鈴置高史氏によるデマの飽和攻撃に対して一部でも指摘しておく

鈴置高史氏の基本的な手法はデマの飽和攻撃です。大量の文章を書き、その一文ごとにデマや曲解、真偽不明な怪情報を挟み込み、嫌韓ウヨの自尊心をくすぐる結論に誘導するというやり口で、10年以上前なら嫌韓バカらがブログで書いていたような内容です。

「早読み 深読み 朝鮮半島」と称するデマ情報は「韓国はレミングの群れだ もう、止められない「北朝鮮との心中」【最終回】(1/8(火) 12:03配信 日経ビジネスオンライン)」で終了するとのことですが、別段、デマを指摘されて切られたわけでもないでしょうから、程なく別のデマ発信源を形成するでしょう。

ちなみに、鈴置氏が自身の記事の参考にしたサイトを二つ挙げています。

 記事を書くにあたって、匿名の方々にも支えられました。日本語で「シンシアリーのブログ」をお書きになる韓国の歯科医師さん。冷静な韓国人が「動乱の韓国」をどう見ているかを紹介するために、ブログを何度か引用させていただきました。
 「新宿会計士の政治経済評論」というサイトを主宰される公認会計士さん。日本の危機を防ごうと、専門知識をフルに発揮した評論を書いておられます。「通貨スワップと為替スワップについて、改めて確認してみる」など、大いに参考にさせていただきました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190108-43414741-business-kr

こんなのを参照しているんですから、鈴置記事のレベルも推して知るべしというところでしょう。

一応、鈴置記事にある虚偽の部分を指摘しておきます。

鈴置:自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件でも、それが露わになりました。韓国国防部に詰める記者たちは、自分の国の発表に疑問を持っています。
 「日誌・レーダー照射事件」をご覧下さい。12月21日、国防部は記者の携帯に文字メッセージを送り事件に関し説明したのですが、そこには「レーダーを使った」とちゃんと書いてあったのです。
 そこで21日から22日にかけ、韓国メディアは一斉に「火器管制レーダーも使ったが、北朝鮮の漁船を救助するためだった」との国防部と関係者の説明をそのまま報じました。
 ところが韓国での報道を見た日本の防衛省が22日「火器管制レーダーは捜索には使わないものだ」と国防部の嘘を暴いた。NHKも「レーダー照射は一定時間続いた」と報じ、意図的に哨戒機を狙ったと指摘しました。
 すると24日に国防部は一転、主張を変えました。「追跡(火器管制)レーダーからは一切電波を出さなかった」と言い出したのです。誤報させられた韓国記者は当然、自国の発表を疑うようになりました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190108-43414741-business-kr

鈴置氏は「21日から22日にかけ、韓国メディアは一斉に「火器管制レーダーも使ったが、北朝鮮の漁船を救助するためだった」との国防部と関係者の説明をそのまま報じ」たと言っていますが、韓国各紙の21日から22日の報道内容は以下の通りです。

ハンギョレ(2018年12月21日)は「射撃統制レーダーについた探索レーダー」と表現

当時の状況は20日、独島北東方向100キロメートル地点の公海上北朝鮮の船舶が漂流しているという情報により、韓国の海洋警察と共に海軍の駆逐艦が出動し捜索作業を10時間近く実施している過程で発生したという。韓国軍関係者は「当時、波が高く気象条件が良くなく、駆逐艦のすべてのレーダーを総動員していた」として「この過程で射撃統制レーダーについた探索レーダーが360度回転し撃った信号が日本海自衛隊のP1哨戒機に探知されたものと理解する」と話した。日本が主張するように射撃統制レーダーがP1哨戒機を直接狙ったわけではないということだ。岩屋防衛相は、韓国側に意図を尋ねたが応答がなかったと話した。しかし、韓国軍関係者は「人道主義的救助のための措置だったことを東京駐在武官を通じて日本政府に十分説明した」として「防衛相まで出て問題提起するとは理解しがたい」と付け加えた。海軍と海洋警察は、長い時間の捜索作業の末に北朝鮮船舶を確認し、漂流で疲れた船員を救助した。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/32409.html

「火器管制レーダーも使った」などとは言っておらず、「射撃統制レーダー」とは別個の「探索レーダー」を使用したと報じています。

朝鮮日報(2018年12月21日)は「作戦活動の際にレーダーを運用した」と表現

記事入力 : 2018/12/21 22:19
海自機に射撃レーダー照射 「追跡の目的ではない」=韓国国防部
【ソウル聯合ニュース】韓国の艦艇が20日、能登半島海上で射撃する際に使う火器管制レーダーを海上自衛隊のP1哨戒機に照射したことについて、韓国国防部は21日、記者団に「わが軍は正常的な作戦活動中だった。作戦活動の際にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と明らかにした。日本側の誤解との説明だ。
 また、「同事項について(日本側に)説明したが、日本側に誤解がないよう十分に説明する」との方針を示した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/21/2018122180137.html

朝鮮日報も、日本側が「火器管制レーダー」を照射されたと主張していることを報じつつ、韓国国防部の説明としてはただ「レーダーを運用した」とのみ記載しており、「火器管制レーダーも使った」などとは言っていません。

