“軍紀厳正な皇軍”の実態・続き

先日の「日本軍による強姦多発→慰安所設置という発想」の記事では省略した部分。

(P26/349)
五、 右ノ外討伐部隊カ戦闘上ノ必要ニ基クニ非ラスシテ単ニ敵兵ノ存在セシ故ニ或ハ住民地附近ノ交通ヲ匪賊カ破壊セリトノ理由ニ依リ住民ノ家屋ヲ焼却スルカ如キハ徒ニ無辜ノ住民ヲシテ自暴自棄ニ陥リ匪賊ニ投セシムル結果トナルヲ以テ住民地ノ焼却ハ厳ニ之レヲ禁止スルヲ要ス近時各遊撃部隊ハ県政府ヲ作リ相当組織アル行政ニ布キアルヲ以テ討伐部隊ノ行為住民ヲ庇護スルノ態度ニ出テサルニ於テハ住民ヲシテ日本軍ヨリモ反ッテ遊撃部隊ヲ徳トスルニ至ラシムヘシ

http://www.awf.or.jp/pdf/0051_2.pdf

日本兵による強姦以外にも戦闘上必要がないのに中国人住民の家屋を焼き払うなどの行為を行っていると、1938年6月時点で北支方面軍参謀長が認識していました。
家屋を焼き払われ生活の糧を奪われた住民は生きる為にやむなく匪賊となってしまう。既にこの時期、特に中共の遊撃隊が解放区を作りはじめており、県政府といった相当規模の組織を運営しつつあったため、匪賊となった住民達は中共解放区に合流することになる。そういう懸念がなされています。

日本軍の討伐部隊が住民を庇護する態度であれば良いのでしょうが、戦闘に関係なく住民の家を焼き払うようでは住民が中共側の味方をするのも当然でしょうね。

そして以下に続きます。

六、 前述ノ諸項ハ従来屡々注意セラレシ所ナルカ其徹底特ニ実行部隊タル中隊以下ニ対スル徹底十分ナラサル感アリ此際特ニ下級部隊ヘノ徹底ヲ期シ信賞必罰ヲ以テ臨マレ度ク命ニ依リ通牒ス

http://www.awf.or.jp/pdf/0051_2.pdf

現場部隊は上層部がどんだけ言っても言うこと聞かずに勝手に住民を迫害していたわけですね。