「自由民主主義は多様性を尊重し、それぞれ異なる考えに対する幅広い表現の自由と寛容を保障する。しかし、表現の自由と寛容が民主主義を破壊し、侵害する主張と行動にまで許されるわけではない」

歴史修正主義者に溢れる日本の惨状を見せ付けられている市民としては、韓国政府の対応がすっごくうらやましく感じた件です。
文大統領「5・18妄言は国の根幹を崩すもの」(2/19(火) 8:21配信 、ハンギョレ新聞)

518民主化運動というのは、1980年5月17日の全斗煥によるクーデターに抗議するために18日から27日にかけて韓国光州で起きた民衆蜂起です。当時の軍事政権韓国では「暴動」と呼ばれ、北朝鮮スパイの工作などの主張が流布されましたが、民主化後は、民主化運動であったとの歴史的評価が確立しています。
さて北朝鮮による工作説を主張しているのが元韓国軍大佐の池萬元です。櫻井よしこ等の日本の極右勢力もこれに同調して光州事件北朝鮮による工作だと主張してたりします。
言ってみれば、何でもかんでもコミンテルンの陰謀扱いするバカウヨの韓国版と言える人物ですね。

その池萬元を自由韓国党が2019年2月8日の「518真相究明公聴会」に呼んで、光州事件犠牲者を侮辱する発言をさせました。それだけではなく自由韓国党議員らも「光州暴動が政治的に利用する勢力のせいで民主化運動にされた。再び暴動に戻すべきだ」とか「我々が油断して政権を失った隙をついて従北左派がモンスター集団を作り上げた」とか暴言の限りを尽くしています。*1
まあ、日本でも自民党が同じようなことをやっていますが。
「518真相究明」というのも、従軍慰安婦否認論や南京事件否定論を偽装するのに「河野談話を見直す」とか偽装したのと同じですしね。

日本と違うのは、こういう妄言を吐く輩に対して政府や社会がちゃんと批判するという点です。
リアルメーターの調査でも「‘5·18 망언’+‘꼼수 징계’ 논란, 한국당 하락세 지속(518妄言と見せかけ懲戒で自由韓国党支持率下落)」という結果が出ています。

文大統領もこんな感じで批判。

지금 국회와 정치권 일각에서 5.18민주화운동을 폭동이라거나 북한군이 남파되었다는 등의 주장을 하며 왜곡하고 폄훼하는 것은 우리의 민주화의 역사와 헌법정신을 부정하는 것이며 결국 민주주의를 훼손하고 나라의 근간을 무너뜨리는 일입니다. 국회 스스로 부끄러워해야 할 자기부정이기도 합니다.
機械翻訳:今国会と政界の一部で5.18民主化運動を暴動とか、北朝鮮軍が南派されたなどの主張をして歪曲して蔑視することは、私たちの民主化の歴史と憲法の精神を否定するものであり、最終的に民主主義を損なうし、国の根幹を崩すことです。国会自ら恥じなければならない自己否定でもあります。 )

https://www1.president.go.kr/articles/5515

文大統領演説で一番良いのがこの部分。

우리의 자유민주주의는 다양성을 존중하고, 각기 다른 생각들에 대한 폭넓은 표현의 자유와 관용을 보장합니다. 그러나 표현의 자유와 관용이 민주주의를 파괴하거나 침해하는 주장과 행동에까지 허용될 수는 없습니다. 너무나 많은 희생을 치렀고, 지금도 아픔이 가시지 않은 민주화운동을 대상으로 오직 색깔론과 지역주의로 편을 가르고 혐오를 불러일으켜 정치적 이익을 얻으려는 행태에 대해 국민들께서 단호하게 거부해 주시기 바랍니다.
機械翻訳:私たちの自由民主主義は多様性を尊重し、異なる考えに対する幅広い表現の自由と寛容を保証します。しかし、表現の自由と寛容が民主主義を破壊したり、侵害すると主張し、行動にまで許容することはできません。あまりにも多くの犠牲を行ったし、今も痛みが消えていない民主化運動を対象に、ただ思想論争と地域主義に肩を分け嫌悪を呼び、政治的利益を得ようとする行動について、国民の皆様断固拒否してください。)

https://www1.president.go.kr/articles/5515

韓国の隣に、前政権を悪夢呼ばわりして批判されても言論の自由だとうそぶいたバカが首相をやってる国がありましたねぇ*2
表現の自由と寛容が民主主義を破壊し、侵害する主張と行動にまで許されるわけではない」とか言われても、その隣国のバカはぽかんとして理解もできないでしょうけどね。



