つかこうへい「娘に語る祖国 「満州駅伝」従軍慰安婦編」より

取材なしで捏造記事を書くことで有名な阿比留瑠比氏が、相変わらずデマと欺瞞とヘイトに満ちた記事を書いています。

慰安婦、つかこうへい氏の見方「歴史は優しい穏やかな目で」
慰安婦、つかこうへい氏の見方「歴史は優しい穏やかな目で」

名誉毀損で敗訴し会社に損害を与えたにも関わらず首にもされず政治(略)委員として阿比留瑠比氏を雇っている事実上の安晋会機関誌の産経新聞は、同系統のカルトである幸福の科学のイタコ芸に習い、死人を使って都合の良いことを喋らせる記事を書くようです。

つか氏が 「悲惨さを調べようと思っていたら、思惑が外れてバツが悪かったが、慰安婦日本兵の恋はもちろん、心中もあった。僕は『従軍慰安婦』という言葉が戦後に作られたことや、慰安婦の主流が日本人だったことも知らなかった」という発言をしたのは、いかに阿比留瑠比氏が取材もせずに適当なデマ記事ばかり書く政治色の強い偏向記者とは言っても事実かも知れません。しかし、おそらく前後の文脈を無視した阿比留瑠比氏に都合の良いトリミングと思います。

ところで、デマ記者の阿比留瑠比氏が記事中にとりあげている『娘に語る祖国 満州駅伝−従軍慰安婦編』ですが、この中には以下の記述があります。
満州に駐留した元日本兵池田氏の話として、書かれている部分で、池田氏慰安婦のスンジャと恋仲になって、ちょうどその時期に兵隊と慰安婦らで行われた駅伝の最中に二人で脱走しようとし、鬼塚上等兵に見つかった場面です。

(「娘に語る祖国 「満州駅伝」従軍慰安婦編」P149-153)

今日も満州に愛の壊れる時がきた

「鬼塚さん独特の、よく通る、ドスの利いた声が響きました。
『池田、何をしてるんだ』
『・・・・』
『脱走する気か!』
スンジャも私も何も言えず、立ち尽くしていると、
『何のためにオレが駅伝大会を開いてやってると思ってんだ。慰安婦が脱走なんかせんでいいようにやっとるんだ。その気持ちをどうしてわからんのだ』
 周りを兵隊たちに取り囲まれ、私たちは縛られ、木にくくりつけられました。
『知ってるな、池田。脱走は銃殺だと』
『はい』
『いいか、池田、じゃあこういうことにしてくれ。おまえはこの広い満州平原の中で駅伝の最中に便所に行きたくなった。そしてこいつが水を飲みに来た。そして二人で休んでいるところをたまたま、脱走したと思われて誤って銃殺されそうになっているってことにな。それでことを穏便に運んでくれ』
『しかし上等兵殿』
『オレがいつも歌ってるだろう。
“今日も満州平原に愛の壊れる時がきた。
 見よ、あの真っ赤に沈みゆく美しい夕陽を!!
 あの夕陽に白く縁取りをすれば、日の丸の形になる!!”
 この詩はいい。
 ここんところを汲み取ったならば何か言えるだろう。
 大体なあ、オレたちが何十回も何百回も抱いた女と何してんだ!』
『はっ』
『わからんのか!第一、兵隊が朝鮮人に、しかも慰安婦なんかと恋に落ちて脱走したなんてことになったら、大日本帝国が根底から揺らぐ!』
 そう言ってガンガン殴られました。
『オレは常々言っているだろう。愛、その次には“に”から始まるあの言葉。“愛憎し”だよ“愛憎し”。
 なあ。その言葉を刻みつけてもう一度何かを言ってみろ』
『上等兵殿』
『池田、いいか。嫌がる女を無理矢理連行し、抵抗したら傷つけ殺し、病気持ちにさせておきながら変な情けをかけた日には、大日本帝国は根底から揺らぐ。この戦争が終わったあと、“あれは狂っていたんだ、だからあのことは仕方なかった”そう言い切らねばならんのだ。それにはな、愛だ恋だを芽生えさすだけの理性などあってはいけないんだ。でなければ、大日本帝国が根底から揺らぐ!!
 そこんとこを汲んでもう一度何かを言ってみろ!!』
『上等兵殿。こいつは可哀相な女であります。朝鮮から慰安婦として連れてこられて、日に何十人も客を取らされて、この女は可哀相な女であります。どうか助けてやってください』
『それは分かってる』
『好きになってしまったのであります。誘ったのは自分です。こいつは悪くありません』
 その時、スンジャが前に身を乗り出し、はがい締めにする兵たちを振り切るようにしながら叫んでくれたのです。
『違う。この人悪くない。朝鮮から連れてこられて、何人も男取らされて、私たちが何した。この人だけが、人間らしく扱ってくれた。自分の時は休めって言ってくれた。この人が死ぬなら自分も死ぬ』
『よし、そうか。撃て!!』
 そう言って、右手を高々と振り上げようとした、ちょうどその瞬間でした。サイレンが鳴り響き玉音放送が流れたのです」
玉音放送終戦ということですか」
「そうです。なんか大騒ぎになっちゃって、そのなかで私はへたりこむようにして地面にしゃがんでいました。ほっとするというか何というか、とにかくただ座り込んでいました」

某まとめサイトでは、「強制連行は無いと思う。マスコミの多くは強制連行にしたがっているようだけど」 とつか氏が言ったかのように捏造していますが、上の引用だけでもつか氏がどのように従軍慰安婦を理解していたかはわかると思います。

まとめサイトや阿比留瑠比氏の記事を鵜呑みにして慰安婦問題を否認するようなバカは、絶対に本書を読まないだろうと思ったので一応引用しておきました。