“国民の共鳴得られた”のは事実だと思うが。

この件。
「枝野」&「立憲民主党」が大躍進でも“国民の共鳴得られた”の大ウソ(10/23(月) 7:00配信 デイリー新潮)

安倍に弓する勢力は一切許さん、という雰囲気が出てきた感じ。

もちろん立憲民主党の健闘には、判官びいきや追い風の影響があったのは確かでしょうけど、積極的な支持層がいないわけでも全員が全員仕方なしに投票したわけでもありません。

立憲民主党の躍進は、小池代表の「排除」発言という自爆が原因」?

積極的な支持層は存在するのか?

 テレビ朝日の選挙特番「選挙STATION 2017」では、富川悠太キャスターも、
「街頭演説では『エダノン、エダノン』という黄色い声援が若い女性からも飛んでいまして、こんなに風が吹くというのは、ご自身、思っていらっしゃいました?」
 と、媚びるような質問を発していた。世論の人気を考えれば当然だったのかもしれない。
 しかしながら、同党の福山哲郎幹事長(55)のように「国民の皆さんの共鳴を得られ、力強い選挙戦を展開できたと思う」とテレビの開票速報番組で総括したとなると、さすがに事実には反するだろう。
 立憲民主党の躍進は、小池代表の「排除」発言という自爆が原因なのは間違いない。少し冷静になれば誰にでも分かる。「安倍は嫌いだし、小池も駄目だ。仕方ないから枝野のところへ投票しよう」という有権者が投票したのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00531816-shincho-pol

前原クーデターは2017年9月27-28日、小池代表の「排除」発言は2017年9月29日、立憲民主党設立は2017年10月3日。「排除」発言が設立を促したのは確かでしょうが(排除されたら行き場がないのですから)、それだけなら躍進はしなかったんじゃないですかね。「排除」される議員が有権者から全く期待されていないのなら、判官びいきにすらならなかったでしょうから。「安倍は嫌いだし、小池も駄目だ。」で立憲民主党にも期待しないのなら、そもそも投票すらしなかったでしょうし。
内閣不支持層の期待が、希望から立憲民主に流れたというのを「「仕方ないから枝野のところへ投票しよう」という有権者が投票した」と表現するのはミスリードというか印象操作ですね。
こんな世論調査が出ています(朝日新聞)。

(引用者注:10月17、18日の朝日新聞世論調査
 立憲に「期待する」は31%、特に内閣不支持層では48%が「期待する」と答えた。支持政党別では、自民支持層の20%、共産支持層の45%が「期待する」と答えた。一方、希望に「期待する」は29%で、9月26、27日実施の前々回45%、前回(引用者注:3、4日実施)の35%から連続の減少。「期待しない」が60%にのぼった。

http://www.asahi.com/articles/ASKBL3V1XKBLUZPS001.html

共産党にアレルギーを示す「“左翼”的な有権者」が立憲民主党に投票した?

 共産党が告示前の21議席から、12議席と半減近い状態になったことも注目に値する。ここも立憲民主党の票田となった可能性が高いからだ。いわゆる“左翼”的な有権者でも、共産党にだけはアレルギーを示す層は少なくない。前回は受け皿がなかったことから共産党に流れたが、今回は安心して鞍替えをしたのだろう。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00531816-shincho-pol

これも印象操作ですね。上で引用した世論調査では立憲民主党に「共産支持層の45%が「期待する」」と答えています。別に共産党にアレルギーを示したのではなく、共産党支持者が立憲民主党を支援したわけです。共産党にしてみれば自分たちの票田を割いてまで立憲民主党を応援したわけですが、協力体制が不十分なため共産党議席を減らしたというのが妥当な解釈でしょう。今後、自民・公明方式の選挙協力体制*1を確立できれば、自公独裁に対抗できる可能性はあります。まあ、それまでまともな選挙ができる状態が続けばの話ですが。

個人的な話として、私が投票した選挙区では立憲民主党候補がおらず、共産党候補は勝ち目の薄い候補しかいませんでしたので、やむなく小選挙区共産党、比例で立憲民主党に投票しています。こういう選挙区は結構あったはずで、この影響で共産党はかなりの票数を失ったと思います。選挙協力を続ける上でここは改善すべきところでしょう*2

積極的な立憲民主党支持層は?

