米朝関連の雑感

トランプ氏、北の崔善姫氏の談話に「会談することは良いこと」(9/10(火) 8:16配信 中央日報日本語版)
北、米への対話提案翌日に「未詳の飛翔体2発発射」(9/10(火) 10:13配信 中央日報日本語版)

この二つは、北朝鮮が米国に対して9月下旬ごろの協議を呼びかけ、その直後に飛翔体を発射したというもので、「追加の飛翔体挑発は北朝鮮が対米交渉力を高めるためのものだとの解釈」があるようです。
しかしもっと単純に、北朝鮮は“あくまでも米国と対等の立場で平和・非核化交渉を行うのであって、米国に屈して非核化に応じるのではない”という姿勢を内外に明確にするという理解で良さそうに思います。

トランプ大統領は、自分は北朝鮮情勢をコントロールできている、と国内にアピールしていますから、北朝鮮に長距離弾道ミサイル核兵器の実験をやられたら面子丸つぶれになります。“それは避けたい、少なくとも今は”というのがトランプ大統領の現在の状況でしょうから、本心では北朝鮮の短距離弾道ミサイル等の実験に対しても不愉快であっても、許容して余裕のある態度を示さざるを得ません。

北朝鮮側もおそらくはそれを見越した上で、頻繁に短距離弾道ミサイル等の実験で米側に圧力をかけているという状況に見えます。

で、こうです。
米大統領、ボルトン氏を解任 イラン・アフガン政策などで対立(2019年9月11日 / 01:28 /)

北朝鮮の基本方針は一言で言えば、“対話はするが降伏はしない”です*1

ボルトン氏はトランプ政権内にあって“降伏以外は認めない”という交渉姿勢を主張していました。

ここでボルトン氏を解任したことで、北朝鮮に対しては“米国は北朝鮮に対して降伏勧告以外の交渉をする用意がある”というメッセージになっているでしょう。

そんなわけで、とりあえずは米朝交渉が再開しそうですが、そこで米側がどの程度の現実味の案を持ってくるかがカギですね。

国家レベルで見れば米国にとって北朝鮮は何らおそるるに足らない相手ですが、トランプ政権としてみた場合、北朝鮮が核実験再開したり米韓同盟が崩れ韓国や日本が核武装を志向したりすれば、北東アジア外交が破滅的に失敗したとして米国内から糾弾され再選もおぼつかなくなるという見逃せないリスクがあります。
そこに交渉が成立する余地があるわけですが、さてどうなりますか。