員会」は定期的に会合を開き、大臣など各行政機関の長が行う「特定秘密」の指定や解除の状況、有効期間の設定や延長、特定秘密を取り扱う公務員らに対して行う「適性検査」の実施状況をチェックしたうえで、総理大臣が「情報保全諮問会議」や国会に毎年提出する報告書を作成するとされています。
政府は、法律の施行までに内閣官房に設置するとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

「省庁間上訴委員会」を参考にするのであれば、メンバーに国立公文書館の職員を含めるべきですが、想定されているメンバーには入っていないようですね。それに役割も「実施状況をチェック」して報告書を作成するだけで何の権限もなさそうですね。これでは首相が国会に提出する報告書作成を代行するだけの機関に過ぎません。「「省庁間上訴委員会」を参考に」するのなら、せめて情報公開請求却下に対する請求者の異議申し立てを審議し、是非を判断する権限が必要でしょう。
まあ、そもそも「政府は、法律の施行までに内閣官房に設置するとしてい」るだけの口先だけの存在ですが。

「チェック機関」その3

「独立公文書管理監」とは

「独立公文書管理監」は、アメリカの国立公文書館の下に設置されている「情報保全監察局」をモデルとして、内閣府に設けられる予定の審議官級のポストです。
「特定秘密が記載された公文書が勝手に廃棄されるのではないか」という懸念を払拭するため、文書の廃棄の可否を判断するほか、特定秘密の指定期限を過ぎた文書が国立公文書館に適切に移管されているかなど、文書の保存や管理の状況をチェックするとしています。
また、「独立公文書管理監」には個別の特定秘密の内容を知る権限を与えることが検討される見通しで、適切な運用を行っていない行政機関の長に対しては、是正を勧告することもできるとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

「アメリカの国立公文書館の下に設置されている「情報保全監察局」をモデルとして」るにもかかわらず、「内閣府に設けられる予定」という意味のわからないことになっています。モデルとしてないじゃん。
「文書の保存や管理の状況をチェックする」というのも意味不明で、本気で「「特定秘密が記載された公文書が勝手に廃棄されるのではないか」という懸念を払拭」したいのなら、全ての特定秘密文書の廃棄に対し「独立公文書管理監」の許可が必要とされるようにする必要があるでしょう。
「「独立公文書管理監」には個別の特定秘密の内容を知る権限を与えることが検討される見通し」なので、反故にされる可能性は否定できません。

「チェック機関」その4

新たに「情報保全監察室」も

さらに政府は5日、新たに「保全監視委員会」とは別に「特定秘密」の指定の妥当性などをチェックする「情報保全監察室」を設置する方針を示しました。
官房長官は、法案を審議する参議院の特別委員会で、「法律の施行までに内閣府に20人規模の『情報保全監察室』を設置して業務を開始したい。必要な場合は立法により、できる限り『情報保全監察室』を『局』に格上げすることを約束する」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「情報保全監察室」が担当する業務について、「独立性の高い第三者機関を設置する必要があると承知しており、各行政機関による個別の『特定秘密』の指定や解除、有効期間の設定や延長を検証・監察し、不適切なものについて是正を求めていく」と述べました。
そして、菅官房長官は「法案の付則に盛り込まれた独立した公正な立場で検証し、監察できる新たな機関は、法的にも高度の独立性を備えた機関であるべきだと考えている。実際の業務遂行の在り方などを検証しつつ、『内閣府設置法』などの改正の検討を進めていきたい」と述べ、「情報保全監察室」を法的にも高度な独立性を備えた機関に移行するための法改正を検討する考えを明らかにしました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

「設置する方針」なので撤回される可能性が払拭できない機関ですね。「総理大臣が「特定秘密」の指定や解除などの状況をチェックする役割を補佐する機関として」作る「保全監視委員会」とどう役割が違うのか不明瞭な「「特定秘密」の指定の妥当性などをチェックする「情報保全監察室」」です。
「独立性の高い第三者機関を設置する必要があると承知しており、」とありますが、承知しているだけで実行する気はまるでなさそうです。「「情報保全監察室」を法的にも高度な独立性を備えた機関に移行するための法改正を検討する考え」が本気なら、秘密保護法とセットで行うべきですから本気ではないのでしょう。

