フェイクニュース路線を突っ走るまとめサイト産経、勢いあまって安倍首相にブーメランを投げつける。2016年収支報告に「慶弔費」412万円、「贈答品費」70万円記載が判明。

希望の党・玉木雄一郎代表も香典代 立民・近藤昭一副代表ら野党議員の線香、供花支出続々判明(2018.2.3 05:00更新 )
立民・福山氏は手ぬぐい代 政党支部などが26万円支出(2/6(火) 7:55配信 産経新聞)
産経新聞の政治資金支出報道に立民・福山哲郎幹事長「寄付ではない」 民進党の岡田克也常任顧問も違法性否定(2/7(水) 9:00配信 産経新聞)

フェイクニュース界のクオリティペーパーである産経新聞が、政治家の慶弔費を問題視していましたので便乗します。

産経によれば「慶弔費は祝儀や香典を指す」とのことで「支出が判明した議員は全員旧民主党に所属していた」ようです。

そこで安倍晋三内閣総理大臣の政治団体である晋和会の平成28年(2016年)分の政治活動費*1を調べてみたところ、2016年だけで慶弔費が16件412万7553円、贈答品費が4件68万9208円あることがわかりました。
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産経新聞によれば「支出が判明した議員は全員旧民主党に所属していた」とのことですが、実は安倍晋三議員は旧民主党に所属していたのか、産経新聞安倍晋三議員の支出を調べなかったのか、産経新聞安倍晋三議員の支出に慶弔費などがあることを知りながら政局的な思惑から意図的に隠蔽したのか、いずれにせよ、またも産経新聞誤報が明らかになってしまいました。

安倍首相の支出を産経が取り上げた旧民主党に所属していた議員の支出と比較してみましょう。

議員    調査した期間 目的 金額合計 年平均
安倍晋三  2016年    慶弔費412万7553円、贈答品費68万9208円 481万6761円 481万6761円/年
玉木雄一郎 2010~2012年 慶弔費2010年21万円、2011年9万円、2012年29万5000円 59万5000円 19万8333円/年
小川淳也  2010~2012年 慶弔費37万円 37万円 12万3333円/年
大西健介  2010年    香典代5万5000円 5万5000円 5万5000円/年
岸本周平  2014年    線香代1万800円 1万800円 1万800円/年
近藤昭一  2009年、2013~2015年 線香代3万円+10万2296円、供花代5万8200円 19万496円 4万7624円/年
風間直樹  不明     線香代3万3100円 3万3100円 3万3100円/年?
菊田真紀子 2010~2015年 香典代106万4000円、供花代2万円、線香代1万2000円 109万6000円 21万9200円/年
山尾志桜里 2013~2014年 供花・香典代4万4875円 4万4875円 2万2438円/年
福山哲郎  2010~2011年 手ぬぐい代26万3665円 26万3665円 13万1833円/年
岡田克也  2010~2013年 香典代15万円 15万円 3万7500円/年
逢坂誠二  2011年    生花代1万500円 1万500円 1万500円/年

産経が挙げた旧民主党に所属する議員の慶弔費などの金額を全て合計しても、安倍首相1人の慶弔費に及びませんね。
それにも関わらず、産経新聞は「支出が判明した議員は全員旧民主党に所属していた」と記事に書くわけですから、本当に産経記者は官邸や自民党からいくらもらってるのかと問いただしたい気分です。




