ドイツでCDU/CSUとSPDの大連立が成立し、メルケル首相続投の見通しになりました。
http://www.afpbb.com/articles/-/3005096社会民主党が「大連立」承認、メルケル首相3期目へ ドイツ
2013年12月15日 11:10 発信地:ベルリン/ドイツ
【12月15日 AFP】ドイツの中道左派・社会民主党(SPD)は14日に党員投票を行い、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の下で「大連立」政権に参加することを圧倒的賛成多数で承認した。メルケル首相の3期目続投に向けて残されていた最後の障害が取り除かれたことになる。
SPD幹部によると、党員ら約47万5000人を対象に郵便で行った投票の結果、有効投票の76%が中道右派との連立協定を支持した。前例のない拘束力を持つものとして実施された今回の投票の投票率は約78%に達した。ジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)SPD党首にとっては、9月の総選挙でメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)に大敗を喫して以来の全面的な「勝利」となった。
今回のSPDの党員投票の結果を受け、メルケル首相はドイツ連邦議会(下院)で正式に首相に選出される見通しだ。第二次世界大戦後、同国で初めて3期目を務める首相となる。(c)AFP/Deborah COLE
2013年9月の総選挙でCDU/CSUが「大勝」しSPDが「大敗」したと報じられていましたが、それは議席数の増減・多寡の判断で、政権運営上は調整が必要な状態でした。
政党名 | 2013年9月議席数 | 得票率 | 2009年9月議席数 | 得票率 | 2005年議席数 | 得票率 |
---|---|---|---|---|---|---|
CDU/CSU*1 | 311 | 41.5% | 239 | 33.8% | 226 | 36.8% |
SPD*2 | 192 | 25.7% | 146 | 23% | 222 | 36.2% |
FDP*3 | 0 | 4.8% | 93 | 14.6% | 61 | 9.9% |
左派党 | 64 | 8.6% | 76 | 11.9% | 54 | 8.8% |
緑の党/同盟90 | 63 | 8.4% | 68 | 10.7% | 51 | 8.3% |
合計 | 630 | - | 622 | - | 614 | - |
CDU/CSUは70議席以上の伸びを示しましたが、311議席では過半数に及ばず、連立を組める右派政党FDPが90議席以上を失い0議席となったため中道右派連立の継続も不可能という状況でした。一方で、SPDはCDU/CSUには議席数で負けたものの、選挙前から比べれば40議席以上伸びており、左派政党である左派党64議席、緑の党と63議席とあわせると319議席の過半数を取ることができる状態です。もっともSPDは左派党・緑の党との連立には否定的でした。
結果としてCDU/CSUが選んだのが、SPDとの大連立です。しかし、SPDにとって大連立は2009年選挙で大量の議席を失った原因の一つでもあり鬼門と言えました。SPDが連立協定について党員らによる投票結果で決定したのもその辺が理由かも知れません。
こういうニュースもその辺を踏まえて理解すべきなんだろうな、と思います。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131218-OYT1T00226.htm独「日本との友情、外交の支柱」…中国より先に
【ベルリン=工藤武人】ドイツの大連立政権は連立協定で、「日本との友情は独外交の支柱」と明記した。
メルケル首相はこれまで中国と積極的に関係強化を図ってきた一方、首相の訪日は2008年以降、途絶えている。協定では、日本に関する記述を中国より先に持ってきており、中国の人権問題への懸念などを踏まえ、対日関係を前向きに見直す可能性がある。
協定では、欧州連合(EU)と日本が交渉中の経済連携協定(EPA)の締結支持も明確に打ち出した。中国に対しては関係拡大への意欲を表明しつつ、人権状況の改善で注文も付けた。
(2013年12月18日14時15分 読売新聞)