まとめ

「情報保全諮問会議」 政府は、法律の公布後、速やかに「情報保全諮問会議」を設置するとしています。
保全監視委員会」  政府は、法律の施行までに内閣官房に設置するとしています。
「独立公文書管理監」 内閣府に設けられる予定の審議官級のポスト
「情報保全監察室」  設置する方針

いずれも曖昧極まりない状態ですね。

the_sun_also_rises 僕は秘密保護法は必要と思うし今国会での成立を歓迎する。但し正しく運用しなければ副作用も大きい法なのは忘れてはならない。チェック機関は重要だ。この機関が期待される機能を維持できるか見続ける必要がある。 2013/12/06

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013619961000.html

よく見たらこの自称保守は、「見続ける必要がある」と言っているだけですから、自分自身が見続けるつもりはないのかもしれません。


動2013:秘密保護法、きょう成立 首相周辺…維新が賛成しなければ「合意全部ほごと脅せ」

毎日新聞 2013年12月06日 東京朝刊
 特定秘密保護法案は5日夕、怒号が飛び交う参院国家安全保障特別委員会で可決された。同日夜、参院本会議に緊急上程されたが、2日連続の徹夜国会を避けるとの理由で、採決は6日午後に持ち越された。衆院通過(11月26日)から正味わずか1週間。慣例無視の「巨大与党の暴走」は成立直前で一時停止した。
 「徹夜なんてしない」。参院自民党幹部は5日夜、徹夜国会での法案採決見送りを突然言い出した。参院特別委の強行採決の勢いをかって一気に成立させる自民党執行部プランはこれで消えた。執行部の一人は「困ったもんだ」とぼやき「(野党との)チキンゲームには絶対に負けない」と険しい表情を見せた。
 法案採決に向け、与党側は、事実上、野党側を「無視」し続けてきた。参院特別委では、中川雅治委員長(自民)が職権で5日午後1時の審議を強行。民主党白真勲氏から「あなたは後刻理事会で協議すると言った。(それを翻して)採決しないですよね」と対応を非難され、日本維新の会室井邦彦氏から「理事会で野党の要求を一切受け入れない。通常国会もこういう対応なのか」とつき上げられても、同日夕の強行採決までひた走った。会期末の6日に採決を持ち越せば「野党の抵抗で不安定要素が増す」(公明党幹部)との判断からだった。
 参院自民党幹部は「(山崎正昭)議長は法案採決を最優先する。ほかの法案に影響が出れば野党の責任」と会期内成立に自信を示す。半日延ばしたことで、維新、みんなの党との調整時間も生まれた。「維新には、参院本会議に出て賛成しなければ合意を全部ほごにすると言って脅せと、現場(参院)には言ってある」。首相周辺は5日夜、不敵な笑みを浮かべた。
 ◇自民・城内氏「国連人権弁務官に謝罪させよ」
 国会の内外で高まる特定秘密保護法案への反対論に対する自民党内のいら立ちが5日朝、党本部で開かれた外交・国防合同部会で噴き出した。矛先が向けられたのは「『秘密』の定義が十分明確ではない」と特定秘密保護法案に懸念を表明した国連の人権部門のトップ、ピレイ国連人権高等弁務官
 「なぜこのような事実誤認の発言をしたのか、調べて回答させるべきだ。場合によっては謝罪や罷免(要求)、分担金の凍結ぐらいやってもいい」。安倍晋三首相に近い城内実外交部会長は怒りをぶちまけた。ピレイ氏は2日の記者会見で「表現の自由に対する適切な保護措置を設けず、法整備を急ぐべきではない」とも語っており、議員からは「そもそも内政干渉」「弁務官という立場は失格だ」などと強硬意見が相次いだ。
 5日の合同部会は、中国の防空識別圏を中心に議論する予定だったが、党側の意向で急きょ議題に加わった。国連では従軍慰安婦問題で日本批判がたびたび持ち上がり、自民党を刺激してきた経緯もある。中堅議員は「従軍慰安婦問題でも『日本はけしからん』と検証せず発言することが少なくない」と日ごろの鬱憤を晴らした。
 国連総会が指名する弁務官への罷免要求は現実的ではない。発言を理由に分担金をカットするのも先進国の対応としてはありえない。議論は終始、脱線気味だった。

http://mainichi.jp/shimen/news/20131206ddm005010074000c.html