報道ステーション世論調査では、9月*3から10月*4までに民進党の支持率は4.2%減少し、7.1%となっています。希望の党は10月時点で9.6%の支持率を持っており、比例での投票先としては、14%となっていました。この立憲民主党成立直前では、民進党支持者の多くが“仕方なく”希望の党に投票するつもりだったのでしょう。これが立憲民主党が成立したことにより回帰したと見るのが自然で、それらは当然積極的な立憲民主党支持層と言えます。また、読売新聞の出口調査では、民進党支持者の58%が立憲民主党に投票しています*5
この支持層は前回選挙でも民進党に投票したと考えられますので、「前回は受け皿がなかったことから共産党に流れたが、今回は安心して鞍替えをしたのだろう」という新潮の推測は間違っていると思われます。

「野党の議席を取り合った」のは確かだけど、仕掛けたのは誰かというのが重要。

「野党の議席を取り合っただけ」という質問

 となると、立憲民主党は野党には勝ったが、与党には負けたという分析も可能だ。実際、22日夜の記者会見で、NHKの記者が以下のように質問している。
「今回の選挙は躍進が伝えられる一方で、自民党過半数を大きく上回る結果となりそうです。安倍政権の継続の阻止を訴えてこられた中で、野党の議席を取り合った、という結果に終わってしまいそうなんですが、それに対してどう思われるでしょうか?」
 これに対し、枝野代表は「最終的な結果を分析しないと分からない」としながらも、次のように答えた。
「理念政策をぐらつかせてまで自民党に対抗する大きな塊を作るというのは、反省を含めてですが、国民の皆様の間に拒否感があったというのも今回証明されたと思っています」
 この「大きな塊を作るのは、国民の間に拒否感がある」という枝野代表の認識は、非常に強固なようだ。先のテレビ朝日の特番でも、富川キャスターから「無所属の皆さん、または民進党から希望に移った皆さん、考えが一緒であれば、合流するという考えがありますか?」と問われると、「そういうご質問にお答えをしていると、多分、権力ゲーム、数合わせをやっていると誤解されるんだと思います」と一蹴している。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00531816-shincho-pol

今回の衆院選について言えば、民進党は共産党を含めた野党四党で協力体制が構築されていました。小池氏が希望の党を立ち上げたりしなければ、あるいは希望の党が野党協力に積極的であれば、野党の議席を取り合う結果にはなりませんでした。ですが、小池希望は民進党から議員を離反させ分断し、前原代表を抱きこんで民進党内のリベラル排除を行った結果、野党共闘が崩れたわけです。小池希望は、立憲民主党設立後も希望から離脱した民進党議員に刺客を送り込むなど積極的に野党分断を謀っています。
新潮の論調では、野党協力が大事なら一方的に排除されても黙って排除されてろと言ってることになり、論外です。

「枝野代表が、希望の党との合流や、無所属議員の取り込みを避けているという点は、小池代表の「排除」と基本的には変わらない」?

 枝野代表が、希望の党との合流や、無所属議員の取り込みを避けているという点は、小池代表の「排除」と基本的には変わらない。だが、この発言に対して、今のところ世論の激しい反発は起きていないようだ。
 その理由は、立憲民主党を「未来の与党」と期待する層が少ないからだ。小池代表には一瞬、「日本初の女性首相誕生か」という期待が集まった。だから「排除」発言の落胆も大きかった。だが枝野代表を支えたのは同情票に過ぎない。安倍・小池両氏に「お灸を据えよう」とした有権者が大多数だ。本格的に議席数を伸ばさなくても構わないのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00531816-shincho-pol

どんな評価軸を持てば立憲民主党希望の党や無所属議員との合流に慎重であることが、「小池代表の「排除」」と同じに見えるのかがわかりません。
希望小池氏の「排除」が問題なのは、全候補が希望に公認される前提で民進党と合流し民進党は公認しないことを決定したにもかかわらず、思想選別で立候補できない状態を作って追い込んだからです。それも選挙直前に。
選挙が終わった後に当選した議員や政党と合流することを避けるという話とは全く違います。
それを勝手に理由をこじつけて、立憲民主党やその支持層を貶める解釈を開陳しているあたりも印象操作といわざるを得ませんね。