中央日報(2018年12月22日)も「作戦活動中にレーダーを運用した」と表現

日本「韓国軍艦艇、自衛隊哨戒機に火器管制レーダー照射」

2018年12月22日09時18分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
(略)
韓国軍は「日本側の誤解」という立場だ。ある海軍関係者は「この日、北朝鮮の遭難船のためにレーダーを稼働したのを日本が誤解し、この点をすでに日本側に説明した」とし「すでに午前からレーダーを稼働した状況だったため、日本を狙ったのではないことは明らかだ」と説明した。
国防部も担当記者団の携帯電話に文字メッセージを送り、「わが軍は正常な作戦活動中にレーダーを運用したが、日本海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と明らかにした。続いて「我々は(日本側に)説明したが、今後、日本側に誤解がないように十分に説明する」と述べた。
10月の国際観艦式の旭日旗掲揚をめぐる葛藤に続いて発生した今回の問題が両国関係にもう一つの悪材料として作用する可能性もある。海軍関係者は「わが軍が詳しく説明したが、日本防衛相がなぜこのような形で記者会見を開いたのか分からない」と当惑しながら語った。

https://japanese.joins.com/article/394/248394.html

中央日報も韓国軍の説明としてはただ「レーダーを運用した」とのみ記載しており、「火器管制レーダーも使った」などとは言っていません。

「21日から22日にかけ、韓国メディアは一斉に「火器管制レーダーも使ったが、北朝鮮の漁船を救助するためだった」との国防部と関係者の説明をそのまま報じました。」というのは鈴置氏による捏造

以上、見たとおり、ハンギョレ朝鮮日報中央日報も、21日から22日の時点で「火器管制レーダーも使った」などという表現は使っていませんので、そのように説明している鈴置氏の記載は虚偽です。

韓国のメディアは日本のメディアと違って、政権に忖度したりしませんので記者会見での追及はかなり厳しいと言えます。政府説明が曖昧な場合は忖度による補完をしたりせず、「レーダー」とのみ記載したり、「韓国軍関係者」などの情報として「射撃統制レーダーについた探索レーダー」などの表現で報じています。
そのため、記者クラブ頼みの日本メディアのように政権の誘導によって「誤報させられ」るといったことはあまり生じません。

「24日に国防部は一転、主張を変えました」というのもデマ

上記報道からもわかるように、韓国国防部は当初から「正常な作戦活動中にレーダーを運用したが、日本海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と主張しています。
24日の国防部記者会見では合同参謀本部の要員が詳細に説明していて、遭難船のためにMW-08を使用したが、(日本側が火器管制レーダーと呼んでいると思われる)STIRは稼動していない、と答えています。当初の説明を詳細にしただけで、主張そのものは何も変わっていません。

すなわち「24日に国防部は一転、主張を変えました」というのも鈴置氏によるデマです。


この記事に限らず、鈴置氏の記事はそのほとんどにおいて、デマや曲解、真偽不明な怪情報が盛り込まれていて、それを指摘しようと思うと、それに倍する字数が必要になります。
このデマの飽和攻撃を食い止めることは事実上不可能ですので、読む方にもう少しリテラシーを持ってもらいたいものですが、鈴置記事を真に受けて嫌韓バカの成分を体内に取り込んでしまう被害者が後を絶たないの現状です。

そうでなくても、デマをばら撒き、憎悪を煽る連中がそのヘイト記事で金儲けし、極右政府に媚を売るという有様ですからね。

やってらんねー、って気分です。



日本「韓国軍艦艇、自衛隊哨戒機に火器管制レーダー照射」

2018年12月22日09時18分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment334 share mixi .
韓国海軍の艦艇が20日、日本自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを照射したと、岩屋毅日本防衛相が21日明らかにした。これに対し韓国国防部は艦艇は正常な作戦活動でレーダーを運用し、自衛隊哨戒機を照射したというのは日本側の誤解だと説明した。
21日の共同通信など日本メディアによると、岩屋防衛相はこの日晩に記者会見を開き、韓国海軍艦艇が20日午後3時ごろ石川県能登半島沖の海上海上自衛隊のP-1哨戒機にレーダーを照射したと明らかにした。
岩屋防衛相は「火器管制レーダー照射は実際の火器の使用に先立って実施する行為であり、不測の事態を招きかねず、非常に危険な行為と言わざるを得ない」とし「韓国側に強く抗議し、再発防止を求めた」と述べた。
日本メディアも岩屋防衛相の記者会見内容をトップニュースで報道し、今回の状況の深刻性を強調した。NHKはメインニュースの3番目に今回の事件を扱った。複数の防衛省幹部は放送で「韓国軍との間でこのような問題が生じたことはなかった」とし「韓国軍側の意図を詳細に調べる必要がある」と述べた。
韓国軍は「日本側の誤解」という立場だ。ある海軍関係者は「この日、北朝鮮の遭難船のためにレーダーを稼働したのを日本が誤解し、この点をすでに日本側に説明した」とし「すでに午前からレーダーを稼働した状況だったため、日本を狙ったのではないことは明らかだ」と説明した。
国防部も担当記者団の携帯電話に文字メッセージを送り、「わが軍は正常な作戦活動中にレーダーを運用したが、日本海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と明らかにした。続いて「我々は(日本側に)説明したが、今後、日本側に誤解がないように十分に説明する」と述べた。
10月の国際観艦式の旭日旗掲揚をめぐる葛藤に続いて発生した今回の問題が両国関係にもう一つの悪材料として作用する可能性もある。海軍関係者は「わが軍が詳しく説明したが、日本防衛相がなぜこのような形で記者会見を開いたのか分からない」と当惑しながら語った。

https://japanese.joins.com/article/394/248394.html