ソウルの日本大使館前の慰安婦碑設置に対する日本政府の介入に関する件

ソウル日本大使館前の慰安婦碑の法的な扱いに関しては、以前の記事などでも何度か簡単に書きました。
日本側は慰安婦碑設置を韓国国内法で違法だと主張していますが、団体側は管轄する鍾路区に対して申請を出しており、2011年12月14日に設置される9ヶ月前の2011年3月時点で鍾路区は法的に問題ない旨を回答しているとのことです。

애초 관할 종로구는 지난 3월 정대협의 평화비 건립 신청을 받고 도로법 등 관련 법령을 검토한 끝에 문제가 없다며 적극 협조하겠다는 뜻을 밝혔다.

http://m.blog.daum.net/shbaik6850/16541921

鍾路区の回答を考慮すれば、慰安婦碑が韓国国内法で違法だとするのはかなり無理のある主張です。
強いて言えば、“正式な許可が出ていない”というのが根拠になりえますが、これに対して当時の駐韓日本大使が韓国行政に介入して許可を妨害したことが、大使本人の言で明確になりました。

少女像問題にこだわり慰安婦合意を潰せば相手の思うつぼだ

ダイヤモンド・オンライン 2月4日(木)8時0分配信
(略)
 挺対協が日本大使館前に設置した少女像も、そもそも公道に鍾路区の許可なく建てたもので違法である。私は大使として再三その動きに抗議した。日本大使館前には多くの警察官が公館警備のため詰めているが誰も止めていない。その状況で、私も韓国側に正式な許可を出させなかったのが精一杯であった。
(略)
武藤正敏

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160204-00085711-diamond-soci&p=1

武藤正敏氏は2010年から2012年まで駐韓日本大使を務めており、慰安婦像の設置はまさにその在任期間中に起きた出来事です。その武藤氏本人が「韓国側に正式な許可を出させなかった」と韓国側に圧力をかけたことを自らの手柄話として語っているわけです。
「2011年3月時点で鍾路区は法的に問題ない」としていたにも関わらず、日本大使が「公道に鍾路区の許可なく建てたもので違法」と決め付け、権限の及ぶ大使館敷地内でもない韓国の公道上での行政行為に圧力をかけたわけですから、日本政府による裏工作の一例と言っていいでしょうね。