立憲民主党希望の党や無所属議員との合流に慎重である理由

基本政策で全く異なっていれば、合流と言う話は生じないのは当然です。まして立憲民主党の議員らは希望の党から排除対象とされた人たちですし。
それ以上に重要なのが、トロイカ体制崩壊後に求心力を失った民主党の轍を踏めないという点でしょう。
前原代表からお荷物扱いされ排除対象とされた民進党左派から生まれた立憲民主党は少ないながらも野党第一党となりました。当然ながら野党再編にあたっても中心的な役割を担うべきであり、いたずらに権力を分散させるような愚は犯せません。
まして、希望の党は代表が逃亡して設立議員は落選する有様です。党公認を条件にやむなく希望に降った民進党議員もいますから、そういった議員をどう救済するのかも考える必要があります。希望の党議席数は、安倍政権が改憲のてこ入れとして欲しいところでしょうから、希望の党は全員“敵”とみなすのは得策ではありません。
その意味では、もう少しかけひきが必要になるでしょうね。



「枝野」&「立憲民主党」が大躍進でも“国民の共鳴得られた”の大ウソ

10/23(月) 7:00配信 デイリー新潮

枝野代表が男を上げたのは事実とはいえ…

 改めて「判官びいき」の意味を確認すれば、源義経に対する同情だ。これが今回の衆院選立憲民主党が“大躍進”を果たした最大にして唯一の理由だろう。鎌倉幕府誕生のドラマにならえば、義経枝野幸男立憲民主党代表(53)であり、頼朝が小池百合子希望の党代表(65)というわけだ。
 ***
 確かにマスコミが飛びつくだけのインパクトはあった。そもそも衆院の定数が10減となり、大半の政党が公示前より議席を減らした。ところが立憲民主党だけは15議席を54議席と3倍以上にしてしまったのだ。(議席数は23日午前7時現在、以下同)
 確かに枝野代表の人気は高い。小池代表の「踏み絵」発言もあり、野党議員の多くは“風”を求めて右往左往する醜態を演じた。だが枝野代表は筋を通して新党を立ち上げた。タカ派で知られた石原慎太郎氏(85)さえツイッターで「本物の男に見える」と絶賛。まさに男を上げた。

積極的な支持層は存在するのか?

 テレビ朝日の選挙特番「選挙STATION 2017」では、富川悠太キャスターも、
「街頭演説では『エダノン、エダノン』という黄色い声援が若い女性からも飛んでいまして、こんなに風が吹くというのは、ご自身、思っていらっしゃいました?」
 と、媚びるような質問を発していた。世論の人気を考えれば当然だったのかもしれない。
 しかしながら、同党の福山哲郎幹事長(55)のように「国民の皆さんの共鳴を得られ、力強い選挙戦を展開できたと思う」とテレビの開票速報番組で総括したとなると、さすがに事実には反するだろう。
 立憲民主党の躍進は、小池代表の「排除」発言という自爆が原因なのは間違いない。少し冷静になれば誰にでも分かる。「安倍は嫌いだし、小池も駄目だ。仕方ないから枝野のところへ投票しよう」という有権者が投票したのだ。
 共産党が告示前の21議席から、12議席と半減近い状態になったことも注目に値する。ここも立憲民主党の票田となった可能性が高いからだ。いわゆる“左翼”的な有権者でも、共産党にだけはアレルギーを示す層は少なくない。前回は受け皿がなかったことから共産党に流れたが、今回は安心して鞍替えをしたのだろう。

