北朝鮮に関する二つの記事と総選挙の争点としての外交政策について

二つの記事の一つ目。

北の核攻撃、東京・ソウルで死者210万人試算

10/5(木) 18:20配信 読売新聞
 【ワシントン=海谷道隆】米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮問題研究グループ「38ノース」は4日、北朝鮮が複数の核搭載ミサイルで東京と韓国の首都ソウルを攻撃した場合、死者が最大約210万人に達するとの試算を発表した。
 爆発威力がTNT火薬換算で15~25キロ・トンの25発の核ミサイルを2都市に発射したと仮定。東京で約20万~約94万人、ソウルで約22万~約116万人の死者が出るとした。ミサイル防衛による迎撃などを想定し、爆発成功率を20~80%として被害を見積もった。
 北朝鮮が9月に行った核実験の爆発威力は、日本政府推定で約160キロ・トンで、広島に投下された原爆(15キロ・トン)の10倍以上。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171005-00050089-yom-int

安倍政権は北朝鮮に対しては対話せず、圧力だけをかけ続ける外交政策を取っています。もちろん、その結果として北朝鮮が暴発し日本に対する核攻撃を行ってきたとしても受けて立つ覚悟があるのでしょう。安倍自民政権を支持する有権者も、たとえ20~94万人の日本人が核の炎で殺されようとも北朝鮮に対して毅然と圧力をかけるべきだ、と考えているからこそ安倍政権を支持していることと思います。

すなわち、今回の選挙の争点は、日本人*120~94万人の命と引き換えにしてでも北朝鮮に圧力をかけるべきと思うなら、自民に投票、いやいや対話も併用して平和的に解決するべきと思うなら自民以外の野党に投票、ということになりますね。


二つ目。

「朝目覚め、ロス核攻撃の決断ない」CIA分析

10/5(木) 21:17配信 読売新聞
 【ワシントン=海谷道隆】米中央情報局(CIA)の北朝鮮専門家は4日、北朝鮮の長期目標は、核保有国であることを米国に認めさせ、「在韓米軍を朝鮮半島から撤収させる合意を米国と結ぶ」ことにあるとの分析を明らかにした。
 同局で北朝鮮の核・ミサイルの脅威を分析する「朝鮮ミッションセンター」幹部のヨンスク・リー氏がワシントンでの会合で語った。
 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長については「非常に合理的だ」と述べ、体制崩壊につながる米国への核攻撃に踏み切る可能性は低いとの見方を示した。
 リー氏は、正恩氏が「あらゆる独裁者が望むように、長期間統治し、自分のベッドで平和に死にたいと願っている」と指摘。「朝目覚めて、ロサンゼルスに核攻撃しようと決断することはない」と述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171005-00050105-yom-int&pos=1

北朝鮮の長期目標は、核保有国であることを米国に認めさせ、「在韓米軍を朝鮮半島から撤収させる合意を米国と結ぶ」ことにある」として、金正恩氏はそのために合理的に動いているとのことです。すなわち、対話の余地があるということです。
「核やミサイル開発を継続する北朝鮮に対して、経済制裁の強化とともに「対話による平和的な解決」を目指す」*2という共産党外交政策の方が、対話を拒否して圧力一辺倒の安倍政権の外交よりもよほど現実的だと言えそうです。



*1:ここでは、国籍に関係なく日本にいる人全てを指す。

*2:共産党 公約発表 森友・加計疑惑究明 安保関連法廃止など | NHKニュース