外交的修辞に浮かれる平和ボケ

 イスラエルへの支援をするのは、パレスチナがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、パレスチナと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。

と言われても、パレスチナは自身に対する挑発とは思わないらしいですね。心が広いなぁ。

2015.2.1 22:16更新

「安倍首相演説はイスラム国を挑発する内容にあらず」駐日パレスチナ代表

 在京アラブ外交団代表を務めるシアム在京パレスチナ常駐総代表(大使に相当)は1日夕、日本人2人が殺害されたとみられる、イスラムスンニ派過激組織「イスラム国」によるテロ事件について、安倍晋三首相が事件前に外遊先の演説でイスラム国対策の支援を表明したことに起因するしたとの見方を否定した。 シアム氏は「(イスラム国を)全く挑発したとは思わない。そのように信じたい人がいるのは確かだが、間違いだ」と述べた。外務省で岸田文雄外相を表敬訪問後、記者団の質問に答えた。
 また、「安倍首相が(演説で)話した『中庸』は美徳で、アラブ諸国に対して適切な表現だ。首相の中東訪問が今回の事案を引き起こすマイナス影響はなかった」と指摘した。その上で「事案が間違ったタイミングで起きただけで、訪問自体は適切な時期だった」と強調した。

http://www.sankei.com/politics/news/150201/plt1502010044-n1.html

外交的修辞って奴ですが、安倍政権にとっては大歓迎でしょうね。パレスチナにとってもイスラム国は敵ですから、こういう修辞も当たり前ですが、そういう冷静な判断を既に日本社会は下せなくなっています。
まあ、それにしても「シアム氏は「(イスラム国を)全く挑発したとは思わない。そのように信じたい人がいるのは確かだが、間違いだ」と述べた。」という部分ですが、この場合重要なのは、日本人人質を押さえているイスラム国がどう信じたかであって、その他の認識、特にイスラム国に敵対している人たちの認識なんてどうでもいいんですけどね。
イスラム国が正しいとか、イスラム国を支持するとか、そういう話ではなく、日本政府が解放交渉している相手側がどう信じるか、どうとらえるか、それを考慮するのは交渉のイロハなわけですから。

イスラム国と交渉している以上、イスラム国にどう思わせるかが決定的に重要な話であって、それを全く考慮しないのであれば交渉になるわけありません。
日本政府の交渉能力が低い、と評価するのはそういう理由です。