苦情はちゃんと言った方がいいのだろう。

石原都知事歴史修正主義の同類、上田埼玉県知事が教科書採択に関して教育委員会に圧力をかけた問題。
伊藤博文暗殺事件について、「射殺」という表現を使ったのが気に入らないから、そのような教科書を採択するな、と教育委員会を脅しているわけですが、「射殺」とかは言いがかりに過ぎず、実際は気に入らない教科書、はっきり言えば、歴史修正主義の教科書以外の教科書を不採択にしたいだけでしょう。

埼玉知事が「選んではいけない」とした歴史教科書を県教委が採択
(略)同校の教科書を採択した県教育委員会は知事とは独立した機関だが、25日に決まる採択結果は注目を集めそうだ。
(略)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110818-00000564-san-soci

ご丁寧に産経新聞が、上田知事の脅迫が25日の教科書採択に向けられたものである事を改めて説明し、埼玉県教育委員会に対する脅しの効果を助長しています。

一方、県立伊奈学園中学校では現在、日本文教出版の教科書「中学社会歴史的分野」が採用されている。この教科書では、日本が朝鮮半島を併合した事実を説明する中で、「初代韓国統監だった伊藤博文が民族運動家の安重根に射殺される事件も起こりました」と記述している。
(略)
 この事件については、教育出版も「射殺」の表現を使用。県内ほとんどの地域で採用されている東京書籍の教科書では、事件自体に触れられていなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110818-00000564-san-soci

産経新聞は、さらにご丁寧に、どの教科書かも特定し、上田知事の脅迫がどの教科書に向けられたものかを説明しています。産経新聞は脅迫行為の共犯者と言えます。


さらに次のような一文で、上田知事や産経新聞と言った一部極右の不当な要求である事を糊塗することも忘れません。

 県によると、知事の発言について県民から18日までに10件程度の意見が電子メールで寄せられ「(教科書問題を)憂慮していたが、こんな知事がいれば心強い」「よくぞ言ってくれた」などの内容で反対意見は1件もなかったという。

上田知事の脅し発言は16日、「18日までに10件程度の意見」というとわずか2日間です。で、10件程度ってほとんど注目されてないってことですね。だからわざわざ産経新聞がリマインドしたってことでしょうか。
とは言え、「反対意見は1件もなかった」というのは気に入らないので、反対意見を出しておきます。


とりあえず、ここでいいでしょう。
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/teigen/



ところで、

 「新明解国語辞典」(三省堂)によると、「暗殺」の意味は「政治上の対立から反対派を殺すこと」。「射殺」の表現では伊藤博文が当時の日本の要人だったことはうかがえない。

とか書いてますが、問題の教科書に伊藤博文が初代首相であったこととか書いてないなら問題ですが、そんなことはまずないでしょうから「伊藤博文が当時の日本の要人だったこと」はわかりきってる話です。「射殺」表現なんて結構あちこちにありますから、いかに無理やり非難しているかわかります。

「暗殺」の意味は「政治上の対立から反対派を殺すこと」なら、閔妃殺害についても暗殺と書くべきですが、それについてはどうなんでしょうね。