タイトルに他意はありません。
首相、「自公で」過半数目指す考え 衆院選*1
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130609-00000529-san-pol
産経新聞 6月9日(日)14時4分配信
安倍晋三首相は9日のNHK番組で、7月の参院選に関し「自民党、公明党を合わせて(参院で)過半数を目指していきたい」と述べ、自民党単独による参院過半数を目標に掲げない考えを示した。
首相は司会者から自民党単独で過半数を目指す必要性を問われると「公示まで1カ月間を切っていて運動期間にそれほど余裕がない。そういう方針は全く今考えていない」と指摘した。今通常国会の会期については延長する考えがないことを改めて示し、参院選は7月4日公示、21日投開票との日程を想定していることを述べた。
この記事を読んだときにさすがに笑いました。次の参院選で自公過半数目指すってハードル低すぎですから。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/183/giinsu.htm
派名 議員数 改選合計 非改選合計 民主党・新緑風会 86 44 42 自由民主党 83 34 49 公明党 19 10 9 みんなの党 13 3 10 生活の党 8 6 2 日本共産党 6 3 3 みどりの風 4 4 0 社会民主党・護憲連合 4 2 2 日本維新の会 3 2 1 新党改革 2 1 1 各派に属しない議員 9 7 2 合計 237 116 121 欠員 5 5 0 総定数 242 121 121
現状、自民党は非改選49議席、改選34議席で、公明党は非改選9議席、改選10議席を持っています。合わせて、非改選58議席、改選44議席です。参議院の過半数は121議席以上ですから、時期参院選で自公が63議席以上取れば参議院過半数を獲得し、ねじれ状態を解消した安定政権となります。
改選議席数は121議席ですから63議席というのはほぼ半分です。政権監視できるほどの有力野党が存在しない現状で世論調査でも自公合わせて投票先として50%程度の数字を上げていますから*2、未定・無回答を考慮すれば自公で半数以上の議席獲得はまず余裕でしょう。
極端な話、今のまま何もしなければ自動的に参院選後に過半数を確保し、安定政権とできるわけですから余計な失点を重ねるようなバカな真似をしなければいいだけです。現状、ひとつふたつのバカをやったくらいでは大勢に影響ないでしょうしね。その意味では、この参院選はバカでもできるねじれ解消選挙と言えます。
にもかかわらず「自民党、公明党を合わせて(参院で)過半数を目指していきたい」とか6月9日の時点で言ってるあたりが笑えます。普通に歩いて跨げる程度のハードルを設定して、それを目指しますと言われても中学生が夏休みの課題として九九を言えるようになりますと宣言するに等しい稚拙さを感じますね。もっとも単に稚拙なわけではなく、本音は過半数確保の価値をバブル的に膨らませることで選挙後に安倍自民が国民に支持されたと誇大に吹聴するための布石でしょうけど。
さて、本来なら憲法改正を掲げている安倍自民が掲げるべき目標は、改憲に賛同する野党の改選後議席数を30議席程度と仮定*3し自公で参院130議席確保、つまり改選で自公72議席確保あたりが妥当な線と思いますね。現在の支持率などから判断しても、約70議席が過大な目標とも思えません。
ですので、護憲勢力から見た参院選での勝敗判定基準はこんな感じになるかと思います。
自公獲得議席 | 護憲側判定 |
81以上 | 惨敗*4 |
71〜80 | 敗北 |
63〜70 | 惜敗 |
53〜62 | 辛勝*5 |
44〜52 | 勝利 |
43以下 | 大勝*6 |
可能性が高いのは敗北又は惜敗の状態で、護憲勢力側に勝てる可能性はほとんどないと言えます。個人的には惜敗で抑えられれば善戦と言えると思います。その後はねじれ解消された結果、安倍政権は人権破壊政策をフル回転で実行し始めるでしょうから、その大災害をどれだけ食い止めるかという段階に入るでしょうね。