軍事政権時代は論外にしても、今の韓国司法は日本と同レベルには独立していると思いますよ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141112-00000099-san-kr沈没船船長に懲役36年 韓国の司法、独立性示す 政府の意向反映したケースも
産経新聞 11月12日(水)7時55分配信
【ソウル=藤本欣也】韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、光州地裁は11日、船長が問われた殺人罪については無罪と認定した。韓国の司法は政府の意向や世論の動向の影響を受けやすいともされる中で、厳罰を望む国民感情などを前にしながらも、司法の独立を示した形だ。
死者・行方不明者304人を出した今回の事故をめぐっては、朴槿恵(パク・クネ)大統領が4月下旬、乗客の救助活動に当たらず真っ先に船を脱出した船長を念頭に、「殺人に等しい行為だ」と激しく非難。その後、検察当局が殺人罪での起訴に踏み切った。このため立証の難しい殺人罪での起訴は、朴大統領の意向に沿った措置とも指摘されていた。
昨年1月には、靖国神社に放火した後、在韓日本大使館に火炎瓶を投げて韓国で服役した中国人を、ソウル高裁が政治犯と認定。日韓犯罪人引渡条約に基づく日本への引き渡しを認めない判断を下している。
このときは中国政府が韓国側に、日本へ引き渡さないよう要求していた。韓国司法が政府の意向に左右されやすいとされたケースだ。
ソウル中央地検は先月、朴大統領への名誉毀損(きそん)で産経新聞の加藤達也前ソウル支局長を在宅起訴した。
これも大統領府が民事・刑事上の責任追及を明言した直後に、検察が加藤前支局長に出頭を要請するなど政治的側面が指摘されている。
27日に始まる公判では、韓国が法治主義に拠(よ)って立つ国家であるか否かを国際社会が見守っている。
死刑求刑した時点で検察が政府の意向に沿っているという観は確かにありますが、裁判所がそれに乗っからないのは不思議でも何でもありません。少し違いますが、憲法裁判所が戦後補償問題で政府が日本側と交渉しないのは違憲と判決*1をくだしていますけど、こんなの韓国政府の意向でも何でもありませんからね*2。この判決のせいで朴政権は対日外交の方針をかなり縛られてしまったわけで、元慰安婦や支援団体にとっては好ましい判決でも政府にとっては苦々しい判決でしかありません。韓国は全て一枚岩の反日とか夢想している単純思考の人には理解できないでしょうけど。
産経は靖国に放火した犯人を日本に引き渡さなかった件を、政府の意向に沿っているとか言ってますけど、あの件もそもそも政治犯認定されても不思議ではない事例ですからねぇ(参照1、参照2)。当時、日本ではこぞって韓国の決定を非難していましたが、あれを明確に根拠を挙げて政治犯ではありえないことを論証した人っていましたっけ?ほとんどが「日本に政治犯などありえない」っていう情緒的な感情論ばかりでしたが。
あと、産経が外国元首を性的侮辱する記事に対して名誉毀損が問われた事件についても書いてますが、これって検察が韓国政府の意向にそっているという指摘はできますが、裁判所の判断が出ていない以上、現時点では勇み足としかいえない記述ですよね*3。
いやまあ、名誉毀損されたのが大統領であろうが一般人であろうが、法的に平等に扱うなら有罪判決が出る可能性は高いとは思いますけどね。首相であっても信教の自由はあると言って靖国参拝を擁護している連中には文句言う資格はないとも思いますが。
ちなみに、そもそも韓国は死刑執行をモラトリアムしている事実上の死刑廃止国*4ですから、死刑判決が出たとして事実上は無期懲役なんじゃないですかね。判決が出たというだけでも死刑反対の立場からは指摘されうるでしょうけど。