「野党の議席を取り合っただけ」という質問

 となると、立憲民主党は野党には勝ったが、与党には負けたという分析も可能だ。実際、22日夜の記者会見で、NHKの記者が以下のように質問している。
「今回の選挙は躍進が伝えられる一方で、自民党過半数を大きく上回る結果となりそうです。安倍政権の継続の阻止を訴えてこられた中で、野党の議席を取り合った、という結果に終わってしまいそうなんですが、それに対してどう思われるでしょうか?」
 これに対し、枝野代表は「最終的な結果を分析しないと分からない」としながらも、次のように答えた。
「理念政策をぐらつかせてまで自民党に対抗する大きな塊を作るというのは、反省を含めてですが、国民の皆様の間に拒否感があったというのも今回証明されたと思っています」
 この「大きな塊を作るのは、国民の間に拒否感がある」という枝野代表の認識は、非常に強固なようだ。先のテレビ朝日の特番でも、富川キャスターから「無所属の皆さん、または民進党から希望に移った皆さん、考えが一緒であれば、合流するという考えがありますか?」と問われると、「そういうご質問にお答えをしていると、多分、権力ゲーム、数合わせをやっていると誤解されるんだと思います」と一蹴している。
 枝野代表が、希望の党との合流や、無所属議員の取り込みを避けているという点は、小池代表の「排除」と基本的には変わらない。だが、この発言に対して、今のところ世論の激しい反発は起きていないようだ。
 その理由は、立憲民主党を「未来の与党」と期待する層が少ないからだ。小池代表には一瞬、「日本初の女性首相誕生か」という期待が集まった。だから「排除」発言の落胆も大きかった。だが枝野代表を支えたのは同情票に過ぎない。安倍・小池両氏に「お灸を据えよう」とした有権者が大多数だ。本格的に議席数を伸ばさなくても構わないのだ。

有権者立憲民主党の“正体”に気づく日

 見方を変えれば、枝野代表は弁護士らしいクレバーさを発揮しているとも言える。たとえ野合と言われてもいいから連携しようとしても、全く動けないのだ。
 希望の党参院民進党、無所属当選者の一部を「排除」しているのは、手を結んでも旧民進党が復活するだけという馬鹿馬鹿しい結果に終わるからだろう。たちまち有権者は怒り、かつ呆れるのは間違いない。
 ならば共産党社民党と接近しようとしても、政策の違いが大きすぎる。何よりも立憲民主党の支持母体は連合左派だ。特に共産党とは犬猿の仲と言っていい。何のことはない、野党再編の起爆剤となれないことを自覚しているからこそ「この旗でやっていく」「数合わせの政治ゲームには参加しない」と孤高を気取るしかないのである。

週刊新潮WEB取材班
2017年10月22日 掲載

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00531816-shincho-pol

無党派、投票先が分散…批判票割れ自民有利に

10/23(月) 9:14配信 読売新聞
 読売新聞社日本テレビ系列各局は22日、出口調査を共同実施した。
 無党派層の比例選での投票先では、立憲民主党が3割、希望の党が2割強で、政権批判票が割れる結果となった。
 比例選で無党派層の支持を最も集めたのは、立憲民主で30%。希望が22%、自民党が19%、日本維新の会は9%、共産党が8%、公明党が6%、社民党が2%と続いた。
 新党ができる前の支持政党については、自民が45%、「支持政党はない」が16%、民進党が15%、公明、共産、維新が各5%だった。民進と答えた人の比例選での投票先では、立憲民主が58%、希望が26%となり、立憲民主が大きく上回った。
 希望は公認条件として安全保障関連法などの容認を迫った「排除の論理」が不興を買い、結成時の勢いが失速して、政権批判票が立憲民主に流れる格好となった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171023-00050103-yom-pol

立憲の候補者足りず…自民に1議席「譲渡」 比例東海

2017年10月23日15時58分
 比例区の東海ブロックで立憲民主党の比例名簿の候補が足りなくなり、本来獲得できた議席自民党に譲る結果となった。
 比例区議席は各党の得票数を1、2、3と順に整数で割り、商が大きい順に議席を割り振る「ドント式」で配分される。立憲は本来、東海ブロックで5議席を獲得するはずだったが、比例名簿に載っていた6人の候補のうち2人が小選挙区で当選したため、名簿に4人の名前しか残らなくなった。候補を追加することはできず、議席の権利を放棄して「譲渡」することになった。失った議席は次に商が大きかった、自民党の8議席目に割り当てられた。
 同じような「議席譲渡」は05年、09年の衆院選でも起きている。

http://www.asahi.com/articles/ASKBQ66MXKBQUTIL015.html