2018.2.3 05:00更新

希望の党玉木雄一郎代表も香典代 立民・近藤昭一副代表ら野党議員の線香、供花支出続々判明

 茂木敏充経済再生担当相の秘書が選挙区の有権者に線香を配布した問題で、野党議員が代表を務めた政党支部や関連団体も線香や供花代などを支出したケースが複数あることが2日、分かった。希望の党玉木雄一郎代表の政党支部が3年間で59万5千円の慶弔費を支出したほか、立憲民主党副代表の近藤昭一衆院議員、元民進党の菊田真紀子衆院議員らにも判明した。
 玉木氏が代表だった「民主党香川県第2区総支部」の平成22~24年の「1万円以下の支出」の明細書によると、「慶弔費」として22年に39件計21万円、23年に15件計9万円、24年に56件計29万5千円を計上していた。慶弔費は祝儀や香典を指す。玉木氏は2日、「秘書が葬儀に参列して持参した。政党支部の活動として支出したもので、公職選挙法に基づいたものだ」などとのコメントを発表した。
 希望の党では小川淳也衆院議員が代表の「民主党香川県第1区総支部」も22~24年に62件計37万円の「慶弔費」を計上。大西健介選対委員長の関連団体「健政会」は22年に香典代を17件計5万5千円、岸本周平役員室長の政治団体「周勝会」は26年に1万800円の線香代を支出していた。
 立憲民主党の近藤氏の「民主党愛知県第3区総支部」は21年に線香代3万円、関連団体「21世紀の国づくりを考える会」は25~27年に線香代10万2296円、供花代5万8200円を支出。同党の風間直樹参院議員の関連団体「樹政会」は線香代計3万3100円を支出した。菊田氏の「民主党新潟県第4区総支部」は22~27年、少なくとも香典代計106万4千円、供花代2万円、線香代1万2千円を支出した。
 支出が判明した議員は全員旧民主党に所属していた。立憲民主党山尾志桜里衆院議員も民進政調会長だった28年5月、後援会が25~26年に供花代と香典代計4万4875円を支出していたことが判明した。
 公職選挙法は政党支部や政治家が名前を表示し、または名前が類推される方法で有権者に寄付することを禁じている。線香や葬儀の供花、香典も該当する。香典は政治家本人が手渡せば抵触しない場合もある。

http://www.sankei.com/politics/news/180203/plt1802030003-n1.html

立民・福山氏は手ぬぐい代 政党支部などが26万円支出

2/6(火) 7:55配信 産経新聞
 立憲民主党福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)が代表を務める政党支部などが平成22、23年、手ぬぐい代として7件計26万3665円を京都市内の業者に支出していたことが5日、政治資金収支報告書から分かった。
 福山氏が代表を務めた「民主党京都府参議院選挙区第2総支部」は22年に12万8950円、関連団体「フォーラム共生社会21」は22年に計8万1795円、23年に計5万2920円を支出していた。公職選挙法は、政治家側から選挙区内の有権者への寄付行為を禁じている。福山事務所は「海外要人からの土産の返礼や海外訪問時の土産として使用した」と説明した。
 民進党の岡田克也常任顧問(衆院三重3区)の「岡田かつや後援会」が22~25年、香典として15件計15万円を支出していたことも分かった。岡田事務所は「すべて選挙区外への支出だ」と線引きを強調した。
 衆院予算委員会野党筆頭理事を務める立憲民主党逢坂誠二衆院議員(北海道8区)が代表をしていた「民主党北海道第8総支部」は23年、選挙区内の花店に生花代1万500円を支出していた。逢坂事務所は「支援団体の旗開きに出した。氏名が類推されるような方法を取っていない」として、問題ないとの認識を示した。
 茂木敏充経済再生担当相側による「線香配布」問題が野党に飛び火する中、逢坂氏は5日の衆院予算委で茂木氏を追及し「公選法の規定は、緩いというかグレーだ」と述べ、公選法改正を主張した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180206-00000058-san-pol&pos=1

産経新聞の政治資金支出報道に立民・福山哲郎幹事長「寄付ではない」 民進党の岡田克也常任顧問も違法性否定

2/7(水) 9:00配信 産経新聞
 立憲民主党福山哲郎幹事長と民進党の岡田克也常任顧問は6日、産経新聞が同日付朝刊で報じた政治資金支出について、それぞれ違法性を否定した。
 福山氏は記者会見で、代表を務める政党支部などが手ぬぐい代として7件計約26万円を業者に支出していたことに関して「海外要人からの土産への返礼や海外訪問時の土産として使った。寄付をしているわけではない」と語り、報道に対し「違法であるかのような印象を与える。不公正ではないか」と疑問を示した。
 岡田氏は会見で、後援会による15件計15万円の香典の支出に関し「選挙区外での葬儀における香典で、何の問題もない。読者に何か問題があるかのような印象を与える記事は極めて遺憾だ」と強調した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180206-00000558-san-pol