じゃあ「低線量放射線と鼻血に因果関係がない事を示すデータ」を示してくださいよ
「低線量放射線と鼻血に因果関係がない」と断言している人の根拠って何ですかね?
Aという曝露に対して、Bという症状が起こるかを統計的に調べる場合、A曝露群とA非曝露群の2群で症状B発現率の違いを調べるわけです。この際に用いるのが仮説検定で、「曝露Aは症状Bと関係ない」という仮説(帰無仮説)を立てて、実験結果がその仮説を棄却できるかで判断します。
例えば、こんな感じの実験結果が得られたとします。
結果1 | 症状B発現あり | 発現なし |
---|---|---|
A曝露あり | 8 | 2 |
A曝露なし | 3 | 7 |
帰無仮説が正しい場合、つまり曝露Aは症状Bに関係ない場合、上記のような実験結果になる確率は2.45%です*1。2.45%という低い確率の結果が生じたというのは考えにくいため、帰無仮説を棄却して、曝露Aと症状Bは統計学的に有意な関係がある、と判断します*2。
では、次のような実験結果が得られた場合はどうでしょうか。
結果2 | 症状B発現あり | 発現なし |
---|---|---|
A曝露あり | 6 | 4 |
A曝露なし | 4 | 6 |
この時のp値は37.1%で、有意差は認められません。では、曝露Aと症状Bは因果関係がないと判断していいか、というと違います。差があるとは言えず、差がないとも言えないのです。
理由は簡単で、何も曝露Aと症状Bは因果関係がない場合でなくとも、上記のような同じ実験結果を有意差なしに得ることができるからです。例えば、曝露Aに症状Bの発現率を50%高める効果がある場合、点推定値は上記の実験結果に等しくなります。
要するに、結果1は曝露Aと症状Bは因果関係がないと得られにくいのに対し、結果2は曝露Aと症状Bの間に因果関係があってもなくても得られやすいわけです。つまり、実験結果で有意差があった場合は「関連あり」ですが、有意差がなかった場合は「関連なし」にはならず「わからない」ということです。
さて、
id:MersA
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/scopedog/20140516/1400262033
元記事のブコメでは脊髄反射で「悪魔の証明」って言ってる人が多いようだけど、実際には低線量放射線と鼻血に因果関係がない事を示すデータは沢山あるわけで、それ「悪魔の証明」ちゃうやろ!という指摘なら正しいな 2014/05/17
上記を踏まえて「低線量放射線と鼻血に因果関係がない事を示すデータ」を出してくださいな。沢山あるんでしょう?