文大統領「5・18妄言は国の根幹を崩すもの」

2/19(火) 8:21配信 ハンギョレ新聞

民主化の歴史と憲法精神を否定するもの」 大統領府首席・補佐官会議で強く批判 「国会自らが恥ずべき自己否定 色分け論・地域主義・嫌悪で政治的利益図る 国民が断固として拒否してほしい」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、「最近、国会と政界の一部が、5・18民主化運動を暴動と呼んだり、北朝鮮軍が派遣されたと主張し、歪曲・否定することは、韓国の民主化の歴史と憲法精神を否定するものであり、やがては民主主義を傷つけ、国の根幹を崩すこと」だと述べた。
 文大統領は同日、大統領府で開かれた首席・補佐官会議の冒頭で、自由韓国党の一部議員と極右勢力による5・18民主化運動歪曲・冒涜行為についてこのように述べ、「国会自らが恥ずべき自己否定だ」と強く批判した。文大統領が「5・18妄言」をめぐる波紋について直接言及したのは今回が初めて。これに先立ち、文大統領は、自由韓国党が推薦した5・18真相究明調査委員会調査委員3人のうち2人の任命を事実上拒否し、「5・18妄言」をめぐる波紋に対する憂慮を間接的に示した。しかし、今回の事態が深刻だと判断し、この日直接発言を行ったものと見られる。
 文大統領は、「5・18妄言」が表現の自由・寛容を超える問題だと明らかにした。彼は「自由民主主義は多様性を尊重し、それぞれ異なる考えに対する幅広い表現の自由と寛容を保障する。しかし、表現の自由と寛容が民主主義を破壊し、侵害する主張と行動にまで許されるわけではない」とし、「あまりにも多くの犠牲を払い、今もその苦しみが消えていない民主化運動を対象に、色分け論と地域主義で敵味方に分け、嫌悪を呼び起こし、政治的利益を得ようとする行動を、国民が断固拒否してほしい」と強調した。
 また、文大統領は5・18民主化運動に対する歴史的評価と関連し、1990年の光州(クァンジュ)民主化運動補償法▽1995年の5・18民主化運動特別法▽2002年の5・18民主有功者礼遇法などを取り上げ、「国会が制定した法律を通じて、民主化運動と規定され、補償の対象になり、犠牲者と貢献者を民主化有功者に礼遇するようになった」と述べた。さらに「1997年から5・18が民主化運動国家記念日となり、以降の歴代政府は毎年その日に国家記念式を行い、5・18民主化運動精神の継承を明言してきた」と付け加えた。5・18民主化運動に対する歴史的評価が法律で確実に規定されただけに、これについて不必要な論争を繰り広げたり、歴史歪曲をしてはならないと強調したのだ。
 これと共に、文大統領は「大韓民国憲法は4・19革命や釜馬(プマ)民主化抗争、5・18民主化運動、6・10抗争精神の土台の上にあり、その民主理念を受け継いで民主共和国と国民主権自由民主主義を宣言している」と強調した。昨年3月に文大統領が発議した改憲案のうち、憲法の導入部にあたる前文には、韓国国民が継承すべき歴史的事件の範囲を現行の憲法に盛り込まれた「4・19」から釜馬民主抗争、5・18民主化運動、6・10抗争まで拡張する内容が盛り込まれている。
 一方、ナ・ギョンウォン自由韓国党院内代表が、文大統領が任命を拒否したクォン・テオ氏とイ・ドンウク氏を調査委員に再推薦する意向を示したことに対し、キム・ウィギョム大統領府報道官は「公式に再推薦した場合、立場を明らかにする」と述べた。カン・ギジョン大統領府政務首席は同日、記者団に「ナ・ギョンウォン代表が(任命が拒否された人々の)経歴を追加して再推薦すると述べた」と説明した。自由韓国党が彼らを再び推薦しても、任命拒否の方針に変わりはないものとみられる。大統領府の関係者は「資格が適格でないため、(別の人物を)推薦してほしいと要求した。その状況に変わりはない」と話した。
キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190219-00032826-hankyoreh-kr